SSまとめ速報ちゃんねる

面白いSSを毎日更新します!

幼馴染「久しぶりにしゃぶらせて?」男「は!?」

1:2015/10/12(月) 19:56:31.54 ID:
幼馴染「あ、たけのこの里じゃん。ちょーだい」

男「ん」スッ

幼馴染「…」

男「おい」

幼馴染「…あ、う、うん!」

男「手なら洗ったぞー」

幼馴染「そ、そういう意味じゃなくて…」

男「はぁ?もう一個欲しいの?」

幼馴染「いや、えっと…」

男「ほら、これで最後だけど」スッ

幼馴染「…!ち、近いって!」

男「……さっきから何言ってんの?」

幼馴染「だ、大丈夫!私もう大丈夫だからー!」タッタッタ

男「…? 意味わからん…」


幼馴染「はぁ…はぁ…」

幼馴染「思い出しちゃったじゃん…」ゴクッ

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4:2015/10/12(月) 20:07:38.47 ID:
翌日

幼馴染「おはよー…」

男「お、おい、目のクマ凄いな」

幼馴染「んー、寝れなくてさ…」

男「幼、昨日からおかしいぞ?」

幼馴染「あはは、昨日はごめんね」

男「なんだったんだ?いきなり顔赤くして…」

幼馴染「……思い出しちゃったの」

男「思い出した?何を?」

幼馴染「昔のことっていうか…」

幼馴染「気持ちいいこと…みたいな?」

男「はぁ?なんだよ、それ」

幼馴染「男は…覚えてないの?」


5:2015/10/12(月) 21:05:43.55 ID:
十数年前

幼馴染『あー!なにたべてるの?』

男『たけのこのさと』

幼馴染『いいなー!ちょーだい!』

男『ん、さいごのいっこ』スッ

幼馴染『いいの?』

男『うん』

幼馴染『あ、おとこのゆびにチョコついてる』ペロッ

男『!?』

幼馴染『んー、おいひい…』ペロペロ

男『や、やめろっ!』

幼馴染『なんか…ねむくなってきた…』ペロペロ

幼馴染『んー、これかえすね。ねむくなっちゃった』

男『げ、ゆびがべとべとだ…』

男『…』


6:2015/10/12(月) 21:31:36.80 ID:
幼馴染『んー…』チュパチュパ

男『もーいいだろ?』

幼馴染『もうちょっと…』チュパチュパ

男『ゆびがおふろはいったときみたいになっちゃうだろー』

幼馴染『おとこのゆびなめてると、ねむく…なっちゃ…う…』

男『こんなのでねむくなるとか、あかちゃんかよ』

男『…』

男『げ、ゆびあらわないと』


7:2015/10/12(月) 21:37:07.39 ID:
幼馴染『おとまりって、ねれないよね』

男『んー…』

幼馴染『おとこのゆびなめたらねれるかも』

男『すー…すー…』

幼馴染『じぶんのゆびじゃねれなかったんだー』

男『すー…』

幼馴染『しつれいしまーす』ペロッ


幼馴染『おいひい…』ペロペロ


幼馴染『……』ペロペロ…ジュルジュル…レロレロ…


8:2015/10/12(月) 21:46:30.91 ID:
幼馴染『おーとーこー』

男『やだ』

幼馴染『え、なんでー』

男『もうすぐしょーがくせーだから』

幼馴染『ぶー』

男『かーちゃんにやめなさいっていわれただろ?』

幼馴染『そうだけど…』

男『だからもうだめ。おれにメリットないし』

幼馴染『メリットってなにー?』

男『え、えーっと…』

幼馴染『んー?』

男『おれにいいことがないってこと!』

幼馴染『おとこにもいいことかー…』


10:2015/10/12(月) 21:54:49.54 ID:
男『いてっ!』

幼馴染『どーしたの?』

男『かみでゆびきっちゃった』

幼馴染『あ、ちーでてる…』

男『いてっ… ひりひりする…』

幼馴染『わたしがなおしてあげる!』

男『?』

幼馴染『ん…』ペロッ

男『お、おい!』

幼馴染『ちーとらないと…』ペロペロ

男『…』

幼馴染『はい、なおったよー』

男『…ありがと』

幼馴染『うん!』


11:2015/10/12(月) 22:12:56.70 ID:
--
---

男「あー、思い出した…」

幼馴染「なんでやらなくなったんだろ?」

男「さぁ?いつの間にかしなくなったよな」

幼馴染「うん…」

男「……さ、さすがに今はしないだろ?」

幼馴染「えっ? う、うん…!」

男「もう高校生だし、色々、な!」

幼馴染「う、うん…… 」


幼馴染「… 」


12:2015/10/12(月) 22:25:16.90 ID:
幼馴染「…」チュパチュパ

幼馴染「んー、なんか違う…」

妹「お姉ちゃん…?」

幼馴染「ごめん!もう大丈夫!」

妹「よく分かんないけど、これでお金くれるの?」

幼馴染「うん。ありがとね」

妹(クマ凄いし…どうしたんだろ)

妹「なんか困ったことあったら言ってね?」

幼馴染「あはは、大丈夫大丈夫!」

妹(男くんに相談してみよう…)


13:2015/10/12(月) 22:36:27.41 ID:
男(あー、舐めときゃよかったーー!!)

男(幼き日の俺のバカ野郎…間接キスだったのに…)

男(いや、間接ディープキスか…)


妹「あの、男くn…… 男先輩!」

男「い、妹ちゃん? 何か用?」

妹「お姉ちゃんに何したんですか?」

男「あー、それは…えっと…」

妹「やっぱり先輩が絡んでるんですね」

男「うん…まあ、そうだな」

妹「何があったか話してください」

男「最初から言うと…たけのこの里が…」


14:2015/10/12(月) 22:47:15.86 ID:
妹(それで私の指を…)

男「でも、もう高校生だしそんなことは…」

妹「舐めさせてあげてください」

男「え?」

妹「お姉ちゃんに先輩の指を舐めさせてあげてください」

男「い、いや、でも…」

妹「辛そうなお姉ちゃんは見ていられないので」

妹「お金、置いておきますね」

男「えっ!?」

妹「正直、先輩にはメリットしかないですよね。これ」

男「た、確かに…」

妹「その代わり、いやらしいことしたら殺しますから」ニコッ

男「はい」


15:2015/10/12(月) 22:55:53.55 ID:
幼馴染「あ、あのさ、男…」

男「ちょうど良かった。俺も話が…」

幼馴染「私、男の指が本当に舐めたくて仕方ないの…!」

男「う、うん?」

幼馴染「何でもするから…」

男「…!?」

幼馴染「何でも言うこと聞くから…お願いっ!」

幼馴染「久しぶりにしゃぶらせて?」

男「は!?」


16:2015/10/12(月) 23:07:27.94 ID:
男「な、何でもって…おま…」

幼馴染「だめ…?」

男「いや、いいよ」

幼馴染「ほんと!?」

男「と、とりあえず手洗ってくる」

幼馴染「そのままがいい」

男「え?でも…」

幼馴染「男の匂いが付いてないとだめなの!」

男「……もう好きにしてくれ」

幼馴染「やったぁ!」

男「…」

幼馴染「あー…んっ」ペロッ

幼馴染「昔と違う…大きい…」ペロペロ

幼馴染「でも、男の味がする…」レロレロ

男(やばい…なんだ…これ…)ドキドキ


20:2015/10/12(月) 23:24:39.15 ID:
幼馴染「ん…なつかひい…」チュパチュパ

幼馴染「しゅごひ…おひつく…」チュパチュパ

男(幼の舌に…俺の親指が絡み付いて…)

幼馴染「んっ…幸せ…」ペロッ…チュパ…

幼馴染「ねえ、横になっていい?」

男「お、おう」

幼馴染「眠くなってきた…」ペロペロ

男(こ、この角度…まるで…俺のを…)

男「な、なあ、幼…。何でもって…その…」

幼馴染「すー…すー…」

男「……寝ちゃったか」


男「…」

男「……」ドロォ

男「………」ドキドキ

スーッ


22:2015/10/12(月) 23:30:28.24 ID:
妹「せーんぱい?」ニコニコ

男「……い、いつから?」

妹「最初からです」

男「そ、そう」

妹「言いたいことは沢山あります」

男「はい」

妹「今、何しようとしてました?」

男「あー、こ、これは…」

妹「手、洗いましょうね?」ニコッ

男「いや、でも……」

妹「……早く洗ってください」

男「はい」


28:2015/10/13(火) 12:56:41.85 ID:
幼馴染「おはよー! おーとーこーくん!」

男「おう、元気そうだな」

幼馴染「おかげさまで」

男「まあ、これからは程々にして…」

幼馴染「んっ…」チュパチュパ

男「っ!?」

幼馴染「ちょっとだけだからー…」チュパチュパ

男「誰かに見られたらどうするんだよ!」

幼馴染「癖になっひゃう…」チュパチュパ

男(赤ちゃんみたいで可愛いな…)

幼馴染「んーっ」ジュルジュル


男友「…」スタスタ


男「っ!?」ジュポッ

男友「おーっす」

男「お、おう。おはよう」

男友「おい、男…幼馴染ちゃんに何したんだよ?」

男「え?」

幼馴染「…むぅぅぅ///」


30:2015/10/13(火) 13:21:54.32 ID:
男「ここなら誰も来ないかな」

幼馴染「ごめんね?休み時間なのに」

男「そんなにいいのか?俺の…」

幼馴染「うん…/// 」パクッ

男(あ、甘噛み…!?)

幼馴染「んっ…」チュパチュパ

男(美味しそうに舐めるな…)

幼馴染「…?」ペロペロペロペロ

男「やべ、もうじき時間…」

幼馴染「えー、もう?」ペロペロ

男「続きは学校終わったらな」

幼馴染「んー…」


女(大変なことを聞いてしまった…)

女(男くんと幼馴染ちゃんが…学校で…///)


31:2015/10/13(火) 13:36:34.28 ID:
女「ちょっと男くん、いいかしら?」

男「はい?」

女「さっきの休み時間に…」

男 (バレた…!?)

女「幼馴染ちゃんと……その……///」

男「すみません」

女「あ、謝って済む問題では…!」

男「はい…」

女「今回は特別に見逃してあげます」

男「あ、ありがとうございます」

女「その…二人は、どういう関係なの…?」

男「どういうって…幼が求めてくるので仕方なく…」

女「幼馴染ちゃんが…!? 」

男「ここ最近ずっと…ですね」

女「二人は…その…付き合ってるの?」

男「いや、ただ舐められるだけで恋人とかじゃ…」

女「そ、それは…つまり…せ、せふ、セフレ…!?///」

男「えっ?」


32:2015/10/13(火) 13:46:12.76 ID:
男「あの…とんでもない誤解をしているような」

女「ち、近づかないで!変態!」

男「いや、さっきのは指で…」

女「ゆ、指で…!?///」

男「だ、だから…」

女「み、見損ないました…!」タッタッタッ

男「ええ…」


33:2015/10/13(火) 13:55:49.79 ID:
幼馴染「んっ…はむ…」チュパチュパ

男「…」

妹「…」ジーッ

男「あ、あのさ…」

妹「はい?」

男「いつまで見てるの?」

妹「手を洗うまでです」

男「いや、別に舐めないよ?間接キスとか、子供じゃないんだし」

妹「お、お姉ちゃんだって嫌なはずです!」

幼馴染「んー?」レロレロ

妹「お姉ちゃんの舐めた指を先輩が舐めたら嫌だよね!? 」

幼馴染「嫌では、ないかなぁ…?」ペロペロ

妹「え…」

男「いや、舐めないからね?」


34:2015/10/13(火) 14:05:35.26 ID:
幼馴染「男の指はねー、甘い味かすっていうか…」

妹「へー…」

幼馴染「何か落ち着く成分があるのかなあ?」

妹「……そ、そんなに良いの?」

幼馴染「えー?」

妹「男くんの…指…」

幼馴染「あ、もしかして舐めたくなった?」

妹「べ、べつに、そんなんじゃ…!」

幼馴染「お願いしてみればー?」

妹「し、しないよ!しない!」

幼馴染「あはは。してみればいいのにー」

妹(お姉ちゃんは、いやらしい事だって思ってないんだ…)

妹(厳密にいうと、いやらしい事じゃないんだけど…)

妹(あんなの、どう見ても……///)


35:2015/10/13(火) 14:13:22.93 ID:
妹「あの、男k……先輩!」

男「あれ?妹ちゃんひとり?」

妹「そ、その今日は…」

男「?」

妹「た、試しに…少しだけ…その、先輩のを…」

男「え?」

妹「舐めたいんです…けど…/// だめですか…?」

男「ええっ!?」

妹「あ、お姉ちゃんに許可は取りました!」

妹「あの、お姉ちゃんは、指舐めをいやらしい事だと思っていなくて…」

妹「先輩と違って…」

男「い、いや、俺だって…!」

妹「思ってますよね」

男「はい」

妹「私も正直、いやらしい事だと思ってます」

妹「なので、舐めてみていやらしい事かどうか判断しますね」

男「いや、ちょ、それは…!」


38:2015/10/13(火) 14:16:49.86 ID:
妹「この前渡したお金、結局お姉ちゃんからお願いしたので無意味でしたよね」

男「あ…」

妹「まだ返してもらってないですし、今日はその分です」

男「うっ…わ、わかった…」

妹「へ、変なことしたら本当に殺しますから!」

男「し、しないよ!」

妹「変なこと考えるのも禁止です!」

男「そ、それは……」

妹「じゃあ、いきますね…」ドキドキ

男「おう…」ドキドキ


39:2015/10/13(火) 14:25:50.04 ID:
妹「…」ペロッ

男「っ!」ピクッ

妹「ちょ、なんですか今の!」

男「ご、ごめん。幼のに慣れてて…ちょっと…」

妹「下手くそって言いたいんですか?」

男「いや、その、初々しいというか……」

妹「…」ペロッ…ペロッ

男(幼とは違ったエロさが…)

妹「んっ…」チュパチュパ

男(こんなの…どう見ても…)

妹「ぷはっ…!」ジュポッ

男「ど、どう?」

妹「……やっぱり、めちゃくちゃいやらしいです」


40:2015/10/13(火) 14:34:42.80 ID:
男「そ、そうだよな!それじゃあ、これで…」

妹「もうちょっとだけ…お願いします」

男「え…う、うん…でも」

妹「いやらしい事、考えるだけならいいですよ」

男(いや、ずっと考えてたし…)

妹「正直、私も……」ペロッ

男「えっ……?」

妹「…」ペロペロ…チュパチュパ

男(ひ、人差し指まで…!?)

