女「かなり降ってるみたいね」
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:30:08 id:X8Svgfaw
男「ええ、まったくの雪です」
女「ほら、肩にも積もってる」
男「あっ、すみません」
女「途中、足元は大丈夫だったかい?」
男「はい、おかげさまで」
女「ちぇ」
男「ご不満ですか」
女「うん」
男「転んでいたらどうしたんですか?」
女「笑ってやろうとおもってた」
男「む……」
女「ふふ、冗談だよ」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:34:53 id:X8Svgfaw
男「おみやげがあります」
女「おっ、うれしいね。なんだい?」
男「来る途中めずらしいものを見かけまして、つい」
女「どれどれ……お、とうふだね」
男「今どき豆腐屋なんて、めずらしいでしょう?」
女「二丁目のあたりだろ?」
男「なんだ、しってましたか」
女「店主は色白の、ちょっとした美人だったはずさ」
男「お知り合いですか?」
女「小学のね。同級さ」
男「はあ」
女「や、しかしいいものを持ってきてくれたね。ありがとう」
男「いえ」
女「ちょうどなにかもう一つほしいと思ってたんだ」
男「そりゃあよかったです」
女「あの子のとこのなら上出来だよ」
男「今日はなんですか?」
女「なんだとおもう?」
男「鍋」
女「ふふ、あたり」
男「この雪ですからね」
女「よし」
男「はい」
女「わたしはこのとうふを切ってくるからさ。先に部屋でぬくもっていてくれ」
男「すみません」
女「こたつは入れてあるからね」
男「はい」
女「すぐいくからね」
男「うあー……」
女「っと、おまたせ」
男「あ、鍋、沸かしておきました」
女「ありがとう……どうしたんだい? ひとりで唸ってさ」
男「いえ、こたつのぬくさを噛みしめてました」
女「ふうん」
男「いいもんですねえ……」
女「わたしとどっちがいいかな?」
男「な」
女「ふふ」
女「さ、飲もう」
男「飲みましょう」
女「かんぱぁい」
男「乾杯です」
女「……」
男「……」
女「……ふう」
男「……いいあんばいですね」
女「ああね」
男「ええ」
女「君、菜箸を取ってくれないか」
男「と、俺がやりましょう」
女「すまないね」
男「なんです? これ」
女「鱈だよ君」
男「こっちは春菊」
女「あとは君のとうふだね」
男「シンプルですね」
女「歳をとるとね、こんなのがいいのさ」
男「同意ですけど、まだそんな歳じゃないでしょうあなた」
女「ふふ」
男「そろそろいいですか」
女「うん。煮えたろう」
男「いただきます」
女「めしあがれ」
男「……と、とと」
女「…うん」
男「……」
女「……」
男「…うまいもんですね」
女「んむ。やはりこうでなくてはね」
男「ま、一献」
女「お、お」
男「……」
女「……」
男「む」
女「ほれ」
男「どうも」
女「ん」
男「……」
女「……」
男「……」
女「春菊ほしいな」
男「はい」
女「ありがとう……と」
男「……はやくないですか?」
女「煮過ぎるよかマシさ」
男「ま、そうですね」
女「……む、うまい」
男「……」
女「……鱈はいいね」
男「はい?」
女「うまいじゃないか」
男「はあ」
女「身が白いのもいい」
男「そうですね」
女「噛むと、味がでるね」
男「酒に合います」
女「うむ」
男「……」
女「……やはりうまい」
男「はい」
女「うーむ……」
男「……」
女「字もいいな」
男「鱈ですか」
女「うん。魚に雪と書く」
男「えーと……ああ、そうですね」
女「今日みたいな日にぴったりだ」
男「雪の日」
女「うん」
男「……」
女「雪じゃなくてもぴったりだ」
男「……よほど鱈、好きなんですね」
女「ふふ、惚れたら一途なのさ」
男「はあ」
女「さ、今度は君がとうふ語りをしようか」
男「なんですかそれ」
女「好きだろ? とうふ」
男「まあ好きですけど……」
女「ささ、どうぞ」
男「えーと、じゃあ豆腐はうまいです」
女「うんうん」
男「やらかいですね」
女「そうだな」
男「あー……白くていいですね」
女「うん、とうふは白い。白いはウサギだ」
男「……」
女「……あふっはふっ」
男「……あの」
女「ん、もうおしまいかい?」
男「楽しそうですね」
女「まあねえ」
男「はあ…」
女「ため息はいけないよ君。まま、こいつで飲み込みなさいな」
男「…いただきます」
女「ふふ」
男「……」
女「さーよなら三角、また来ーて四角」
男「なつかしいですね」
女「四角はとうふ、とうふは白い」
男「……」
女「白いはウサギ、ウサギははねる」
男「……」
女「ウサギははねる」
男「…はねるはカエル」
女「カエルはあーおい」
男「あーおいいは葉っぱ」
女「葉っぱはゆーれる」
男「揺れるはローソク」
女「ん? おばけじゃないか?」
男「おばけですか?」
女「ふーむ」
男「地方差ですかねえ」
女「そうだねえ」
男「……」
女「……」
男「ごちそうさまでした」
女「うん、おそまつさまでした」
男「んー、いい感じに酔いが回ってます」
女「でも、まだ飲むだろ?」
男「ええ」
女「ふふ、今夜は寝かさないよ」
男「いっつもあなたが先に寝るんですよ」
女「ちがいない」
男「……」
女「……お、やんでる」
男「…いつのまに」
女「うーん、積もったねえ」
男「電車が止まらないといいのですが」
女「その時はもう一泊していくんだろ?」
男「そうですねえ」
女「よし。電車がとまりますように…」
男「呪いをかけないでください」
女「ささやかなお祈りくらいいじゃないか」
男「はあ」
男「……あ」
女「空いたね」
男「もう一本いきますか」