妹「こっちは…初めてですよね?」ペロッ

男「親指以外は…」

妹「男くんの初めて…貰いますね?」チュパチュパ

男(や、ヤバい…こんなにされたら…)



41:2015/10/13(火) 14:43:11.05 ID:
妹「…」ペロペロ

男「ちょ、妹ちゃん…」ピクピクッ

妹「…ぇ? な、なんですか?」

男「流石にもう…2時間は限界というか…」

妹「も、もうそんなに…!?」

男「あの…その…俺も、あれだからさ…」

妹「あれって? ……っ!!」

妹「み、見せつけなくていいです!変態!」

男「いや、見せつけてないから!!」

妹「…///」

男「と、とりあえず手は洗うから今日はもう…」

妹「……洗わなくてもいいですよ」



42:2015/10/13(火) 14:50:51.16 ID:
男「えっ!?」

妹「2時間もしちゃったので…その…」

妹「あ、も、もちろん洗ってもいいですから!」

妹「わ、私もう帰りますね。それじゃあ!」

男「ああ、うん」

男「…」

男「…」ドロォ

男「……………。」




44:2015/10/13(火) 14:56:48.70 ID:
妹「…」スタスタ

幼馴染「あ、おかえり!遅かったね?」

妹「あ、良かったよ…男くんの指…」

幼馴染「そ、そっか!」

妹「でも、しばらくいいかな…」

幼馴染「え…?どうして?」

妹「ちょっと、シャワー入るね」

幼馴染「うん…?」

妹「……………。」




45:2015/10/13(火) 15:08:17.02 ID:
幼馴染「おはよー!」

男「おう」スッ

幼馴染「い、いや、今は大丈夫!」

男「そうか」

幼馴染「あ、あのさ、昨日、妹と…」

男「っ!?」

幼馴染「何か……あったの?」

男「いや、別に。指を舐められただけだよ」

幼馴染「ほんと?」

男「妹ちゃんには何もしてないから!本当に!」

幼馴染「そっか。あ、妹、良かったって」

男「そ、そうか」

幼馴染「うん…」


46:2015/10/13(火) 15:22:28.98 ID:
幼馴染「あー、うん。舐めたよ?」

女「やっぱり、本当に…」

幼馴染「最近は私の妹もハマっちゃって」

女「えっ!?」

幼馴染「最初はもうしばらくいいとか言ってたのに…」

幼馴染「もうずっと…。ちょっと嫉妬しちゃうかな」

女「お、男くんは、誰にでも舐めさせるの…?」

幼馴染「いや、流石に私と妹だけかな」

幼馴染「………あ、女さんも舐めたいの?」

女「い、いや、私は、そんな…!///」

幼馴染「ふーん。あ、男ー!後でアレよろしくね!」

男「おーう」

女(そ、そんな簡単に!?)


48:2015/10/13(火) 15:40:02.86 ID:
幼馴染「んっ…」チュパチュパ

男「よく飽きないな」

幼馴染「ん。らって…おいひいんらもん…」チュパチュパ

男「あ、あのさ…」

幼馴染「んー?」チュパチュパ

男「あの時の、何でも言うこと聞くってやつ…まだ有効だよな?」

幼馴染「っ!」

男「お願いがあるんだけど、いいか?」

幼馴染「い、いいよ…? ///」ドキドキ

男「凄い言いにくいんだけど…」

幼馴染「うん…?」ドキドキ

男「お前の、幼の……」



49:2015/10/13(火) 15:54:38.61 ID:
男「……指を舐めさせてくれ」

幼馴染「…?わ、私の!?」

男「舐められてばかりで俺もしたくなったっていうか…ダメか?」

幼馴染「……うん、いいよ。嬉しい」

男「じゃあ…」

幼馴染「うん…」

男「…」ペロッ

幼馴染「…っ!」ピクッ

男「…」ペロペロ

幼馴染(な、何これ…何か…ヘンに…)

男「…」ジュルジュル

幼馴染「あっ…!」

幼馴染(男も…こんな気持ちになってたの…?)


51:2015/10/13(火) 16:06:04.62 ID:
幼馴染「ちょ、ちょっと、待って!あんっ…!」

男「気持ちよかった?」

幼馴染「う、うう…/// 男のちょーだい…」

男「え?」

幼馴染「舐めたくなっちゃった…」ペロッ

男「ーっ!」ピクッ

幼馴染「んっ!わたしのも…なめ…てっ…?」チュパチュパ

男「あ、ああ、うん…」ペロペロ

幼馴染「や、やばいっ…これ…っ!」チュパチュパ

男(幼の舐めかたが…いつもより…なんか…)

幼馴染「んっ!おとこっ…!わ、わたし…おかひくなっひゃうぅぅぅ…」チュパチュパ

男「お、俺も、おかしく…ああっ!」




59:2015/10/14(水) 01:05:17.33 ID:
男「なあ、幼……今日もさ」

幼馴染「うん。しよ?」

男「家まで我慢できないかも」

幼馴染「実は…私も」

男「学校でしちゃおうか」

幼馴染「うん……」

男「この時間なら空き教室が…」


女(男くんと…幼馴染ちゃん…!?)


61:2015/10/14(水) 01:11:00.96 ID:
女(ふ、二人で空き教室に…?)

女(す、すす少しだけ…少し見るだけ…)

女「…」チラッ


幼馴染「んっ…!あっ、ん……」チュパチュパ

男「……やばっ、めっちゃ良い」

幼馴染「私のも舐めて…?」

男「ああ」



女(な、ななな、何で指を……!?)

女(お互いの指を…て、てか、これ…)

女(めちゃくちゃエッチ……!)


63:2015/10/14(水) 01:19:46.79 ID:
女(え?なんで?指を舐めて……そういうプレイ?)

女(本番の前に何か色々するアレかも…?)

女(いやでも、もう10分以上経ってるのに…まだ指舐めてるし…)

女(…!! 男くんや幼馴染ちゃんが言ってた舐めるって……)

女(それじゃあ、あのとき聞いたのも…指を舐めてたってこと…?)



幼馴染「私、もう…おかひくなっひゃうっ…」チュパチュパ

男「俺も…もう、限界……!」

幼馴染「ーーーーっ!!!」



64:2015/10/14(水) 01:30:05.87 ID:
幼馴染(やば、パンツびしょびしょ…)

男「ちょっとトイレ…」

幼馴染「あ、うん!」



女(結局お互いの指を舐めるだけだった…)

男「……」

女(や、やばっ…こっち来る!隠れないと)

男「はぁ…はぁ…」

女(焦ってて男子トイレに入っちゃった…)

女(てか、男くん…もしかして…)

男「はぁはぁはぁはぁ…」

女(ひ、ひとりエッチしてる……!?)

男「うっ…!」

女(幼馴染ちゃんが舐めた指で…?///)

女(あんなことしてるんだから、幼馴染ちゃんにしてもらえばいいのに…)



65:2015/10/14(水) 01:39:29.99 ID:
男「やあ、幼馴染さん。帰ろうか」

幼馴染「どうしたのー?なんかヘンだよ?」

男「夕日が綺麗だね」

幼馴染「あ、うん。そうだね!」

妹「あ、いた!先輩!」

男「やあ、妹ちゃん。どうしたんだい?」

妹「あー……なんでもないです」

男「うん?そうかい?」

妹「明日は私が先だからね!お姉ちゃん!」

幼馴染「今日すればいいのにー……な、なんでしたって分かったの!?」

妹「今日はもう出来ないでしょ、先輩」

男「ははは。なんのことだい?」

幼馴染「??」

妹「明日は私でしてくださいね」ボソッ

男「…!」

妹「じゃあ、私は部活あるので」

男(ば、バレた……!?)



67:2015/10/14(水) 01:46:14.25 ID:
妹「最近は先輩も舐めてるみたいですね」チュパチュパ

男「ああ、うん…」

妹「私の指は舐めたくないんですか?」レロレロ

男「いや、そういうわけでは…」

妹「…」ガブッ

男「い、痛っ!?」

妹「あ、すみません。つい」

男「ついって…なんで…」

妹「私の指もなめてください」

男「ああ、いいけど…」

妹「こっちの指ですけどね」


男「……えっ?」


68:2015/10/14(水) 01:55:12.27 ID:
妹「ほら、はやく舐めてください」

男「い、いや、これは……」

妹「舐めたくないんですか?私の足の指…」

男「さ、流石にこれは変態になっちゃうだろ…?」

妹「もう十分変態ですよ、先輩」

男「うっ…確かに」

妹「舐めたら…ここでシていいですよ?」

男「な、なんのこと…?」

妹「とぼけないでください。私が見ててあげますから」

男「…」

妹「舐めれないなら、お姉ちゃんに………ひゃっ!」

男「舐めつくしてやるよ…!妹ちゃんの指を…全部!」

妹「ま、待って、こんなに感じるなんて…!思っていなくて……ぁっ!ーーーーっ!!」


76:2015/10/17(土) 20:20:29.02 ID:
妹「あぁっ!ま、待って!待ってください!」

男「…」ペロペロペロペロ

妹「そ、そんなに激しくっ…足は…ぁんっ!」

男「…」ペロペロペロペロ

妹「指…ください…男くんの…もっ…!」

男「…」ジュポッ

妹「んっ!?…あっ…ふぁっ…んん…」チュパチュパ

男「妹…ちゃん…」ペロペロ

妹「男くんっ……」チュパチュパ



77:2015/10/17(土) 20:34:40.32 ID:
妹「はぁ…はぁ…」ペロッ…ペロッ…

男「妹ちゃん…俺、もう……」

妹「んっ、いい…ですよ…?…しても…」

男「…」ボロンッ

妹「…」ジーッ

男「ほ、ほんとに…いいの?」

妹「は、はやくしてください」

男(妹ちゃんの唾液が付いた指……)

妹「動かしてください」

男「あ、あぁ…」シコシコ

妹「…」ジーッ

男「っ……」シコシコ



79:2015/10/17(土) 20:53:07.52 ID:
妹「あ、あの……」

男「なっ…なに…?」シコシコ

妹「そ、その…私がしt……」


「男ー! いるーー??」


男「っ!?」

妹「えっ…お、お姉ちゃん…!?」

男「と、とりあえずズボンを…!」

妹「…むぅ」



81:2015/10/17(土) 21:13:01.94 ID:
幼馴染「あ、やっぱり妹もいた!」

妹「…」

男「お、おう。何か用か?」

幼馴染「うん。この問題なんだけどさー…」

男「……勉強?」

幼馴染「え、うん。何だと思ったの?」

男「いや、いつものアレかと…」

幼馴染「そんなに毎日しないって!」

男「そ、そっか。あはは…」

幼馴染「ここの計算ってさー…」

妹「……」


82:2015/10/17(土) 21:26:03.71 ID:
男「ここの式はー…」

幼馴染「うんうん」

男(な、なんか近くないか…!?)

幼馴染「そしたらここは?」

男「これは、えっと……!?」

幼馴染「…どーしたの?」

男「いや、なんでもない!これはさっきの式を使ってー…」

男(胸めっちゃ見えてるー!)

幼馴染「わっ!すご!」

男(こっちのほうが…スゴい…)チラッ

妹「…」

妹「あ~、先輩の部屋暑いですね~!」ヌギヌギ

男「!?」

妹「さっきいっぱい運動したからかなぁ?」

幼馴染「!?」




86:2015/10/17(土) 22:08:09.38 ID:
男「い、妹ちゃん…!」

妹「あ、先輩の唾液でべとべと…」

幼馴染「…」

妹「手の指と、 足の指 もべとべとだ…洗ってこよーっと」

バタンッ

男「…」

幼馴染(あ、足の指…? え、足の指って……えっ!?)

男「な、なーに言ってんだ妹ちゃんは。あはははは…」

幼馴染「……舐めたんだ」

男「はい」

幼馴染「足の指」

男「はい」

幼馴染「へー……」

男(ドン引きされてる…そりゃそうか…)

幼馴染「…」スルスル

男「へ…?」

幼馴染「ん」スッ

男「ん!?」




90:2015/10/17(土) 23:46:41.81 ID:
幼馴染「妹のは舐めたんでしょ?」

男「いや、そうだけどあれは流れというか…」

幼馴染「舐めてくれるよね?」

男「ああ」

男(こういうとこ姉妹そっくりだな…)

幼馴染(あ…パンストだったから汗が…)

男「じゃあ……」ペロッ

幼馴染「あ、ちょ……っ!?」

男(めっちゃエロい…っ)ペロッペロッ

幼馴染「あんっ…え、なに…これ…ひゃっ!?」

男「幼……」ジュルルルルル

幼馴染「だ、だめっ、もう…っん、これ…あっ…!」


91:2015/10/18(日) 00:07:13.08 ID:
妹(あー、始めちゃったか…お姉ちゃん大胆になったなぁ……)

妹「…」チュパチュパ

妹(へへ…間接キス…)

妹「んっ…」サワサワ

妹(間接おっぱい舐め…?)

妹「……あぅっ」クチュ

妹(間接……ニ…///)

妹「ん…あっ…ぁ…んっ……」クチュクチュ

妹(男くんの…ギンギンの…見ちゃった…)

妹「…」チラッ


「あっ…!んっ、男っ…!」

ジュルルルルル…



妹(またギンギンになってるの…ズボン越しでも…分かるっ…)

妹(私が…しゃぶったら…っん、やば、考えただけで……)

妹「気持ちいい……ぁっ!い、いくっーー…」クチュクチュ…




92:2015/10/18(日) 00:13:58.38 ID:
男「はぁはぁ…」

幼馴染「はぁ…はぁ…///」

妹「あれ?私がいない間に何かあったの?」

男「い、妹ちゃん…遅かったね。何かあっt」

妹「先輩、女の子にそういうこと聞いたらダメですよ」

男「は、はい…?」

妹「で、どーしたの?」

幼馴染「あー…うん。ちょっとね?」

妹「ふーん?」

男「…」

妹「…」ジーッ

男「…」

妹「…」ジーッ



93:2015/10/18(日) 00:20:08.50 ID:
妹「お姉ちゃんも酷いことするねー…」

幼馴染「えっ?」

妹「せーんーぱい」

男「はい」

妹「もう限界ですよね…?」

男「…」

妹「あ、トイレはダメですよ」

男「えっ」

妹「ここでしてくださいね?」

男「そ、それは……」

幼馴染「ね、ねえ、さっきから何の話を…」

妹「分かってるくせにー…」

男「…」ゴクッ…ヌギヌギ

幼馴染「ふえっ!?」



94:2015/10/18(日) 00:29:15.33 ID:
幼馴染「え、男…なんで…ええっ!?///」

妹「先輩、私たちとアレしたあといつもしてたんだよ?」

幼馴染「し、してたって…?」

妹「かまとと振らないでさー…分かってるでしょ?こーれ」シコシコ

幼馴染「っ……///」

妹「まぁお姉ちゃんもしてるしおあいこだよねー」

幼馴染「なっ、なんでそれを…?」

妹「あ、やっぱりしてたんだー…ふーん」ニヤニヤ

幼馴染「あっ……///」

妹「あ、先輩。脱げました?」



95:2015/10/18(日) 00:55:03.01 ID:
男「もう、ヤバい…」ギンギン

妹「自分でしてください?」

男「ああ…」シコシコ

妹「…」ジーッ

幼馴染「ちょ……///」

男(幼の無防備な胸元に…)シコシコ

幼馴染「妹…わ、私どうすれば…?」

男(妹ちゃんの下着姿…)シコシコ

妹「わ、私だって分からないわよ!」

男「っ…」シコシコ

幼馴染「…///」ジーッ ドキドキ

妹「…」ジーッ

男「あっ…もう…い、くっ…」ドピュルルルルル

幼馴染「ひゃっ!?」

妹「わっ…」



96:2015/10/18(日) 01:18:15.60 ID:
幼馴染「こっ、これが…男の…」ドロッ

妹「… っ///」ドロォ…

男「…あっ、ご、ごめん…!こ、これで拭いて…!」

幼馴染「えっ、あ、うん…」

幼馴染(の、飲んだりしなくていいのかな…?)

妹「ん…」

妹(舐めてみたかったな…)

男「…」

幼馴染「…」

妹「先輩、幼なじみの姉妹に見られながらイって、気持ちよかったですか?」

男「……ああ」

妹「うわ、変態ですね。あ、指舐めさせてください」

幼馴染「わ、私も」




97:2015/10/18(日) 01:26:50.50 ID:
妹「あ、お姉ちゃんは左手ねー」

幼馴染「うん…?」

妹(右手、いやらしい汁いっぱいついてる…)ペロペロ

幼馴染「んっ…」チュパチュパ

男(さ、左右の指を同時に…)

男(こんなにされたら…)

妹「また…勃起してきちゃいましたね…?」ペロペロ

男「…っ」

妹「こっちも…」スーッ

男「!?」

幼馴染「…!」

妹「しゃぶってあげますね?」



98:2015/10/18(日) 01:37:11.82 ID:
妹「やっぱり指より大きいですねー…」サワサワ

男「い、妹ちゃん…」

幼馴染「ちょっ…!」

妹「ふふ…キスはお姉ちゃんに譲ってあげる」

幼馴染「えっ?」

妹「いいですよね? 先輩?」

男「そ、それは…」

妹「姉妹にぶっかけた先輩に拒否する権利はないです」

男「はい」

幼馴染「え、ええ…?///」

妹「あ、先輩、キスしたことありますか?ないですよね?」

男「ないです」

妹「だって。良かったねお姉ちゃん」

幼馴染「…っ///」



99:2015/10/18(日) 01:42:07.86 ID:
男「じゃあ…するぞ…?」

幼馴染「うん…」

男「…」チュッ

幼馴染「ん…」チュ

妹(あ、また固くなった…)サワサワ

男「…」レロレロ

幼馴染「…」チュパチュパ

男「……んっ!?」

幼馴染「ん…ふぁ…」チュパチュパ

男「んっ……」レロレロ

幼馴染「ぁん…」チュパチュパチュパチュパチュパチュパ

男「ーーーっ!!!」


100:2015/10/18(日) 01:47:25.35 ID:
男(な、なんだ…?この舌使いは…!?)

男(これが…指舐めで鍛えられた技なのか!?)

幼馴染「んっ」チュパチュパ

男(と、とろける…なんだ、これ…)

幼馴染「…ふぁ…」レロレロジュルジュル

男「幼…めちゃくちゃ…良い…」

幼馴染「ほんと…?初めてだから…分からない…けどっ…!」チュパチュパグッポグッポ!!

男「ああっ!!」

妹(わ、汁が…いっぱい…出て…!)サワサワ




101:2015/10/18(日) 01:53:06.44 ID:
幼馴染「ん…ぱぁっ…」

男「…はぁ、はぁ」

妹「あ、先輩。しゃぶりますよ?」

男「あ、ああ…」

妹「んっ…」ジュルルルルル…チュパチュパ…

男「ぅっ!?」

妹「おいひい……」チュパチュパ…グッポグッポ!!

男(こ、これは…こんなの…ヤバい…すぐ、いっちゃ…)

妹「ぁん…」チュパチュパ

男「い、くっ!いくよっ……!」

妹「は、はひ…!」ドクッ!!! ドクドクドク…



102:2015/10/18(日) 02:00:03.28 ID:
妹「の、飲んじゃったじゃないですか…!」ケホッ…ケホッ

男「ご、ごめん、つい…!」

妹「ま、まあ、いいですけど…」ゴクリ

男「妹ちゃん…なんでそんなに舌使いが…?」

妹「え?わ、私初めてですよ!?」

男「本当に?」

妹「はい」

男(やっぱり、指舐めで舌使いが素人のレベルを越えて…)

妹「お姉ちゃん、どうだった?」

幼馴染「良かったよ…? そっちは…?///」

妹「んー、凄いエッチだった…」

幼馴染「…///」

男(この二人の舌は…ゴッドタンだ…!)



103:2015/10/18(日) 02:04:34.84 ID:
幼馴染「え…?」

妹「なんで舐めてくれないんですか!?」

男「すまない。君たちに相応しい男になったら舐めさせてもらいたいんだ」

妹「は、はあ…?」

男「だから、これから毎日二人の指をできるだけ長く舐めさせてくれ」

妹「よく分からないですけど…」

幼馴染「私は…いいよ?」

男「ありがとう。二人とも…じゃあさっそく」ペロペロ

幼馴染「ぁん!」

妹「あ、ずるい!私も!」

男「んんっ!?」



104:2015/10/18(日) 02:09:09.84 ID:
数年後

「ねえ、今度は私が気持ちよくしてあげる」

「ああ…頼む」

「ちーがーう。もう、変態さんなんだから」

「え…?でも、今…」

「うん。だから、こっち……」

「あっ…」

「懐かしいね。最近全然舐めてなかったし…」

「そうだな…」


「久しぶりにしゃぶらせて?」

おわり


105:2015/10/18(日) 02:12:31.59 ID:
神スレ 舐める描写が素晴らしい


106:2015/10/18(日) 04:13:08.15 ID:
ちゅぱ音っていいよね……
メイメイとか夏野さんとかのちゅぱ音たまらん


107:2015/10/18(日) 04:26:41.51 ID:
とてもよかった


109:2015/10/18(日) 07:37:16.64 ID:

神スレだった


111:2015/10/19(月) 03:15:29.47 ID:
ゴッドタンだ……!でワロタ
乙、下腹部に響く神スレだった




SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介です。
元スレ:
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444647391/

男「なぁ、幼馴染」幼馴染「何よ?」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:27:12.74 id:if8eFm3f0

男「おっぱい触って良い?」

幼馴染「は? 死ね」

男「お前、死ねって……!? 死ねはさすがにないでしょ!?」

幼馴染「あ、ごめんね。お亡くなりになって?」

男「意味同じッ!!?」

幼馴染「というか、いきなり何よ?」
 
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:28:20.76 id:if8eFm3f0

男「俺、目覚めたんだ。幼馴染って言う属性に」

幼馴染「属性?」

男「幼馴染ってさ、言うなれば、負けフラグビンビンじゃん?」

幼馴染「何よ、負けフラグって」

男「つまり、俺の周りに一杯女の子が居て、その中で幼馴染って言うステータスだけじゃ埋もれちゃうって訳だよ」





3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:28:50.48 id:if8eFm3f0

幼馴染「アンタ、男友達多いけど、女友達少ないじゃない」

男「そ、それは置いておいて……」

幼馴染「それに、私、別にアンタに好意持ってないわ」

男「……」ズーン

幼馴染「ちょ、ちょっと? 大丈夫?」

男「……構わないでくれ、帰ってくれ」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:29:20.13 id:if8eFm3f0

幼馴染「ちょ、ちょっと冗談よ。ちょっと、ねぇ?」

男「やめろ。俺に優しくするな。勘違いしちゃうだろ」

幼馴染「えっと、その近すぎてそういう対象に見てなかっただけだから、なんというか、弟? みたいなイメージだったし」

男「せめて、兄にしろ」

幼馴染「ちょっと無理だわ」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:29:47.95 id:if8eFm3f0

男「…………」ズズーン

幼馴染「あぁ、もう面倒臭い!」

男「ま、それは良いとして!」

幼馴染「相変わらず、立ち直り早いわね」

男「そこまで傷ついてないとも言える」





6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:30:20.15 id:if8eFm3f0

幼馴染「まあいいわ。それで?」

男「俺は一つ、重大な過ちを犯していた」

幼馴染「何よ?」

男「俺は後輩、先輩、生徒会長、クーデレ、ツンデレ、ヤンデレ! この六人から一斉に告白された」

男「まさにハーレムと言っても良い。だが、これは長続きしないタイプのハーレムだ」





7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:30:48.62 id:if8eFm3f0

男「普通、ちょっとずつ仲良くなっていって、なあなあで付き合うのが普通だろ?」

幼馴染「そうね」

男「だから、ぶっちゃけ告白とかは重たい!」

幼馴染「それで、何のギャルゲーの話よ?」

男「ギャルゲー違う! 事実!」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:31:16.93 id:if8eFm3f0

幼馴染「まあ千歩譲って現実として」

男「そ、そこまで信じられないか?」

幼馴染「ええ」

男「クッソー! 昔の幼馴染はおとこーおとこーってくっ付いて来てたのに!」

幼馴染「ちょ、その写真をよこせぇぇ!!」バッ

男「ううぅ、男悲しい」サッサッ




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:31:44.84 id:if8eFm3f0

幼馴染「くっ! こんな時だけ、持ち前の反射神経使いやがって!」

男「ま、これはいいや」シマイシマイ

幼馴染「返せよ! というか凄く嫌なんですけど、私のちっちゃい頃の写真持ってるとか、ドン引きよ!」

男「む、すまん!」

幼馴染「誠意が足りないわ!」

男「はい、とぅいまてーん!」

幼馴染「それはふざけてるわ!」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:32:11.59 id:if8eFm3f0

男「どうも、すまなかった……」

幼馴染「それはちょっと重いわ」

男「面倒臭い!」

男「それでな、その連中からの告白を俺は保留にしたんだよ」

幼馴染「誰に決めるか迷ってるって事よね?」





11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:32:41.00 id:if8eFm3f0

男「そうだな。俺はできる事なら、お前が良いんだが」

幼馴染「私はごめんだわ」

男「うっ! 真顔で……! ま、これで、決心ついたし、俺は誰にするか決めてくるよ」

幼馴染「末永くお幸せにー」

男「おう!」




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:33:11.31 id:if8eFm3f0

幼馴染(何よ、あんなホラ話する為にわざわざ来たの? で、でも……あー! 私のバカ! どうして、あの時に私もって言わなかったのー!!)

幼馴染(ちょ、ちょっとアイツの様子見てこようかな……)

幼馴染(あれ? アイツ、家と反対側に向かって行った? ま、まさか本当に……!?)

幼馴染「いってきまーす!」ガチャッ

幼馴染(じょ、冗談でしょ。ア、アイツが……)

幼馴染「待って! 男」タッタッタ





13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:33:53.57 id:if8eFm3f0

公園


男「ついに決着をつける時が来たみたいだ……」

後輩「先輩!! 誰にするんですか!」

先輩「当然、私よね? 後輩君?」

生徒会長「私は風紀を乱すのは、君とが良いのだ!」

クーデレ「わ、私は、君が欲しいな」

ツンデレ「べ、別に好きでここに来た訳じゃないんだからね!」

ヤンデレ「男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん」




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:34:22.01 id:if8eFm3f0

男(まず、ツンデレとヤンデレはないな。面倒そうだし)

男(だったらクーデレか、生徒会長先輩か、後輩か……)

男(……ここで、幼馴染が来て、告白! みたいな感じにならないかなぁ……)

男(正直、今居るすべての属性を網羅しているアイツが最高なんだよな。あ、ヤンデレはないか)





15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:34:57.15 id:if8eFm3f0

男「俺は……」

男「俺は…………」

男「俺は………………っ!」

幼馴染「待って!」

男「うお!?」

幼馴染「私、男……あなたが好きです。どうか私と付き合ってください!」




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:35:29.98 id:if8eFm3f0

ヤンデレ「あら、何かしら、このメスガキいきなりしゃしゃりでて」

男「ヤンデレさん。そこまで演技しなくても良いよ?」

ヤンデレ「あらぁ? この役結構楽しかったのにねぇ?」

生徒会長「それでは、男君。私達は君達の邪魔をしないよう、ここは退散するとするよ、約束忘れないようにな?」ニコッ

先輩「私もちゃんと守って貰わないと困るよ?」

後輩「絶対ですからね!」




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:35:55.57 id:if8eFm3f0

クーデレ「私の小説のネタになったから、私はそこまで気にしてないよ」

ツンデレ「このカツラさっさと取りたかったのよね、というかなんで私だけ金髪ツインテールなの?」

男「属性的に絶対不可欠だからだよ!!」

ツンデレ「あっそ……」

男「さ、幼馴染、行こうぜー」

幼馴染「ちょっと……待てや、どういう事よぉぉぉぉ!!?」




18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:36:30.08 id:if8eFm3f0

男「え? いや、お前を騙すための小芝居だよ。コイツら全員、俺の友達よ?」

幼馴染「こ、こんな茶番に手伝ってくれる友達が六人も――!?」

男「あぁ、一応、約束事があるけどな。まず後輩は遊園地に連れてってくれで、先輩は屋上で、弁当を振舞ませてくれって」

男「生徒会長は二人きりで、生徒会室で仕事を手伝ってくれで、クーデレは俺達のこれのネタ」

男「ツンデレは好きな物をなんでも一つで、ヤンデレは家で手作りのご飯を振舞わせてくれって。みんな良い奴だよな」





19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:37:00.57 id:if8eFm3f0

幼馴染「ちょちょちょ……私が居るのに、他の女の子とそういう事するつもりなの!?」

男「約束は約束だしな? ま、何されても、お前にしか靡かないって!」

幼馴染「そ、そう……?」

男「あぁ、約束だ!」

男「さ、手繋いで帰ろうぜ? 俺のマイハニー!!」

幼馴染「千歩譲ってそれはないわ」

男「……」ズーン








20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/30(木) 04:39:04.55 id:if8eFm3f0

幼馴染「クスッ……ま、今日ぐらいはね? マイダーリン」

男「お、お前……」

男「そりゃ、さすがにねぇな。自分で聞いてて思ったわ」

幼馴染「本当よー!!!」ポコポコ

男「やめろー。運動部系の俺に殴り合いじゃ勝てないぞー。というか痛くないー」

幼馴染「はぁ……じゃ、帰ろっか」ギュッ

男「おう」ギュッ








21: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:42:57.56 id:if8eFm3f0

男「よっす。約束通りだな」

後輩「はい! 凄く楽しみですよ!」

男「それで、まずは何に乗る?」

後輩「そうですね……まずは、ジェットコースター!」

男「……なしだな」

後輩「え? む、無理でした?」

男「ああ、だからジェットコースターじゃなくて、あっちにしよう」

後輩「……か、観覧車? あ、あれって最後じゃないですか?」

男「ムードとか知らない男だから、俺」




22: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:43:39.26 id:if8eFm3f0

後輩「……」ズーン

男「どうした?」

後輩「こういうのってムード大事ですよね。ムード……」

男「俺は知らん」

後輩「うぅ……」




23: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:44:55.12 id:if8eFm3f0

男「よし、次はオバケ屋敷だな」

後輩「どうして、ジェットコースターは無理で、オバケ屋敷はOKなんですか!?」

男「そりゃ、お前、怖さの部類が違うからだろうが?」

後輩「そ、そうかもしれませんが……」




24: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:46:53.08 id:if8eFm3f0

ギャーッッ!! 