女「うん。お燗つけよう」
男「いいですね」
女「ふふ」
男「……」
女「うーん」
男「どんな感じですか?」
女「どんな感じがいい?」
男「ぬる燗と熱燗のまんなかくらいが好きです」
女「上燗だね」
男「そんな名前なんですか」
女「人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛び切り燗というね」
男「へえ」
女「ん、こんなもんだろ」
女「さ、どうぞ」
男「はい」
女「……」
男「あっ、そのくらいで…」
女「まあまあ」
男「……」
女「じゃ、乾杯」
男「乾杯」
女「……くう、いいねえ」
男「ご機嫌ですね」
女「わたしも回ってきたかな」
男「ええ、顔がほんのり赤いです」
女「これは照れてるだけさ」
男「嘘おっしゃい」
女「ふふ」
男「……」
女「……ん」
男「ねむいんですか?」
女「んーん」
男「……」
女「んふふ」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「ね」
男「なんですか?」
女「雪が見たいな」
男「どうぞ」
女「そうじゃなくてさ」
男「外は寒いです」
女「酒があるだろ」
男「そこの縁側で我慢しませんか?」
女「ちぇ。ま、いいか」
男「移りますか」
女「連れてってくれよ」
男「このくらい、自分で歩いてください」
女「やなこった」
男「……つかまってください」
女「わあい」
男「縁側の雪、掃きますね」
女「うう、寒いな」
男「だから言ったでしょう」
女「ま、こうしてりゃいいか」
男「……」
女「ぬくいだろ?」
男「ええ」
女「……」
男「……」
女「白いなあ」
男「ええ」
女「……」
男「……」
女「……」
男「静かですね」
女「うん」
男「……」
女「雪は音をけしてしまうというね」
男「ええ」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「あ、月」
男「……え?」
女「ほら、あの雑木のうえ。雲のすき間」
男「ああ」
女「下弦だね」
男「もう二月もしまいですか」
女「そうだねえ」
男「……」
女「雪見酒に月見酒かあ」
男「贅沢ですね」
女「雪月花のとき、最も君をおもう」
男「なんですか? それ」
女「白居易」
男「はあ」
女「ま、花はないけどねえ。我慢しようじゃないか」
男「そんなことないです。ちゃんと揃ってますよ」
女「え? どこだい?」
男「……」
女「……」
男「……きれいですねえ」
女「…ちぇ、らしくないこと言いやがって」
男「すみませんね」
女「ふふ、ま、悪い気はしないね」
女「む、ちょっと冷えたな」
男「中に」
女「うん」
男「窓、しめますよ」
女「おおさむ」
男「こたつ潜りましょう」
女「んー……」
男「はい?」
女「あったまるなら、人肌がいいやね」
男「……はいはい」
女「ふふ」
男「……」
女「ん……」
男「……」
女「……」
めでたしめでたし
SS深夜VIP:女「かなり降ってるみたいね」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1393111808/
男「おみやげがあります」
女「おっ、うれしいね。なんだい?」
男「来る途中めずらしいものを見かけまして、つい」
女「どれどれ……お、とうふだね」
男「今どき豆腐屋なんて、めずらしいでしょう?」
女「二丁目のあたりだろ?」
男「なんだ、しってましたか」
女「店主は色白の、ちょっとした美人だったはずさ」
男「お知り合いですか?」
女「小学のね。同級さ」
男「はあ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:38:31 id:X8Svgfaw
女「や、しかしいいものを持ってきてくれたね。ありがとう」
男「いえ」
女「ちょうどなにかもう一つほしいと思ってたんだ」
男「そりゃあよかったです」
女「あの子のとこのなら上出来だよ」
男「今日はなんですか?」
女「なんだとおもう?」
男「鍋」
女「ふふ、あたり」
男「この雪ですからね」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:40:10 id:X8Svgfaw
女「よし」
男「はい」
女「わたしはこのとうふを切ってくるからさ。先に部屋でぬくもっていてくれ」
男「すみません」
女「こたつは入れてあるからね」
男「はい」
女「すぐいくからね」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:42:04 id:X8Svgfaw
男「うあー……」
女「っと、おまたせ」
男「あ、鍋、沸かしておきました」
女「ありがとう……どうしたんだい? ひとりで唸ってさ」
男「いえ、こたつのぬくさを噛みしめてました」
女「ふうん」
男「いいもんですねえ……」
女「わたしとどっちがいいかな?」
男「な」
女「ふふ」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:43:31 id:X8Svgfaw
女「さ、飲もう」
男「飲みましょう」
女「かんぱぁい」
男「乾杯です」
女「……」
男「……」
女「……ふう」
男「……いいあんばいですね」
女「ああね」
男「ええ」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:50:30 id:X8Svgfaw
女「君、菜箸を取ってくれないか」
男「と、俺がやりましょう」
女「すまないね」
男「なんです? これ」
女「鱈だよ君」
男「こっちは春菊」
女「あとは君のとうふだね」