男「面白かったな」

後輩「わ、私は足腰が立たなくなりましたよ……」

男「さてと、そろそろ帰るか」

後輩「はやっ!」

男「そんな事言っても、もう五時回ってるよ?」

後輩「嘘!? あーあーじゃあ、最後に!」

後輩「今日はありがとうございました!」

男「おう、じゃ、一緒に帰るか」

後輩「うぅ……急ぎ足だー」




25: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:48:49.82 id:if8eFm3f0

先輩「あら、後輩君。ちゃんと来たのね?」

男「そりゃ、俺は約束はきちっと守る男ですから」

先輩「あの、ちょっと満腹そうな顔をしてるけど、どうしてかしら?」

男「今日、家庭科の時間で、腹いっぱい飯食ったんすよね?」

先輩「……」

男「授業だから仕方ないっすよね?」

先輩「……」




26: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:50:09.94 id:if8eFm3f0

先輩「詰め込みなさい!!」

男「ぐああああ!!!」

先輩「約束は約束なんでしょー!!」

男「おぎゃあああああああああ」

先輩「男に二言はないんでしょ」

男「うぐりゃぁぁぁぁあああああ」

先輩「はい、お粗末さまでした」

男「ブクブク……」バタッ




27: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:51:05.46 id:if8eFm3f0

生徒会長「やあ、男君。待ってたよ」

男「いやあ、放課後も居残りって大変すよね?」

生徒会長「まったくだ。では、さっそくはじめようか」

男「あいあいさー」






28: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:52:57.56 id:if8eFm3f0

男「えっと、この書類は……?」

生徒会長「あ、これはここだ」

男「あぁ、ありがとうございます」

男「すみません。なんか逆に足引っ張ってません?」

生徒会長「そんな事ないよ。凄く捗っているよ」

男「そうですか? だったら、良いんですが」

生徒会長「少し、私は席を外すよ」パタン

男「あ、はい」

生徒会長「パソコンは絶対に開かないでくれ、わかったな」

男「え? あ、はい。そんな事しませんよ」ニコッ

生徒会長「よろしい、では」スタスタ




29: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:56:56.07 id:if8eFm3f0

男「なんて言われたら、もう見ろってのと同じだよな……」パカッ

男「えっと……ビ、BL……」

男「……Tサンドだと!!?」

男「な、なんだ……生徒会長、お腹空いてるのかな? もしかして、何か買いに行ったのかな?」

三十分後

生徒会長「君の労いに、ほら、ジュースを買ってきたよ」

男「あ、ありがとうございます」

生徒会長「……」ガサゴソ

男(BLTサンドだ……)

生徒会長「……むっ? 何かね?」

男「いいえ、お腹空いてたんですか?」

生徒会長「ま、まあな……」

男「そうですか……」




30: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 04:58:20.85 id:if8eFm3f0

生徒会長「今日はありがとう、男君」

男「いえいえ、これぐらい」

生徒会長「では、帰ろうか」

男「わかりましたー」

男(今度、裏でBLT会長って呼ぼう)




31: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 05:00:24.71 id:if8eFm3f0

ヤンデレ「男君。来てくれたのね? 嬉しいわ」

男「いや、大丈夫だぜ?」

ヤンデレ「……これ、その私の手作りなんだけど……」

男「もう作ってたの! 凄いよ、この髪がいっぱいあったり、赤くなってたり、料理なの!? イジメ?」

ヤンデレ「嫌だわ、これは間違えたヤツだった。はい、これ」

男「へぇ、ちょっと良い匂いがするね? これは睡眠薬かな?」

ヤンデレ「……」




32: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 05:02:17.04 id:if8eFm3f0

ヤンデレ「包丁、包丁っと……」

男「あの、無理にヤンデレっぽい事しなくても」

ヤンデレ「いいえ、私の本質はヤンデレよ」

ヤンデレ「男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん!!!」

男「おっと、危ないなぁ」

ヤンデレ「ほ、包丁の切っ先をつかんで!?」

男「うらっ」パキンッ

ヤンデレ「!?」

男「俺は……お前に犯罪者になって欲しくない」

ヤンデレ「あ、あわ、あわわ……」バタンキュー




33: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 05:03:52.56 id:if8eFm3f0

男「そうだな。お前はどっちかって言うと、バカ真面目ってのが、似合ってるよ。空回りしてばかりだけど」

ヤンデレ「っ! あ、毛布……男君は」

ヤンデレ「あ、料理なくなってる。ちゃんと食べてくれたんだ……」

ヤンデレ「今度はもっとちゃんとしたの、振舞ってあげたいな……」






34: 以下、幼馴染編にかわりまして他女性編をお送りします 2017/03/30(木) 05:04:53.43 id:if8eFm3f0

未来人「少し先の未来で、待ってるから」

1: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:52:46.65 id:Nr4cjnOQ0

 

 未来人と出会ったのは、転校した次の日だった。

 小6で転校なんてして、修学旅行が不安だな、馴染めるかな、と可愛げのある悩みを抱えながら教室のドアを開けた私の目に、
 教卓の上に体育座りをしていた女の子が映った。

 深く透き通った青の香り。

「初めて見る顔だ」

 彼女は整った顔だけをこちらに向けて、独り言のように言った。

 長い髪がさらりと揺れる。青く見えてしまうほどに深く黒い髪。綺麗だった。

「転校してきた」

「ふぅん」

 わたしが昨日教えられたばかりの自分の席に着くと、彼女はぶらんと、細くて白い両足を教卓からぶら下げた。

「宇宙人っていると思う?」

 透き通った声だった。

「いないと思う」

 そう答えると、彼女は可愛げのない顔でそっぽを向いた。

「なら、未来人は?」

「それは、いると思う」

「ふぅん」

 そっぽを向いたまま、彼女はどうでもよさそうに喉を鳴らした。

 面白い子だな、と思った。

 



2: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:55:26.59 id:Nr4cjnOQ0

 


「わたしは未来から来た」

 自称未来人の彼女は、私によくそう話していた。

 なんでも、数百年後の未来から、何か使命があってやってきたらしい。なんの使命があるのかは教えてくれない。

 でも普通に両親はいるようだった。

 この未来から来たという設定(?)は、小学生の頃だとふわふわとしていて、聞くたびに変わっていたような気もするけど、中学生になったあたりから、彼女の中で設定が固まるようになる。
 未来の道具や、今はまだ使われていない言語なんかについても聞いたことがあった。

 一度だけ、未来の言葉を聞かせてもらったことがあったけど、私には残念ながら聞き取れなかった。
 未来人ともなると、耳や舌の構造は変わってくるらしい。
 何度か舌を見せてもらったことがあるけど、特別変わったところは見受けられなかった。

 ただ、あっかんべをしても綺麗な顔だったことはよく覚えている。

 ……話を戻す。

 当時小学生だった私たちは、そんな話ばかりしていたせいか、周りに人が多い方ではなかった。
 少なくとも、私はそう思っている。

 未来人は、話を続けたくないと思うと、すぐに「ふぅん」と言って空を見る。
 私が転校してくる前から、彼女と根気よく話そうとする人は多くはなかったようだった。



3: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:56:16.26 id:Nr4cjnOQ0

 

 未来人は、頭が良かった。

 と言うよりは、見たこと聞いたことをすぐに覚えていたようだった。

 彼女はサボり癖がある。

 高校に入ると私もちょくちょく授業を抜けるようになるので、あまり人のことは言えないが、それでも、彼女は普通の人生の3倍は授業をサボっていた。
 当時は、恐怖の代名詞であった先生にばれることを全く顧みない未来人に、畏怖の念を覚えたりもしていた。

 小6の夏休みに入るひと月前、未来人は、直前の4日くらいしか学校に来なかった。……にも関わらず、テストはほぼ全て満点だった(国語は平均だった)。

「あの紙の本読んだから、書いてあるし」

 物珍しさで読んでいたら、自然と覚えたそうだ。

 彼女の設定では、未来には紙の本などは存在しないらしい。これは初めから固まっていた設定の一つだった。

 そういえば、私はまともに授業を受けている未来人を知らない。

 授業中に彼女の方を見ると、たいてい、頬杖をついて、窓から空を見上げている。

「雲の形って、200年周期で同じものが流れてくるんだよ。人間が生まれる前に、プレアデス星人がプログラミングしたの」

 彼女の中で、プレアデス星人というのは後になっても活躍する、進んだ文明の持ち主だった。



4: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:57:37.17 id:Nr4cjnOQ0

 

 少し私の話を挟む。

 言っておかなければ、後から紛らわしいことになってしまうので、先に言葉として伝えておく。

 私は人を、匂いの色で覚えていた。
 と言うより、全ての匂いを色で感じていた。

 これがあまり多くはない特技だと知ったのは、中2になってからになる。

 特に、人の匂いははっきりと感じやすくて(例えるなら、人混みの中でも自分の名前が聞こえるように、雑多な匂いの中でも人の匂いだけはしっかりと確認できる)、
 朝早くに教室に来ると、扉を開ける前に、ほぼ必ず群青色の香りがした。

 未来人は、群青色の香りだった。

 でも当時は「群青色」なんて言葉は知らなかったので、私は「黒っぽい青」と呼んでいた。

 未来人と私は、休み時間に、次に誰が教室に入ってくるか当てる、という遊びをよくしていた。
 未来人は「少し先の未来も見える」と言っていたが、当たった回数は私の方が多かった記憶がある。

「未来は不規則に分岐しつつある」

 負けるたび、未来人は青いほど黒い髪を指に巻いて、そっぽを向いてそう呟いていた。

 ……一度だけ、確実に私が予想できず、彼女には当てられたことがあった。
 カブトムシが入ってきた時だ。

 どうやったらそんなことまで予想できたのかは、私にはわからない。



5: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:58:37.80 id:Nr4cjnOQ0

 

 未来人は、物を移動させるマジックが得意だった。

 彼女は「ザヒョウヘンコウ」と呼んでいたけど、初めてそれを聞いた私たちには、それは難しすぎたので、単に「ザヒョウ」と呼んでいた。

 一度、「ザヒョウ」を目の前で見たことがある。
 中村が学校に来る前にたまたま捕まえたカブトムシで、それは行われた。

 見ていたのは、中村と、川田と、岡西と、私だった。

 私は、川田のお気に入りのヘアピンの話を聞いていたら、珍しく未来人が放課後に活動を始めたので、少し驚いていた。

 川田はよく飼育小屋のにわとりに餌をあげてる、おとなしい女の子だった。

 岡西は小学生のくせに高そうなカメラを持っていて、その日は偶然カメラを持ってきていたので、

「決定的シュンカンを撮る!」

 と鼻息を荒くしていた。

 私たち3人が机を囲むと、彼女はカブトムシを白い両手で包んだ。

「つぶすなよ、おれのカブトムシ」

 中村は涙目になっていた。

 未来人がなかなか手を開こうとしないので、四人でうずうずとしていると、彼女は突然窓の方を見た。

「あ、UFO」

 私たちはつい窓を見てしまい、慌てて目線を戻すと、既に彼女は両手をパーにしていた。

 そして、そこにカブトムシはいなかった。

「おれのカブトムシ」

 中村は悲しそうに言った。

 岡西は、カメラで撮れなかったことを悔しがっていて、川田は、お気に入りのヘアピンを手の中で弄りながら「すごー」と言っていたけど、
 私は、どうせマジックか何かだろうな、と思った。

 カブトムシは2、3分もするとどこからか帰ってきて、中村を元気付けていた。



6: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 19:59:30.38 id:Nr4cjnOQ0

 


 本題に入ろう。

 10月ごろ、あるウワサが小学校で流行った。

「帰り道に、小学生みたいな顔したおじさんがいて、見つかると肉団子にされる」

 未来人はこのウワサを聞くと、すぐにこう言った。

「それは、プレアデス星人が人間を改造して生まれたミュータントだよ。人間の進化系」

 みんなは、そんな話より、見つかるとすごい速さで走ってくる、だとか、声は女の人、だとか、顔は毎回違う、だとか、そんな話で盛り上がっていた。

 私は肉団子スープが好きだったので、このウワサは嫌いだった。

 そしてその日に限って、晩ごはんは肉団子スープだった。

 玄関を開けると、美味しそうなにおいがする。嬉しさ半分、複雑な気持ち半分だった。

 おかわりをしなかったので、お母さんは「何かあったの?」と尋ねてきたけど、私は「なんでもない」と答えて、リビングでテレビを見ることにした。

 つまらないお笑い番組を見ていると、夜だというのに、家に電話がかかってきた。
 お母さんが受話器を取って、しばらく話を聞いた後、マイクの部分を抑えて私に聞いてきた。

「川田さえちゃんって子、今日一緒に帰らなかった?」

 私は、帰りは知らない、と答えた。

 その夜、川田は行方不明になっていた。



7: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:00:43.31 id:Nr4cjnOQ0

 

 次の日、川田はあっけなく発見された。

 学校の近くにある、誰も住んでないアパートの真下にいたらしい。
 でも、見つかったのは、首と胴と足だけで、両腕はどこにもなかった。

 またたくまにその話は広がった。

 私は、怖いなぁ、と感じた。

「あのおじさんに食べられたんだ」

 肉団子にされるのでは? と思ったけど、みんなはそんなこととっくに忘れていて、今度は手足をもいで自分のものにする妖怪、という設定になっていた。

 さわがしい中、ひときわ大きな声が教室に響いた。

「知ってるか? 人って、飛び降りたら手と足がふっとぶんだぜ!」

 それを聞くと、男子はすげーと呟き女子は怖がり、中には泣き出す子もいた。

 学級委員長で女子のリーダーでもある山田が彼を責めると、彼は一気に勢いを失った。

 私は黙って立ち上がると、そのまま静かにトイレに向かい、個室に駆け込み、胃の中のものを吐き出した。肉団子。

 のどが異様に広がって、胃液でピリピリと痛かったことを覚えている。

 激しい嘔吐感とめまいに耐えていると、いつのまにか、後ろに未来人がいた。

「あれは、人間の進化系だから、見ちゃうと、本能的に死ななきゃ、って思うんだろうね。早く生まれ変わるために」

 私は、その綺麗な声に、フキンシンだな、と思った。



8: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:06:34.13 id:Nr4cjnOQ0

 

 次の日、学校に行く途中、水の通っていない乾いた排水路で、犬か何かの骨を見つけた。
 普段ならなんともないのに、その時は血の気が引いた。

 その場でしゃがみこんでいると、山田が「大丈夫?」と声をかけてきた。

 通学路が同じだったことを、その時初めて知った。

「ううん、なんでもない」

 私は答えた。

 そしてその日、朝の会に、先生が少し遅れてきた。
 顔色が悪かったので、具合でも悪いのかな、と思っていると、先生は突然泣きながら、廊下に出て行ってしまった。

 山田や何人かが先生を追いかけていって、教室がざわついた。

 未来人の方を見ると、彼女はポツリと、

「昨日騒いでたあの男子、死んじゃったんだ」

 あの男子は、そういえば今日は来ていなかった。

「ミュータントも、お腹すくんだ」

 その後に来た校長の話によると、どうやら男子が死んでしまったのは、本当らしかった。



9: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:08:56.61 id:Nr4cjnOQ0

 

 その日の放課後、未来人は教卓の上で体育座りをして、ぼーっと空を見上げていた。

 私は、窓際の席に座って、窓の真下にある、農具倉庫の屋根を眺めていた。

 ……後から考えると、あの時座っていた席、川田の席だった。

 トタン屋根って、どれくらい薄いんだろう、なんて考えていると、急に廊下から薄はい色の匂いがした。岡西だった。

「あの化け物、撮った!」

 岡西はまっすぐ私に歩いてきて、カメラを突きつけてきた。
 私はそれを受け取った。

 ムービーが流れる。学校の近所だ。

「カメラの画面だけ見て歩くの、好きなんだ」

 岡西も友達が少なかった。

 カメラは岡西の通学路を進む。特に変哲もない映像が続いた後、画面の端、塀ブロックの角から、何か影が見える。

 そこでカメラはUターンし、映像は終わった。

「ほら! 見たか!」

 岡西はもうカメラを操作すると、さっきの動画の最後のシーンで一時停止をした。

 確かに、塀ブロックの角から見える影は人影に見えなくもなしい、身長の割に頭が小さい気がしないでもない。

 でも、岡西のテンションがなんだかうっとおしく感じた私は、

「別に、普通」

 と答えた。声は震えていた。

 昨日の、未来人のフキンシンな話を思い出して、そこで初めて群青色が香らなくなっていることに気づいた。

「私、帰る」

 教室には、私と岡西しかいない。

 黒いランドセルを背負うと、私は早歩きで教室を出た。



10: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:12:05.24 id:Nr4cjnOQ0

 

 翌日は、たしか、朝早く起きたか何かで、早い時間に家を出た。

 一昨日と昨日のこともあり、あまり明るい気分ではなかった私は、いつの間にか、早足になっていた。
 私は、嫌なことがあると早足になる癖がある。

 学校に着くと、正門の隣にある体育用具倉庫が開いていた。
 中を覗くと、高飛び用か何かのクッションの山が崩されていた。
 倉庫の土埃とカビの匂いが、あまり気持ちよくはない色で私の頭を染めるので、私はすぐに倉庫から顔を背けた。
 少しだけ群青の香りがした気がした。

 そのまま下駄箱に向かう。

 途中、さっきよりもはっきりと群青が香って、ふいと振り返った。

「なにしてるの?」

 目に映ったのは、農具倉庫から出てくる未来人だった。
 私が声をかけると、まるで私が声をかけることを知っていたかのように、自然に、彼女はこちらを向いた。

「ちょっと、今日の準備」

 なんの準備かは教えてくれそうになかったので、私は「へぇ」と答えた。

「私は、目が覚めたから早く来た」

「ふぅん」

 未来人は興味なさそうに自分の髪を撫でると、下駄箱とは反対方向へと歩いて行った。



11: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:13:32.32 id:Nr4cjnOQ0

 

 放課後、私は日直だったので、花に水をやるために一人で教室に残っていた。

 珍しく、未来人はいなかった。

 百均で売ってあるような安っぽいジョウロに水を入れて、ピンク色の花に水を注ぐ。
 花びらから水があふれる。

「誰かいますんかー」

 廊下から川田の声がしたので、「はーい」と返事をしてから、

 ジョウロを握る手から力が抜けた。

 川田?