男「シンプルですね」
女「歳をとるとね、こんなのがいいのさ」
男「同意ですけど、まだそんな歳じゃないでしょうあなた」
女「ふふ」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:51:08 id:X8Svgfaw
男「そろそろいいですか」
女「うん。煮えたろう」
男「いただきます」
女「めしあがれ」
男「……と、とと」
女「…うん」
男「……」
女「……」
男「…うまいもんですね」
女「んむ。やはりこうでなくてはね」
男「ま、一献」
女「お、お」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:54:22 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……」
男「む」
女「ほれ」
男「どうも」
女「ん」
男「……」
女「……」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:56:42 id:X8Svgfaw
男「……」
女「春菊ほしいな」
男「はい」
女「ありがとう……と」
男「……はやくないですか?」
女「煮過ぎるよかマシさ」
男「ま、そうですね」
女「……む、うまい」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:57:29 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……鱈はいいね」
男「はい?」
女「うまいじゃないか」
男「はあ」
女「身が白いのもいい」
男「そうですね」
女「噛むと、味がでるね」
男「酒に合います」
女「うむ」
男「……」
女「……やはりうまい」
男「はい」
女「うーむ……」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 08:59:41 id:X8Svgfaw
男「……」
女「字もいいな」
男「鱈ですか」
女「うん。魚に雪と書く」
男「えーと……ああ、そうですね」
女「今日みたいな日にぴったりだ」
男「雪の日」
女「うん」
男「……」
女「雪じゃなくてもぴったりだ」
男「……よほど鱈、好きなんですね」
女「ふふ、惚れたら一途なのさ」
男「はあ」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:01:16 id:X8Svgfaw
女「さ、今度は君がとうふ語りをしようか」
男「なんですかそれ」
女「好きだろ? とうふ」
男「まあ好きですけど……」
女「ささ、どうぞ」
男「えーと、じゃあ豆腐はうまいです」
女「うんうん」
男「やらかいですね」
女「そうだな」
男「あー……白くていいですね」
女「うん、とうふは白い。白いはウサギだ」
男「……」
女「……あふっはふっ」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:01:48 id:X8Svgfaw
男「……あの」
女「ん、もうおしまいかい?」
男「楽しそうですね」
女「まあねえ」
男「はあ…」
女「ため息はいけないよ君。まま、こいつで飲み込みなさいな」
男「…いただきます」
女「ふふ」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:04:00 id:X8Svgfaw
男「……」
女「さーよなら三角、また来ーて四角」
男「なつかしいですね」
女「四角はとうふ、とうふは白い」
男「……」
女「白いはウサギ、ウサギははねる」
男「……」
女「ウサギははねる」
男「…はねるはカエル」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:04:33 id:X8Svgfaw
女「カエルはあーおい」
男「あーおいいは葉っぱ」
女「葉っぱはゆーれる」
男「揺れるはローソク」
女「ん? おばけじゃないか?」
男「おばけですか?」
女「ふーむ」
男「地方差ですかねえ」
女「そうだねえ」
男「……」
女「……」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:06:48 id:X8Svgfaw
男「ごちそうさまでした」
女「うん、おそまつさまでした」
男「んー、いい感じに酔いが回ってます」
女「でも、まだ飲むだろ?」
男「ええ」
女「ふふ、今夜は寝かさないよ」
男「いっつもあなたが先に寝るんですよ」
女「ちがいない」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 09:07:45 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……お、やんでる」
男「…いつのまに」
女「うーん、積もったねえ」
男「電車が止まらないといいのですが」
女「その時はもう一泊していくんだろ?」
男「そうですねえ」
女「よし。電車がとまりますように…」
男「呪いをかけないでください」
女「ささやかなお祈りくらいいじゃないか」
男「はあ」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:25:24 id:X8Svgfaw
男「……あ」
女「空いたね」
男「もう一本いきますか」
女「うん。お燗つけよう」
男「いいですね」
女「ふふ」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:31:16 id:X8Svgfaw