 川田はたしか、おととい。

 頭が混乱する、ジョウロからあふれた水で、青色の上靴が水に濡れる。
 靴下に染み込んでくる気持ちの悪い水道水に気を配ることもできず、
 ただ、廊下へつながる扉を睨むように見つめる。

 匂いが見える。

 焦げた紫色。川田の匂いは緑だったはず。こんな気持ちの悪い色ではない。川田じゃない。でも川田の声。けど違う色がはっきりと見える。

 近づいてきている。返事をしてしまっているから。

 居場所はバレている。逃げないと。

 でも出口は廊下しかない。足音が扉の前で止まった。



12: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:14:49.34 id:Nr4cjnOQ0

 

「だれかあ、けてー」

 扉に何かをぶつける音がする。
 建てつけの悪い教室の扉が、音を立てて揺れる。まるで怒られているようだった。

 喉から、ヒュッ、と、聞いたことのない息が漏れる。

「あけてあ、けてあぇー」

 聞き覚えのある声で、でも聞き覚えのないイントネーションで、焦げ紫のそれは扉を揺らし続ける。
 次第にそれは強くなって行って、振動するたびに、ミシミシと音を立て始めた。

 ふと、思い出す。

 川田は、腕が見つからなかったらしい。

 私たちは、腕で扉を開ける。なら、もし腕がなかったら?

 そこまで考えたところで突然、焦げ紫の何かは、扉を叩くのをやめた。

 足音が遠ざかる。

 物音が急にしなくなって、扉はしんと大人しくなった。

 安心して膝から崩れ落ちそうになって、力を入れようとすると、

 次の瞬間、大きな物音と共に教室の扉がこちらへ倒れこんできた。その背中に大きな塊を載せている。

 私はそこで初めて、人間の舌は驚くと喉に詰まるのだ、ということを知った。

 塊が起き上がる。
 焦げ紫。顔を見る。川田だ。でも顔だけだ。体格は成人男性の一回りは大きい。

 腕はあった。

 でも、私はそれを見てすぐ、急がないと、と感じた。

 それから、死ななきゃ、と思った。

 逃げないと、と考えたのはその後だった。

 私は転がるように焦げ紫の川田に背を向けて、走り出そうとして、その場に転んだ。

 プラスチックの割れた音がする。

 すぐに起き上がって、そのまま廊下側ではなく、窓側(……今となっては、どうしてそう判断したのか理解はできないけど)へ全力で走り、そして、気がつくと、

 2日が過ぎていた。



13: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:15:41.29 id:Nr4cjnOQ0

 

 それからしばらくは、かなり慌ただしかった覚えがある。

 まず、目覚めた瞬間から、左手首と右脚の痛みに震えた。

 関節の内側から炙ったまち針を突き刺しているような鋭い痛みに、厚い板で押しつぶされているような鈍痛。

 次に、ギブスで固められていることにパニックになり、暴れようにも体が動かせず、一人で泣きそうな声を漏らしていた。

 看護師に気づかれると、慌てて医者を呼びに行かれ、それからまるで面接のような雰囲気で質問(検査といったほうが正しいかもしれない)を受けた。

 やつれたお母さんが泣きそうな顔で病室に入ってきたときは、申し訳ないことをしたな、と反省した(なにを反省したのかは覚えていない)。

 結局私は、あのあと、3階の窓から農具倉庫に飛び降りたらしく、右脚を骨折、左手首を捻挫していた。

 本来ならば、トタン屋根を突き破って、そのまま農具か何かに突き刺さって命に関わる怪我をしてしまっていてもおかしくなかったそうなのだけど、
 その日に限っては、たまたま誰かがイタズラで、高跳び用のクッションを農具倉庫に隠していたらしい。
 農具は農具倉庫のそばに重ねて置いてあった。

 私はそれで一命を取り留めていた。



14: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:17:11.85 id:Nr4cjnOQ0

 


 その後、私は2日入院して、外傷以外は特に異常はないとのことだったので、普通に学校に通うことを許可された。

 正直なところ、許可されなくても別に良かったのだけれど、お母さんをこれ以上心配させるわけにはいかなかった。

 ちなみに、私が眠っていた間、中村があの化け物を見てしまったらしい。
 が、たまたま近くにいた警察官のお兄さんに、様子がおかしかったところを見つかり、我に帰ったそうだ。
 特に襲われたりはしなかったようなので、化け物の方は気づいていなかったのかもしれない。

 朝早くに教室に入ると、その日も未来人は教卓の上に体育座りをしていた。
 青いほどの黒髪が綺麗だった。

 ジョウロを踏み壊してしまった覚えがあるので、新しいのに変えておかないとな、と思っていたけど、棚を見ると、既に新品のものに変えてあった。

「ありがとう」

 松葉杖をついて、未来人の方を見る。

「未来のギジュツで直しておいた」

 ジョウロを持ち上げる。

 裏側に、百均の値札が貼ってあった。



15: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:18:38.84 id:Nr4cjnOQ0

 

 放課後、最後まで教室に残っていたのは、未来人と私だった。

 私は少し迷ってから、教卓に座る未来人に質問を投げた。

「ねぇ、ウワサの化け物って」

 私は自然にアレのことを「化け物」と呼んでいることに少し驚いたけど、そのまま続けた。

「何か知ってる?」

 未来人は私の方は見ずに、空を眺めたまま、「はぁ、まぁ」ゆっくりと頷いた。

 少し間をおいて、彼女は教卓から飛び降りた。音がしなかった気がする。

「たぶんね、私を連れ戻そうとしてるんだよ。あのミュータ……化け物は。見た目も、がんばって人間っぽくしてるみたいだし」

 ミュータントより、化け物の方がしっくりときたらしい。私は少し嬉しかった。

「でも、私は帰る気はないし」

「なら、どうするの?」

「やっつける」

 未来人はそう言うと、くるりと体を廊下側に向け、そのまま歩き出した。

「私も、何か手伝える?」

 松葉杖をついて椅子から立ち上がると、彼女はゆっくりと振り返りながら、

「変わってるね」

 と私の目を見た。

「そうでもないよ」

「ふぅん」

 彼女はそのまま歩き出した。

 私は慣れない松葉杖で階段まで向かって、どうやって降りよう、と考えていると、階段のところに未来人がいた。

 降りるのを手伝ってくれた。



16: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:19:38.00 id:Nr4cjnOQ0

 

 その日の夕方、家で昨日の晩ご飯の手羽先をおやつ代わりに食べていると、山田から電話がかかってきた。4時過ぎだった。

「木の公園に来れる?」

 お母さんに、木の公園で遊んできてもいいか、と聞くと、にやにやと頷いたので、私は手羽先の骨をゴミ箱に捨ててから、車で近くまで送ってもらった。

 木の公園には、山田と、それから中村と、岡西がいた。

「なんか、キンモクセイの写真撮ってたら、二人が来たから」

 高そうなカメラを首から下げていた。

 せっかくなら、と岡西も参加することにしたらしい。……何に?

「作戦会議よ!」

 山田は張り切っていた。

 中村は燃えていた。

「ウワサのあのおじさんは、本当にいたのよ!」

 例の岡西が撮影した動画を、山田も見せてもらったらしい。私がちらりと岡西を見ると、岡西は得意顔で頷いていた。

「警察は動かないし、先生も捕まえようとしないし、だったら!」

 大人ではなく、私たち子供でおじさんをタイホする、という作戦らしい。

「おれも、なんか危ないことになってたし」

 中村は山田の作戦に乗り気のようだっだ。

「タイホする前に写真とってもいい?」

 岡西も参加するようだった。

「なら、私も」

 私は平均的な日本人だった。



17: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:27:55.36 id:Nr4cjnOQ0

 

 山田が立てた作戦はこうだ。

 まずはクジで2人組に別れて、おじさん、もとい化け物を探す。小学校のあたりでしか見つかっていないので、校区内から出てはいけない。

 もし化け物と出会って、様子がおかしくなってしまったら、お互いの頬をビンタして、意識を保つ。
 その後は山田が用意した道具でおじさんをタイホする、という作戦だった。

 山田が用意した道具は、手袋、タコ紐、針金、スコップ、それから手錠だった。
 手錠は百均で売っているおもちゃだったけど、鍵がないとなかなか外れなくて、馬鹿にはできないものだった。

「スコップは何に使うの?」

「武器」

 化け物との戦闘も作戦に組み込まれていた。

 クジを引くと、岡西と中村、山田と私のペアになった。
 ひとまず今日は、5時になるまで辺りを捜索して、何もなければそのまま家に帰る、ということになった。3人ともそれで頷く。

「なら、もし捕まえたら、私の家に電話して!」

 今思うと、本当に危ないことをしていたな、と思う。



18: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:30:32.56 id:Nr4cjnOQ0

 

 といっても、私は早く歩けないので、山田に手伝ってもらいながら、家の近所を散歩するだけの形になった。

「おじさんって、どんな見た目だった?」

 山田はあのぼんやりとした映像しか見てなかったので、詳しい見た目は知らなかったそうだ。

「えーと」

 正直に話すのは気が引けたので、よく覚えてない、と答えた。

 でも、私のまぶたの裏には、はっきりと川田の顔と、焦げ紫の匂いがこびりついていた。
 つい早く歩きそうになる。

「ごめん、気持ち悪いなら、無理して思い出さなくてもいいよ」

 山田は少し申し訳なさそうに、私から荷物を受け取った。

 いつの間にか、怖い顔をしてしまっていたようだ。
 頭から、焦げ紫が離れない。

 隣にいる山田は、いつも女の子らしい桜色の匂いがするのだけど、なかなか焦げ紫が離れようとしない。

 少しよろけたふりをして山田に顔を近づけてみたけど、山田が少し驚いただけで、桜色の匂いは焦げ紫に負けてしまった。



19: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:33:44.15 id:Nr4cjnOQ0

 


 私はなんとなく、山田に、

「なんか、変な匂いしない?」

 と聞いてみたけど、山田は、

「えっ、毎日お風呂はいってるよ?」

 と答えただけだった。
 そう言う意味ではなかったのだけど。

 人の匂いの色はそれぞれ違うけど、日によって少しづつ変わったりはする。
 汗をかいた日は、もちろん違うし、具合が悪かったりしても違ってくる。

 でも、山田の言うように、風呂に入れば、たいてい余計なものは流れるので、匂いの色は元に戻る。

 匂いを受け取る私自身もそうで、匂いが強烈な食べ物(納豆とか)を匂ってしまうと、その日1日は鼻の調子が悪いけど、風呂に入るか、寝さえすれば、たいてい元に戻る。

 次の日に同じものを匂ったりしない限りは、なかなかその色を思い出せるものではない……

「……あ」

 ……そこまで考えて、私は血の気が引いた。

 足元には、排水路があって、そういえば何日か前、ここに骨が落ちていた。

 川田は腕がなかった。なんで?

 飛び降りたから? それなら近くで見つかるはず。
 ならどうして。

 誰かが持って行ったのだとしたら?

 どうして川田は飛び降りた? 自殺するような子ではなかった。化け物を見てしまったからかもしれない。

 化け物はそれを見ていた? なら、腕を持って行ったのは。

『ミュータントも、お腹すくんだ』

 私はさっき手羽先を食べて、それから骨を捨てた。

 骨を捨てた。



20: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:34:55.41 id:Nr4cjnOQ0

 

 恐る恐る足元を見る。
 排水路。今日はフタが閉まっていた。でも何日か前、ここには。

 骨が捨てられていた。

 この道を、化け物は通ったことがある。

 つまり。

「……焦げ紫の匂いがする」

「え?」

 山田はきょとんと首を傾げたが、私は全身から嫌な汗が噴き出していた。
 こんな季節なのに、シャツが肌に張り付くのを感じる。

「反対側に行こう」

 今、会ってはいけないと思った。

 焦げ紫は強くなっている。

 私は山田の腕を無理やり掴んで、転がりそうになりながら、その二の腕をひっぱった。
 少し強い力で回れ右をする。

「え、ちょ、どうしたの?」

「こっちにはいないよ」

 焦げ紫は濃くなっている。

 山田は少し戸惑っていたけど、私の尋常じゃないこめかみの汗を見て、少し怯えたようで、黙って付いてきた。

 なるべく自然に歩いているつもりだったけど、後から聞くと、その時の私は松葉杖の割には異常に早歩きだったらしい。

 その後、サイレンが鳴るのを今か今かと待って、山田の家の前で別れた。
 山田は「また明日」と言って玄関に消えていった。

 その日は風呂に入るまで、気が気ではなかった。



21: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:36:27.94 id:Nr4cjnOQ0

 

 次の日、未来人に尋ねた。

「なんで、うちのクラスの人ばっかりが、あの化け物に出会うの?」

 未来人は、跳び箱の上に体育座りをして、木でできた格子小窓から空を見上げながら答えた。

「私とよく出会うからじゃない?」

「どういうこと?」

「化け物は私を連れて帰りたい。私の粒子が付いている人間を探す。同じクラスだと粒子がつきやすい」

 私は、また粒子とかなんだとか始まった、と思ったけど、匂いみたいなものか、と思って、そのまま話を聞いていた。

「だから私は授業を休むの」

「それ、サボるって言うんだよ」

「ふぅん」

 私は、埃っぽい体育倉庫の中でも、はっきりと群青色を感じていた。

「なんで今日は体育倉庫なの?」

 放課後、未来人に話を聞こうと思っていたら、終わりの会が終わってすぐ、彼女はどこかに消えていた。
 まだ新品の教室の扉も、帰りの会を終えてから、開いていなかったのに。そもそも帰りの会をサボっていたのかもしれない。

「この倉庫を使って、化け物をやっつける」

 未来人は独り言のように呟いた。



22: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:37:21.88 id:Nr4cjnOQ0

 

 ちょうど呟いたのと同時に、体育倉庫のシャッターが開けられた。

「誰かいんの?」

 岡西だった。後ろに山田や中村もいる。
 山田が不思議そうに尋ねてきた。

「こんなところで、何してるの?」

「作戦会議」

 私が未来人の方を見ると、彼女はいなくなっていた。

「1人で?」

「ううん、さっきまで未来人がいた」

 まだ群青の色がする。

 私が右手で跳び箱の蓋をめくると、中には小さく体育座りをしている未来人がいた。

「やあ」

 3人は未来人を見て、首を傾げた。



23: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:38:40.21 id:Nr4cjnOQ0

 

「私たちも協力したい!」

 私が未来人と話していたことを伝えると、山田が目を輝かせて跳び箱の上に立った。

 隣の跳び箱では未来人が体育座りをしている。

「でも、やっつけるって、どうやるんだ?」

 中村がバスケットボールをその場でドリブルしながら、普通に尋ねた。

 未来人は独り言のように答える。

「この倉庫を使うの」

 岡西は小窓から差し込む光をカメラで撮影していた。

「倉庫を使うって言っても、さすがに燃やすとかは無理でしょ?」

「そりゃ、閉じ込めて誰か呼ぶ、とかじゃないの」

 こういうとき、中村は誰よりも冷静に物事を考えられる人間だった。

 未来人は中村を一瞥して、それから小窓に目を移した。

「この体育倉庫に化け物を閉じ込めて、この倉庫ごと、ザヒョウヘンコウする」

 何言ってるんだ、と私は思った。



24: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:39:34.17 id:Nr4cjnOQ0

 


 そこで初めて、私は会話に口を挟んだ。

「でも、マジックはタネがあるからできるんでしょ?」

 未来人は、珍しくすぐに返事をよこした。

「未来に送りつけるから、大丈夫だよ」

 彼女の目があまりにも綺麗な目だったので、私は、何故か「なら大丈夫か」と納得してしまった。

 まあ、冷静に考えても、閉じ込めさせすれば、なんとかする手段を考えていたのだろう。

「なら、どうやってここに閉じ込めるか、ね」

 山田が跳び箱の上で、腕を組んで「うーん」と悩ましげな声を出す。

「誰か囮になればいいんじゃね」

 中村はさらりと言ったが、私は少し反対だった。

「死んじゃったらどうするの?」

「死ぬ前に、誰かが起こせばいい」

「でも」

 私が反論しようとすると、岡西がこちらを振り返った。

「直接見なければ、平気なんでしょ?」

 未来人はこくりと頷く。

「たぶん平気。付いてこさせればいいんだから、囮作戦もできると思うよ」

 そうか、ならいいか、と、私は納得した。
 未来人の言葉には、不思議な説得力がある。



25: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:40:38.90 id:Nr4cjnOQ0

 

「ところで、その化け物はどうやったら見つかるんだろう?」

 山田は、またしても腕を組んで悩んでいた。

「それについては」

 未来人が足を伸ばした。
 白い脚が小窓からの光に照らされる。

「この中なら、ツインテールのキミが囮になればいい」

 ツインテールの山田は、「わたし?」と首を傾げた。

 未来人は足を伸ばしたまま続ける。

「他のみんなは、もう出逢っちゃってるから、化け物は、ハズレだ、せいぜいご飯にしかならない、って知ってる。
 でも、ツインテールはまだ出逢ってないでしょ?」

 山田はこくんと頷いた。

「でも、おれも見つかってはないよ。カメラで見ただけ」

 岡西がカメラを掲げる。

「それだけ近づいても見つからないってことは、たぶん、たまたま私の粒子がちょっとしか付いてなかったんだよ」

 だから、この中だと、山田しか囮に使えない、ということだった。



26: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:41:15.89 id:Nr4cjnOQ0

 

「なら、作戦は、わたしが囮になって、化け物を引きつけて、体育倉庫に閉じ込めて、ザヒョウする、って流れね?」

 未来人は頷いた。
 こんな場所でも、長い髪が綺麗だ。

「でも、山田はどうすんだよ」

 中村がバスケットボールをカゴに投げた。

「囮をするにしても、見ない限りは付いてきてるかどうかわかんないだろ?」

 それを聞いた未来人が、静かに私を見た。私は頷く。

「それは、大丈夫。近くにいるのがわかったら、私が合図する」

 近くに来たらわかるんだ、と、3人に伝える。

「なら、わたしと一緒に来てくれれば、近くに化け物がいるのがすぐにわかるのね」

 山田が少しホッとしたような顔をしたのが、印象に残っている。

「なら、おれも行く。2人だけだと不安だし」

 中村も来ることになった。

「ならおれも……」

 岡西がそう言いかけたところで、未来人が遮った。

「ちょっとまって」



27: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:43:25.33 id:Nr4cjnOQ0

 

 視線が未来人に集まる。

 彼女は跳び箱の上で再び体育座りをして、独り言のように言った。

「作戦は人に見られたらいけないから、夜になる。だから、どこの門も閉まることになる」

 言われて初めて気づいた。うっかりしていた。

 夜になると、東、西、南方面にある門は、すべて人が入れないように閉まってしまう。北に至っては、ブロック塀で覆われていて、入り口になる隙間すらない。

「どうするんだ?」

 小学生5人くらいなら、門を乗り越えるのは簡単だ。
 でも、化け物を敷地内に入れなければ意味はないので、どこかの門は開けなければならない。

「でも、門を開けてる間に追いつかれたら」

 3人とも食べられてしまうかもしれない。

 誰も携帯なんか持っていないので、事前に連絡もできない。

「だから、カメラマンに屋上から見張っててもらって、どの方向から来るか、合図をもらう。
 そうすれば、来る前に門を開けられる」

 山田が尋ねる。

「でも、顔を見たら、そこから飛び降りてしまうんじゃ」

 岡西はそこで頷いて、

「それなら大丈夫」

 カメラを構えて、自信ありげに頷いた。



28: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:44:42.21 id:Nr4cjnOQ0

 


 その夜、私はこっそりと家を抜け出した。

 ……といっても、右脚と左手がうまく使えないので、物音はガタンガタンと鳴っていた。

 外に出て、玄関から家をしばらく見守る。

 親が起きてきた気配はしない。

「みんなの親のことなら、私に任せて」

 未来人は、さっにの帰り際にそう言っていた。
 まあ、またマジックか何かだろう。

 私は特に深く考えず、学校に向かった。

「こんばんわ」

「こんばんわ」

 途中、山田と中村に出会って、歩くのを手伝ってもらった。
 中村は動きやすそうなジャージだったけど、山田は私服だった。

 学校に着くと、正門の隙間からギリギリ入れたので、私たちは思ったよりも簡単に夜の学校に侵入できた。

 普段から見慣れてるはずなのに、月明かりに照らされている校舎は、まるで魔王の城のようだった。



29: ◆zsQdVcObeg 2017/02/03(金) 20:45:22.89 id:Nr4cjnOQ0

 

 午前2時。

「丑三つ時だ」

 中村が少し震えた声で呟いた。

 不思議なことが起こってもおかしくない時間。
 私は少し怖かったけど、岡西は何故か楽しそうだった。
 岡西は満月と校舎をカメラに閉じ込めている。

「なら、準備をしておくから、キミたちは化け物を連れてきて」

 未来人は、いつも通りの制服姿で、体育倉庫のカギをくるくると回していた。
 どうやって持ってきたんだろう。

「岡西はどうやって屋上に登るの?」

 山田が尋ねると、未来人は夜空を見上げながら答えた。

「ザヒョウヘンコウする」

 私は、どこかのカギを、昼間のうちに開けておいたんだろうな、と思った。

「じゃあ、すぐ連れてくるから」

 5人で顔を見合わせて、頷いた。

 未来人がこちらを振り返る。

「待ってるから」



34: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:33:36.80 id:VUzEAQad0

 

 まずは、中村が化け物と出会った、という場所に向かってみた。

「そこの駄菓子屋の前なんだけど」

 昼間は子供が集まって騒がしい駄菓子屋も、夜はまるでテレビの音量を0にしたように静かになっていた。
 まるで時間が止まってしまっているよう。

「どう? 近くにいる?」

 私は深呼吸した。

 夜の冷たい空気が鼻の奥を冷やす。無駄なものが混じっていない空気。

 焦げ紫は見えない。

「近くにはいないみたい」

 3人は駄菓子屋を後にした。

 次に近かったのは、川田が見つかったアパートだった。

「やめとく?」

 中村が山田と私に尋ねる。

「いや。行ってみよう」

 少し怖いけど、居そうな場所は片っ端から探してみないと。
 私たちはアパートに向かった。



35: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:35:13.44 id:VUzEAQad0

 

 アパートの近くまで来ると、少し車の音が聞こえてくるようになった。

 近くに大きい道路なんてないはず。どこかの家族が外出していたのかもしれない。

「この奥だね」

 山田は少し震えているようだった。

 私は黙って山田の手を握った。山田も握り返してきた。
 ……実は私も、少し怖い。

 自然と忍足になってしまって、初めとは比べ物にならないほどゆっくりと進みながら、そこの角を曲がればアパート、と言うところまで来た。

 どこからか虫の鳴き声が聞こえる。

 耳をすませると、少し、何かの足音がした気がして、心臓が大きく跳ねた。
 3人で顔を見合わせる。

 焦げ紫は見えない。でも、もしかしたら。

「……行くよ」

 中村も声が震えていた。

 3人で息を飲み、角からそぅっと顔を覗かせた。
 その時だった。

「何してるんだ?」

 私たちの真後ろから、突然低い声がした。

 腰が抜けそうなほど驚いて、3人でほぼ同時に振り返ると、
 急に眩しい光が当てられて、目を細めた。

「……小学生か? こんな夜中に何してる?」

 私は固まってしまった。頭が真っ白になって、突然ふわふわとした気分になる。

 山田と私の手を、何かが思いっきり引っ張った。
 中村だった。

「警察だ、逃げるぞ! 小野、松田!」

 はっと我に返った山田と私は、弾き出されたようにそこから走り出した。



36: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:36:48.82 id:VUzEAQad0

 


「走れ、走れ!」

 くねくねと折れ曲がった細い道を、3人で全力疾走で駆け抜ける。
 私は右肩を中村に支えてもらっていた。

「こら、待て!」

 後ろから追いかけてくる警察官を見て、まさかここまで警察を恐ろしく思う日が来るとは思わなかった。

 思うように前に進まない。

 捕まったらまずい。

 また広い道に出て、走り出そうとすると、山田がつまづいて転んでしまった。

「大丈夫??」

 中村と一緒に駆け寄ると、山田は膝を手で覆っていた。

「いたっ……」

 膝を擦りむいている。
 中村も私も、もう息が上がって限界だった。

「止まれー!」

 もうすぐ、そこの角まで、警察官は近づいてきていた。

 まずい。捕まる。どうしよう。

 私の頭は混線して、考えがまとまらなくなってしまっていた。

 もうむりか。

 私が大人しく捕まろう、と、口を開こうとすると、中村が叫んだ。

「こっち!」



37: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:37:52.23 id:VUzEAQad0

 


 私の心臓は、胸を突き破って出てきそうだった。

 隣では山田が必死で息を整えている。

 中村も、走った疲れか、焦りか、目には涙がたまっている。

 かくいう私も、視界は涙で滲んでいた。
 無理をして何度か地面についてしまった右脚が、恐ろしいほど熱を持って痛みを伝えてくる。
 私は人差し指を思いっきり噛んだ。

「どこに行った!」

 警察官の声は近い。もうすぐそこだ。

 山田が口に手を当てて息を潜めている。

 中村はぎゅっと目を閉じている。

 私は必死で自分の心臓を大人しくさせようとした。
 鼓動が聞こえてしまわないか不安だった。

「隠れてないで出てこーい!」

 警察官の声が数メートル後ろから聞こえてきた。
 足音は近づいてくる。

 もう、すぐそばまで。

 そして、そのまま、足音は、私たちのすぐそばまで来て、それから、

 頭の上を通り過ぎて行った。

 警察官は気づく様子もなく、そのまま歩いて行って、足音は聞こえなくなった。

 しばらく息を潜めて、それから、3人で世界で一番長い息を吐き出した。

 乱れた息を整える。

「ば、ばれなくてよかった……」

 山田が涙声で安心していた。

「よ、よかった……」

 中村も声が震えていた。

 私は上を見上げる。
 蓋の隙間から、わずかに光が漏れていた。



38: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:39:26.88 id:VUzEAQad0

 


『こっち!』

 諦めかけた私の腕を、中村がひっぱった。

 その目線の先には、乾いた排水路。

 雨が降った日にしか水が流れない排水路の蓋が、その部分だけ空いていた。
 昼間のうちに、近所の人がゴミ取りでもしたのかもしれない。

 中村が山田を押し込んで、それからすぐ私を中に降ろしてくれた。
 ほぼ同時に中村も飛び込む。

 少し奥に移動して、私たちは外からは見えない場所に隠れた。

 それから私たちは、警察官が通り過ぎるまで、たぶん日本で一番必死で息を止めた小学生になった。

 肩を揺らして息を整えながら、山田は中村に尋ねた。

「さっき、なんで小野と松田だったの?」

 額をぬぐいながら、中村は途切れ途切れに答えた。

「いや、もし、逃げ切れても、学校に言われたら、おしまいだと思って」

 だから、咄嗟に関係のない名前を呼んだらしい。
 こうしておけば、次の日に先生に何か言われても心配ない、と。

「なるほど、すごいね」

 山田に褒められて、中村は少し照れているようだった。



39: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:40:32.27 id:VUzEAQad0

 


 息を整えた3人は、ひとまず、これからどうするかを話し合った。

「松葉杖を取りに行かないとな」

 中村が、私の方を見ながら言った。

 さっき、警察官に見つかった時、焦って走り出してしまったせいで、松葉杖を放り出してしまっていた。
 中村が肩を貸してくれたので忘れていたけど、あれがなければまともに歩けない。

「なら、まずは松葉杖を取りに行こうよ」

 山田も勧めてくれたので、まずは松葉杖の回収を急ぐことにした。

 一番出口に近かった中村が顔だけを道路に出して辺りを見回し、誰もいないことを確認してから、ひょいと道路に出た。

 次に、脚がうまく使えない私が出ることになった。

 上から中村に引き上げてもらい、下から山田に押してもらう。
 なんとかそれで排水路から出ようとした、その時、

「……焦げ紫」

 焦げ紫の匂いがした。

 2人は首を傾げている。

「化け物が、近くにいる」

 2人の顔が青ざめるのが、月明かりだけでもわかった。



40: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:41:32.11 id:VUzEAQad0

 


 私は排水路から飛び出ると、2人から少し離れて、大きく息を吸った。

 ……焦げ紫。間違いない。

 今、走ってきた方から、間違いなく、焦げ紫の匂いがする。
 その時の焦りというか、緊張感というか、ジトッとした手汗の感覚は、今でも忘れない。

 山田が排水路から出てきて、中村と山田が肩を貸してくれた。

「いるって……どこに?」

「わからない。けど、今来た方向から」

 焦げ紫が濃くなる。

「こっちにきてる」

 2人は足元が覚束ないようにそわそわしていた。たぶん私もしていた。

「が、学校に向かわないと」

 中村が震えた声でそう言ったが、私はそれを引き止めた。

「い……今動いたら、化け物が私たちを見失っちゃう。もし、化け物が私と同じで匂いで付いてきてるなら、暫くここに隠れてたから、匂いが残ってて、それでここに向かってるんだ」

 ……だから、私たちは、化け物に姿が見つかるまで、この道にいないといけない。

 2人が息を飲んだのが聞こえた。



41: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:43:57.09 id:VUzEAQad0

 


 ここから小学校まで、距離はだいたい500メートル。

 小学校からここは見えなくて、少なくとも二回曲がった、200メートル先の駄菓子屋の前まで行かないと、屋上にいる岡西に見つけてもらうことはできない。

「まずは、曲がり角ギリギリまで行こう」

 私は右脚を庇いながら、2人に肩を借りて歩いた。

「後ろを振り返ったらお終い。私が匂いで化け物とのだいたいの距離を測るから、私が合図するまでは曲がらないようにして。
 少しづつ後ろ姿を見せて、それで小学校まで連れて行こう」

 だいたいこんなことを2人に言った記憶があるが、正直、このときは3人ともほとんど極限状態で、誰もその時の詳しい会話を覚えていない。
 たぶんもっとシドロモドロに喋っていた。

 3人で曲がり角の直前まで行って、その場で立ち止まる。

 お互いの顔が見たくても、万が一視界の端に化け物が映ってしまえば大変なことになるので、ただ目線を動かすことしかできなかった。

「……近い」

 と言うか、ここまでくると、ほとんど足音が聞こえていた気がする。

 ただ、山田には聞こえていなかったらしいので、動揺から起きた幻聴かもしれない。

 3人とも、ただそこに立っているだけなのに、まるでマラソンの後のように、息を不安定に荒くして、鼓動を早めていた。



42: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:45:35.05 id:VUzEAQad0

 