男「……」
女「うーん」
男「どんな感じですか?」
女「どんな感じがいい?」
男「ぬる燗と熱燗のまんなかくらいが好きです」
女「上燗だね」
男「そんな名前なんですか」
女「人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛び切り燗というね」
男「へえ」
女「ん、こんなもんだろ」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:32:33 id:X8Svgfaw
女「さ、どうぞ」
男「はい」
女「……」
男「あっ、そのくらいで…」
女「まあまあ」
男「……」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:42:33 id:X8Svgfaw
女「じゃ、乾杯」
男「乾杯」
女「……くう、いいねえ」
男「ご機嫌ですね」
女「わたしも回ってきたかな」
男「ええ、顔がほんのり赤いです」
女「これは照れてるだけさ」
男「嘘おっしゃい」
女「ふふ」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:44:30 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……ん」
男「ねむいんですか?」
女「んーん」
男「……」
女「んふふ」
男「……」
女「……」
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:47:17 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……」
男「……」
女「ね」
男「なんですか?」
女「雪が見たいな」
男「どうぞ」
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:48:31 id:X8Svgfaw
女「そうじゃなくてさ」
男「外は寒いです」
女「酒があるだろ」
男「そこの縁側で我慢しませんか?」
女「ちぇ。ま、いいか」
男「移りますか」
女「連れてってくれよ」
男「このくらい、自分で歩いてください」
女「やなこった」
男「……つかまってください」
女「わあい」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 10:56:01 id:X8Svgfaw
男「縁側の雪、掃きますね」
女「うう、寒いな」
男「だから言ったでしょう」
女「ま、こうしてりゃいいか」
男「……」
女「ぬくいだろ?」
男「ええ」
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女「……」
男「……」
女「白いなあ」
男「ええ」
女「……」
男「……」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:00:19 id:X8Svgfaw
女「……」
男「静かですね」
女「うん」
男「……」
女「雪は音をけしてしまうというね」
男「ええ」
女「……」
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:01:18 id:X8Svgfaw
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:02:03 id:X8Svgfaw
男「……」
女「あ、月」
男「……え?」
女「ほら、あの雑木のうえ。雲のすき間」
男「ああ」
女「下弦だね」
男「もう二月もしまいですか」
女「そうだねえ」
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:03:09 id:X8Svgfaw
男「……」
女「雪見酒に月見酒かあ」
男「贅沢ですね」
女「雪月花のとき、最も君をおもう」
男「なんですか? それ」
女「白居易」
男「はあ」
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:05:13 id:X8Svgfaw
女「ま、花はないけどねえ。我慢しようじゃないか」
男「そんなことないです。ちゃんと揃ってますよ」
女「え? どこだい?」
男「……」
女「……」
男「……きれいですねえ」
女「…ちぇ、らしくないこと言いやがって」
男「すみませんね」
女「ふふ、ま、悪い気はしないね」
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:06:24 id:X8Svgfaw
女「む、ちょっと冷えたな」
男「中に」
女「うん」
男「窓、しめますよ」
女「おおさむ」
男「こたつ潜りましょう」
女「んー……」
男「はい?」
女「あったまるなら、人肌がいいやね」
男「……はいはい」
女「ふふ」
男「……」
女「ん……」
男「……」
女「……」
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 11:08:47 id:X8Svgfaw
めでたしめでたし
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/23(日) 13:53:02 id:oFuN99jw
元スレSS深夜VIP:女「かなり降ってるみたいね」
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