 少し湿った、気持ちの悪い足音が近づく。

 一歩。

 また一歩。

 まだだ。

 山田は少し泣き声を漏らしていた。中村が隣で歯をくいしばる気配がした。
 私も涙で視界がぼやけていた。

 一歩。

 また一歩、と足音がしたところで、明らかに匂いが少し濃くなった。

 つまり、化け物との間に、隔たりがなくなった証拠。

「走って!」

 と言い終わるより早く、私たちは駆け出した。ほんの100メートルもないような道が、そのときはどの道よりも長く感じた。

 とにかく走る。走る。

 山田が擦りむいた足で、必死に私の肩を支えてくれている。
 中村も私たちに合わせながら、1人で逃げたい気持ちを抑えてくれている。

 私も痛む身体に鞭を打って、全力で走った。

 曲がり角の直前、駄菓子屋が見える位置で、私たちは走るのをやめた。
 少しよろけながら、ぜえぜえと息を吐く。

「ばけ、化け物は、付いてきてる?」

 隣の中村が振り返ろうとしたのを、私は頭突きで止めた。
 中村は「いてっ」と小さく悲鳴をあげたあと、すぐに顔を前に向けて、「ごめん」と息を漏らした。
 私も「ごめん」と謝った。何も頭突きすることはなかった。

「でも、近いよね……」

 山田が涙で掠れた声で、前を向いたまま呟く。

 私は息を整えながら「うん」と頷く。さっきより匂いが濃くなるのが格段に早い。
 足音も、わずかに聞こえる気がする。

「次、駄菓子屋の前まで行けば、あとは、全力で逃げよう」

 あとは直線だ。立ち止まる必要はない。

 けど、逆に言えば、化け物から、私たちをはっきりと確認できてしまう。



43: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:47:20.32 id:VUzEAQad0

 


 もう、3人とも涙でぐしゃぐしゃだった。

 山田も私も、普通に嗚咽を漏らして泣いていた。
 中村も、「くそぉ……」と声を漏らしながら、歯を食いしばって泣いている。

 標的は私たち。

 相手は得体の知れない化け物。

 3人でひきつける、姿を見たら終わり。

 でも追いつかれたら食べられる。

 レーダーは私の嗅覚のみ。

 私も怖かったけど、この2人の恐怖は、私の倍はあったと思う。
 今思い返せば、私を置いていかなかったこの時の2人に感謝しなければならない。

 私は泣きながら、鼻をすすって、空気を吸った。

 焦げ紫が、近い、近い、近い。

 でもまだだ。あと少し。

 三人の足が自然と前に進んでしまう。でもまだだ。

「……さん」

 私は数を数えた。
 2人の腕に力が入る。

「……にぃ」

 焦げ紫が濃くなるのを待つ。
 3人の息は荒いし、汗はすごいし、まるでサウナの中にいるようだった。
 私は空気を吸い込む。

「……いち」

 色が濃くなった。

「走れ!」

 ほとんど言い始めるのと同時に、私たちは駆け出した。
 と言うよりは、私は2人に引っ張られて、必死に左脚を動かしているだけだった。

 もう無我夢中で、ひたすら前に進むことだけを考えた。
 とにかく駄菓子屋まで、走る、走る。

 文字どおり死にそうになりながら駄菓子屋の前まで来たところで、山田が転んでしまった。つられて私も転ぶ。

「あっ……づ!」

 ギブスを巻いている右脚に激痛。油を敷いたフライパンで焼かれているように熱くなり、そのままナイフを突き立てられるような痛みが襲う。

 立ち上がろうと両手を地面に着くと、駄菓子屋の屋根からギリギリ見えた小学校の屋上から、何かの光が見えた。



44: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:49:47.02 id:VUzEAQad0

 


「カメラのフラッシュだ!」

 フラッシュを使って岡西が未来人に合図をしたのが、ここからでも確認できた。

「あと少し!」

 山田がなんとか立ち上がって、私を起こそうとしてくれる。

「山田、1人で走れる??」

 中村が私の前にしゃがみ込んで、山田に向かって叫んだ。

「うん、走れる!」

「よし、背中に乗れ!」

 中村は私の腕を引っ張ると、半分引きずるようにして私を背中に乗せて、そのままの勢いで立ち上がった。

 少しふらついてから、山田の背中に全力で付いて走る。

 中村に必死でしがみつく。中村は人を背負っているとは思えない速さで山田の背中に付いて行った。

 一番近い入り口まで、あと少し。

 山田が痛めた足を庇いながら走り、中村がそれについていく。
 私は焦げ紫が濃くなるのを少しづつ感じていた。

「ま、まつっ、まってーぇ」

 突然後ろから聞こえてきた呻き声に、私たちは跳ねる勢いで驚いた。

 山田がつまづいて転びかける。

 釣られて中村が立ち止まってしまったので、私は額を後頭部にぶつけた。

「ふっ、ふーり? まっ%¥=°~て!」

 後ろから聞こえてくる奇声に、山田と中村は完全に脚が竦んでしまっていた。

 まずい。

 私が足を引っ張っているのはわかるけど、動かないことにはどうしようもない。

 でも、3人とも、既に限界だった。

 もうかなり長い時間緊張しっぱなしで、体力も底を尽きていた。

「だッ#○*け、す?ご~っ%!」

 中村も山田も完全に脚が震えてしまって、まだ数10メートルはある校門へ走る用意はもうない。

 焦げ紫が信じられないほど濃くなって、私が思わず振り返りそうになったとき、

「走れっ!」

 どこからからか聞こえてきた男の人の声で、山田と中村は弾けるように飛び出した。
 私は必死でしがみつく。



45: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:52:25.28 id:VUzEAQad0

 


 そのときは、その声は警官のモノかなぁ、と思っていたけど、その間違いに気づくのは随分とあとになる。

 ふらつきながらも走って、未来人が校門を開けているのがやっと見えてきた。

「体育倉庫の中、おびき寄せて」

 酸素がなくなったように息を荒げる私たちとは正反対に、落ち着き払った未来人の横を、3人は走り抜けた。

「あと少し!」

 全開になっているシャッターをくぐり、私たちは体育倉庫に駆け込んだ。
 突っ込むようにして、私は高跳び用のマットの上に投げ出される。
 中村はバスケットボールの山にそのまま転がり込んだ。

「こ、こっち!」

 山田が声を荒げた方を見てみると、昼間は散乱していた跳び箱が、小窓に通じるように階段になっていた。
 木でできた格子も、雑に壊されていた。

 小学生1人くらいなら通れそうだ。

「登れ!」

 中村がバスケットボールを地面にばらまきながら、山田を急かした。

 山田は這うように跳び箱を登り、小窓からなんとか転がり落ちる。
 外からぼふっ、という布の音が聞こえて、高跳び用のクッションが置いてあることが匂えて取れた。

「手伝う!」

 跳び箱に必死でしがみついていると、中村が勢いよく押し上げてくれた。
 私は階段を滑るように跳び箱を登り上がって、小窓から手を突き出した。
 山田がそれを掴んで、そのまま引っ張り出してくれる。

 私はギブスを格子の破片に引っ掛けながらも、なんとかクッションの上に落ちた。

「早く!」

 シャッターに何かがぶつかる音がした。

 涙で顔をぐちゃぐちゃにした中村が手を伸ばしたのを、私と山田で思いっきり引っ張る。

 倉庫の中で何かが転ぶ音がして、それと同時に私と山田の上に中村が転がり込んできた。

 突然、群青色の香りがする。

 と思った次の瞬間、勢いよくシャッターが閉まる音がした。

「3人とも、少し離れてて」

 体育倉庫の表側から、未来人の少し張った声が聞こえる。

 3人はよろけながらもクッションから降りて、ほとんど這うようにして表側に回り込んだ。

 未来人が倉庫の角の部分に抱きついて、目を閉じている。

 私はそれを見たのを最後に、意識を失っていた。



46: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:53:32.41 id:VUzEAQad0

 


 次の日。

 お母さんの声で目が覚めた私は、なんだ、昨日のことは夢か、と思ったけど、
 服が寝まきでなく、ギブスが茶焦げに汚れていたことから、「あぁ、本当だったんだ」と震えた。

 枕元に、松葉杖が置いてあった。

 明らかにおかしな格好で自室から出てきた私を見て、お母さんが悲鳴を上げてしまったことから、お父さんまで起きてきてしまったので、弁明に少々時間を要した。

 少し家を出るのは遅れたけど、車で送ってもらえたので、学校に着いたのはいつも通りの時間だった。

 校門の前で車から降ろしてもらって、お母さんは手伝ってくれると言ったけど、そこからは1人で歩いた。

 体育倉庫の前を通る。シャッターは昨日までと特に変わった様子はなくて、適度に汚れた、でも特に目立った傷はないシャッターだった。裏側の格子窓がどうなっていたかは、たしか確認しなかったと思う。

 農具倉庫の横を通って、教室に向かう。

 真新しい扉の前に立つと、群青色の匂いがしないことに驚いた。
 驚きつつも、私は松葉杖に体重を載せて、苦労しながら扉を開けた。

 誰もいない教室は、昨日の校舎と同じ建物とは思えないほど、清々しい空気だった。



47: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:56:26.94 id:VUzEAQad0

 


 放課後、いつもより少し短く感じた授業の後、私たちは教室に残っていた。

 私は3人に、昨日の後のことを尋ねた。

「あのあと、誰か運んでくれたの?」

 中村と山田は、揃って首を傾げた。

 2人もあの後のことはあまり覚えていないらしく、気がつくと家にいたらしい。

 山田は親が起きる前に着替えて、見つからずに済んだそうだが、中村は夜に出歩くな、と親に怒られてしまったそうだ。

 岡西は、少し離れたところでカメラの写真をチェックしていた。

「岡西は?」

 中村が尋ねると、「うーん」と曖昧な返事をしてから「夜の屋上、すごかった」と、聞いてもいない感想を述べていた。

 こちらにカメラの画面を向ける。3人で揃って、心臓が止まりそうになる。

 屋上から撮影した、夜の街。

 今思えば綺麗だったけど、その時の私たちからしたら、恐怖の対象でしかなかった。
 今でもその画面が思い出せるのだから、その時思い出した恐怖は並々ではなかったはず。

 私は立ち上がろうとして、ふと違和感がないことに気づいた。

 そういえば、朝起きた時、枕元に松葉杖が置いてあった。
 昨日、放り投げてしまったはずなのに。

「誰か取りに行ってくれたの?」

 山田と中村は当然首を振ったし、岡西もそれは本当に知らないようだった。

 まあ、あとで未来人に聞けばいいや。

 私はそう思った。



48: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:58:12.09 id:VUzEAQad0

 


 そのあと、3人が帰ってからも私は少し教室に残っていたけど、未来人はいつものように教卓の上にはいなかったし、群青色もどこにも見えなかったので、私は母の迎えを待って、そのまま帰った。

 車の窓を開けて、外の空気をにおう。
 あの骨が捨ててあった排水路の近くを通ったところで、小さく息を吸ってみたけど、もう何もなかった。

 雑草とアスファルトの匂い。

 夜、風呂に入って、匂いをリセットする。

 水、というかお湯の匂いは、今でも不思議に思うのだけど、なぜかどんな色も浮かんでこない。
 水が透明なように、匂いも透明。

 だからなのかどうかは知らないけど、あとから私はかなりの温泉好きになる。
 小学生の頃は温泉なんてあまり興味なかったけど。

 風呂の湯気を思いっきり吸って、頭の中をリセットする。

 そこでふと、今日は未来人に出会っていないことに気がついた。
 あの群青を思い出そうとする。

 透き通った、シャンプーともなんとも言えない香り。
 蒼く見えるほど深く黒い髪。

 言葉にすれば思い出せる気がするけど、まぶたの裏にあの黒っぽい青は浮かんでこなかった。

 少し不安を感じて、私は両眼をつぶって、頭からお湯に沈み込んだ。



49: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 22:59:59.99 id:VUzEAQad0

 


 次の日、若干緊張しながら階段を上りきった私は、少し躊躇うように、ゆっくりと廊下を歩いて、教室に向かった。

 扉の前に立つ。

 そういえば、なんで化け物は川田の見た目をしていたんだろう。
 そして、どうして学校まで来たんだろう。

 川田は死んでしまったはずなのに、それでも川田を学校で見た、というのは、
 うまく表現できないようなショックを私に残していた。

 まあ、偶然、未来人の粒子とやらを辿っていたら、ここに来たんだろうな。

 自分にそう言い聞かせることにした。

 松葉杖に体重を傾けて、右手で扉を開こうとすると、教室から、いい香りがした。

 私は少し急いで扉を開けて、それから教室の中を覗き見る。
 教卓の上には、未来人がいた。

 体育座りをしたまま、彼女は窓際の席を見ていた。
 それから、私に気づいて、すぐに目線を空に移した。

「プレアデス星人は、季節ごとに雲の色を変えるようにしたんだよ」

 私は「へぇ」と頷きながら、自分の席に荷物を降ろした。

 それから、未来人がさっきまで見ていたのであろう席に座った。川田の席だった。

 未来人に聞きたいことがいろいろあったけど、私は、それより先に、座った机の引き出しを開けた。

 ヘアピンが、中に入っていた。川田のお気に入りだったヘアピン。

 これを川田に返さないと、と思った。

「なに、それ」

 未来人が呟いた。

「忘れ物」

 私は答えた。



50: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 23:01:29.29 id:VUzEAQad0

 


 私が自分の席に戻ると、いつの間にか、未来人が隣に立っていた。
 未来人は足音がほとんどしない。

「質問があるんだけど」

 私が未来人の方を見ると、彼女は長い髪を揺らして、「いいよ」と応えた。

 一息に尋ねる。

「体育倉庫のシャッター、どうして直ってたの?」

「倉庫が未来に移動してた間に、向こうのギジュツで直してくれたんだと思う」

「あの化け物、どうなったの?」

「未来に送り返したよ。300年くらい先に」

「死んだの?」

「死んでないよ」

 私は、「へぇ」と頷きながら、マジックってどこまでできるんだろう、と思った。

 家に送ってくれたりとか、松葉杖について聞いてみると、彼女は「それはわたしの手柄じゃないよ」とそっぽを向いた。

「他は自分の手柄なんだ?」

 私が少しからかうように聞いてみると、

「そうだよ」

 未来人は両手の指先を合わせて、その隙間から細い指の間を通すようにして、私の目を見た。

 それは、未来人が、初めて私に見せた、人間らしい(というか、女の子らしい)仕草だった。
 少し首を傾けて、真っ暗な澄んだ瞳で、私の目を見つめる。

 顔は笑ってなかったけど、未来人が笑ったのがわかった。

 綺麗な顔だな、と思った。

 透き通った香りがして、頭の中が群青色でいっぱいになった。
 宇宙みたいだった。



51: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 23:03:38.68 id:VUzEAQad0

 


 小学校の頃の思い出は、だいたいこれくらい。

 他にもいろいろあった1年な気もしたけど、言ってしまえば、この数日があまりにも濃くて、他の日が薄くなってしまっている印象はある。

 私にとって、自分を未来から来たと本気で信じている女の子は、この頃から少し特別な存在だった。

 決して人々の中心にいたわけではないのに、私の記憶の中心にいるのは群青色の彼女だ。

 彼女との付き合いが、これから先、もっと長く深くなることは、まだこの時の私には想像できなかったけど、
 でも、まだ一緒にいたいな、という気はしていた。

 私は、彼女にこう尋ねたことがある。

「大人になったら、なにがしたいの?」

 彼女は、空を見上げたまま答えた。

「どうして、そんなこと聞くの?」

「気になったから」

 未来人は、会話を続けたくないと思った時、こう答える。

「ふぅん」

 私はそのことを知っていたので、それ以上なにも聞かなかった。

 放課後の教室、オレンジ色の夕陽がカーテンを揺らす中、私は、群青色の未来人から、こう声をかけられる。
 
「宇宙人っていると思う?」

 透き通った声だった。

「いないと思う」

 そう答えると、彼女は可愛げのない顔でそっぽを向いた。

「なら、未来人は?」

「それは、いると思う」

「ふぅん」

 そっぽを向いたまま、彼女は少し嬉しそうに喉を鳴らした。

 面白い子だな、と思った。



52: ◆zsQdVcObeg 2017/02/04(土) 23:07:59.93 id:VUzEAQad0

 

ひとまずおしまい。
続けるつもりですが、時間空けるので、また来週頃にスレ立てる予定です。

あとでHTML化の依頼しておきます。



53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/04(土) 23:14:20.44 id:e570PhU3o

 


続き楽しみに待っているよ



54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/06(月) 05:44:46.83 id:HTWwfQWDo

 

みんな勇敢だったなあ
乙乙



55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/08(水) 03:21:31.73 id:ESRzjUShO

 

好きな雰囲気だ
お疲れ様でした





掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486119166/

幼馴染「ボクがキミの事を好きだと言ったら」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 00:41:07.15 ID:3L/hvZCPo

 

幼馴染「キミはなんて答える?」

男「……は?」

幼馴染「聞こえなかった?もう一度言おうか」

男「いや、大丈夫だ」

幼馴染「そう?」

男「……」

幼馴染「……じー」

男「例え話、だよな」

幼馴染「そう言ってるじゃないか」
 



3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 00:51:11.73 ID:3L/hvZCPo

 

男「……んー」

幼馴染「……んー?」

男「……少し考えさせてくれ」

幼馴染「えー」

男「えーってなんだ、えーって」

幼馴染「例え話なのに?」

男「例え話でもだ」

幼馴染「……そっかそっか」

男「何なんだ、急に」

幼馴染「いつもの気まぐれ。って言ったら、怒る?」

男「……怒りはせんが」

幼馴染「では、ご検討よろしく」

男「……」



4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 01:27:43.37 ID:3L/hvZCPo

 

男「……はぁ」

男(いつもの調子で考えるなら、ただからかっているだけなんだろうが)

男(今までのからかい方とは少し趣が違う気がしてならない)

男(俺の思い過ごしか……?)

男(……あいつが俺を、好き)

男(俺は、あいつを……?)

「……おい」

男「……?」

「授業中によそ見とは、いい度胸だな」

男「あ……」

「今日の課題、楽しみにしておけ」

男「たはは……」

幼馴染「……」



5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 01:35:00.45 ID:3L/hvZCPo

 

男(なんだ、このプリントの枚数は……)

男「ほんとに容赦ないな、全く……」

幼馴染「ご愁傷様」

男「……こりゃどうも」

男(ったく、誰のせいだと……)

幼馴染「ったく、誰のせいだと……」

男「……!?」

幼馴染「とか、思ってる?」

男「……いや、んなこたない」

幼馴染「……ふふ」



6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 01:43:51.72 ID:3L/hvZCPo

 

幼馴染「ウ、ソ、つ、き」

男「……失礼な」

幼馴染「僭越ながら言わせていただくと」

男「?」

幼馴染「キミはウソを付いてるとき、丸わかりなんだ。知らなかった?」

男「なんだと?」

幼馴染「クスクス……」

男「おい、待て。どうやって丸わかりなんだ?教えろ」

幼馴染「教えたら直しちゃうだろ?」

男「……むむ」



7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/11(土) 01:45:19.89 ID:3L/hvZCPo

 

幼馴染「課題、ボクも手伝ってあげるから」

男「本当か?」

幼馴染「あくまでも手伝いだからね?」

男「分かってる分かってる」

幼馴染「ほんとかなぁ……」

男(そもそも、元はと言えば……)

幼馴染「キミはボクがいないとダメだなぁ」

男(……なんて言ったら、どうせまたからかわれるだけか)

幼馴染「ん?」

男「いや、なんでもない」

幼馴染「なんだよ、気になるなー」



16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/12(日) 19:21:26.62 id:jRE5FsaWo

 

男(どうせまたからかわれただけだろうしな……)

幼馴染「こら、無視するなー」


男「……ここ、分かるか?」

幼馴染「んと……そこはこの公式を使うんだよ」

男「ん、さんきゅ」

幼馴染「どういたしまして」

男「ちなみにこっちは……あてっ」

幼馴染「こーら。これじゃボクが全部やってるのと変わらんじゃないか」

男「分からん物は仕方あるまい」

幼馴染「授業をちゃんと聞いていれば、そう難しい内容でもないと思うけどね」

男「少なくとも今日はちゃんと聞けてなかったしな」

幼馴染「……全くもう」



17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/12(日) 19:27:59.33 id:jRE5FsaWo

 

男「……ふぅ」

幼馴染「とりあえず、一段落かな?」

男「あー、疲れた」

幼馴染「半分以上ボクがやったような……?」

男「……はいはい、今すぐ飲み物をご用意しますよ。お嬢様」

幼馴染「うむ、苦しゅうない」


男「おまたせ」

幼馴染「おや?デザートまでセットだなんて、キミにしては気が利くね」

男「持たせられただけだがな」

幼馴染「なるほど、合点がいった。後でお礼を言わなきゃ」



18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/12(日) 19:31:20.70 id:jRE5FsaWo

 

男「それで、どっちがいい?」

幼馴染「キミは?」

男「俺は甘いものに特に拘りなんてないからな……そっちが選んでくれ」

幼馴染「んー、それじゃこっちにしようかな」

男「随分渋い趣味だな」

幼馴染「おいしいもの、抹茶……あむ」

男「まぁ、そこには同意だな」

幼馴染「キミはそっちで大丈夫?」

男「だから、特に拘りはないから大丈夫だって……んぐ」

幼馴染「……むぅ」



19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/12(日) 19:40:03.42 id:jRE5FsaWo

 

男「む?」

幼馴染「食べ比べてみれば、拘りがうまれるかもしれない」

男「いや、別に俺は……」

幼馴染「つべこべ言わない」

男(そう言う事じゃなくて……)

幼馴染「ほら、あーん」

男「……」

幼馴染「……じとー」

男「……あーん」



20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/12(日) 19:43:02.74 id:jRE5FsaWo

 

幼馴染「どう?比べて」

男「……確かに、俺もこっちの方が好き、だな」

幼馴染「ふむふむ、なるほど」

男「これっていわゆる……)

幼馴染「それじゃ、ボクもそっちを一口……ぱく」

男(間接キス……いや、間接間接キス……?)

幼馴染「……ぺろり」

男「どうだ?」

幼馴染「やっぱり抹茶が捨てがたいなぁ」

男「左様ですか」

幼馴染「もぐもぐ……」

男(気にしてるのは俺だけ、か?)



26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/22(水) 15:34:36.78 ID:1EbSvoJTo

 

幼馴染「おっと、もうこんな時間だ」

男「ん、ほんとだな」

幼馴染「それじゃ、また明日」

男「おう、ありがとな。助かったよ」

幼馴染「なぁに、別の問題に気を取られて欲しくなかっただけさ」

男「……?」

幼馴染「焦らされるのは好きじゃないから。数日以内にお願いね」

男「お、おう……」

幼馴染「あ、ケーキありがとうございました」

「あら、泊まっていかないの?」

幼馴染「はい、泊まりはまた次の機会にでも」

「残念だわぁ」

男「ほら、さっさと帰れ」

幼馴染「ふふ、じゃあね」


「酷い言いぐさねぇ」

男「……うっさいな」

「顔、赤いわよ」

男「――っ」

「あらもう、青春ねぇ」



27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/22(水) 15:56:44.75 ID:1EbSvoJTo

 

男「……」

幼馴染「おはよ」

男「……ん、はよ」

幼馴染「凄い顔」

男「……ああ、知ってる」

男(ほとんど眠れなかったからな……)

幼馴染「……迷惑だった?」

男「何が」

幼馴染「ボクの質問」

男「……今更すぎないか」

幼馴染「ゴメン、そこまで悩ませるつもりはなかったんだけれど」

男「謝るこたねぇよ」

男「俺もここまで悩むとは思ってなかった」

幼馴染「……そっか」



28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/22(水) 16:10:43.36 ID:1EbSvoJTo

 

男「ちなみに」

幼馴染「ん?」

男「好きってのは、友達として……とかって意味だったりするのか」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「のーこめんとで」

男「は?」

幼馴染「おっと、急がないと遅刻しちゃうなぁ」

男「まだそんな時間じゃないだろ……あ、おい。待てっ」



29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/22(水) 16:24:30.66 ID:1EbSvoJTo

 

幼馴染「とうちゃーく」

男(大分早く着いちまったな)

幼馴染「ふー、いい汗かいた」

男(相も変わらずマイペースなやつ……)

幼馴染「ほい」

男「ぬ」

幼馴染「タオル、使う?」

男(また、そういう事を……)

幼馴染「……ん?」

男(しばらく見ないうちに、随分とたわわに……)



33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 15:09:22.76 id:isxb4O8Qo

 

幼馴染「……じろーり」

男「……はっ」

幼馴染「……」

男「いや、違うぞ。これはだな……」

幼馴染「目が怖いぞ?スケベ」

男「ぐあっ」

幼馴染「……まぁ、キミにならそういう目で見られても、悪い気はしないけれど」

男「……なぁ」

幼馴染「はい、なんでしょう」



34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 15:21:38.91 id:isxb4O8Qo

 

男「例えの話、なのだが」

幼馴染「うんうん」

男「俺もお前の事が好きだ、と答えたら」

幼馴染「……」

男「お前はなんて答える?」

幼馴染「なんだか、どこかで聞いたような言葉だね」

男「そうか?珍しい事もあるもんだ」

幼馴染「……んー、そうだなぁ」

男「……ごくり」



35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 15:28:46.26 id:isxb4O8Qo

 

幼馴染「ボクなら、一日待たせるような事はせず……」

男「せず?」

長なん地味「こうやって」

男「んぐっ!?」

幼馴染「ん……ぅ」

男「ぷはっ、あ」

幼馴染「……ぺろり」

男「な、あ……え……?」

幼馴染「ストレートに感情を表現すると思います」

男「……」

幼馴染「……」



36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 15:35:46.93 id:isxb4O8Qo

 

男「これはズルいだろ……」

幼馴染「そうかなぁ?こうでもしないと、ちゃんと伝わってない気がしたから」

男「……たとえ話じゃなかったのか?」

幼馴染「ここまでやられて、まだそんな事を言ってるのかい」

男「いや、お前……」

幼馴染「嫌だった?」

男「……分かってて聞いてるだろ」

幼馴染「いや、内心ドキドキで心臓が飛び出しそうだよ」

男「ウソつけ」

幼馴染「ウソなもんか、確かめてみるかい?」



37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 16:27:47.57 id:isxb4O8Qo

 

男「だから、そういう所が余裕そうに見えるんだっつの」

幼馴染「狼狽えるのはボクのキャラじゃないだろ?」

男「見てみたいけどな、俺は」

幼馴染「ボクは見せたくないの」

男「……なら」

幼馴染「ん」

男「……」

幼馴染「……んーっ」

男「――――」

幼馴染「ん、んーっ、んーっ!」



38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 16:29:43.20 id:isxb4O8Qo

 

男「いて、いてててっ」

幼馴染「ぷはーっ……あ」

男「叩くこたないだろ」

幼馴染「真似るのが好きだね、キミも」

男「真似たわけじゃない。俺がしたかったんだ」

幼馴染「……ボクはそんなに長くやらなかったぞ」

男「そんなん、俺の勝手だろ」

幼馴染「……うー」

男「なるほど、確かに余裕たっぷりってわけでもなさそうだ」



39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 16:31:49.26 id:isxb4O8Qo

 

幼馴染「……」

男「おい、こら。にじりよってくるな」

幼馴染「やられっぱなしも、性に合わないからね」

男「いや、誰かに見られたら……」

幼馴染「ボクは構いやしないさ」

男「負けず嫌いが……」

幼馴染「キミだって随分、余裕が出てきたじゃないか」

男「真似るのが好きなもんで」

幼馴染「ほら、キミも負けず嫌い」

男「……」

幼馴染「……」



40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 16:36:08.13 id:isxb4O8Qo

 

男「ちなみに」

幼馴染「うん」

男「たとえ話ではなく、好きと言ったら」

幼馴染「ボクも大好き、って答えますよ」

男「食い気味だな、おい」

幼馴染「読めてたもの」

男「こいつ……」

幼馴染「スキありっ」

男「むっ」


幼馴染「……ちぅ」


男「……頬」

幼馴染「続きはまた今度、ゆっくりとね」

男「……真っ赤になると、更に可愛いな」

幼馴染「う、うるさい」

男「その顔を見るのが好きだって言ったら……どうする?」

幼馴染「……ばか」



41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 16:38:32.25 id:isxb4O8Qo

 

ここで一旦本編は終わりです

何か読みたいシチュエーションあったらよかったらどうぞ
特になかったら依頼出してきます


ではまた



42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 18:37:02.33 id:Nn38cdZoO

 

依頼出してきました
面白くなくてごめんなさい

次あればまた



43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 18:45:45.88 id:NqpI/rjKo

 

おっつおっつ



44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 18:50:47.04 id:wMS3Ev4oo

 


面白かったし可愛かったよ
俺にもシチュエーションを思いつくだけの力があればなあ

また書いてくれたら喜んで読ませていただきます



45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/29(水) 20:20:06.89 id:yTEEdgXqO

 

素晴らしく可愛かったよ





掲載元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489160466/

男「彼氏に嫉妬されたい?」幼馴染「うん」

 

1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:38:59.127 id:WnXhoXD60.net

男「……待て、彼氏いたのか」

幼馴染「つい最近できたんだよね」

男「……そりゃ、おめでたいな」

幼馴染「でもさ、本当に私のこと好きか分からなくてさ」

男「それで嫉妬させて確かめたいと?」

幼馴染「話がはやい」

男「……メンヘラかよ。もっと上手い方法でやれよ」
2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:39:37.869 id:WnXhoXD60.net

幼馴染「じゃあ、どんな方法があるっていうの?」

男「あー……ぱっと思い付かないが、なんかこう……感じ取れよ」

幼馴染「そういうのあまり顔に出してくれないんだよね、カレ。私はもっと素直に表現して欲しいのに」

男「……付き合い始めなんだろ? 焦る必要ないんじゃないのか?」

幼馴染「付き合い始めたのは最近なんだけど、前から仲よかったし」

男「……俺の知ってるやつか?」

幼馴染「……秘密。恥ずかしいし」





   

 

3:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:40:00.805 id:WnXhoXD60.net

男「……」

幼馴染「ねえ、なんか良い方法ないかな?」

男「知るかよ。恋愛経験のない俺に聞くな」

幼馴染「……なんか不機嫌?」

男「……そんなことねえよ。ってか、彼氏がいるのに、他の男の部屋にいるんじゃねえよ。とっとと帰れ」

幼馴染「えー。いつもそんなこと言わないのに」

男「うるさいな、いいから帰れ」

幼馴染「はーい」





   

 

4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:40:25.751 id:WnXhoXD60.net

男「……今まで意識なんてしてなかったのに。手遅れになってから気付くなんてな」





   

 

5:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:40:52.290 id:WnXhoXD60.net

幼馴染「幼友ちゃんの作戦効いてる効いてる♪」

幼馴染「ガマンできずに手出してくるまで彼氏(架空)作戦継続だね♪」





   

 

6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:41:37.527 id:WnXhoXD60.net

幼友「ねぇ、幼馴染、本当にこれでいいのか?」

幼馴染「いいのよ、男ったらどんだけ私がアピールしたと思ってるの?」

幼馴染「アタックだって何度も仕掛けた、それこそ何度もよ?」

幼友「それは俺も見てきたけどさ、確かに全然反応しなかったな」

幼馴染「だけど今回のこの作戦を仕掛けたらあの反応よ?」

幼馴染「それに、この作戦を思いついたのは幼友ちゃんが考えたじゃない」

幼友「まさかやるとは思わないだろ、どうするんだよ」

幼馴染「何がよ、この作戦の事なら続けるつもりよ」





   

 

7:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:42:07.740 id:WnXhoXD60.net

幼友「だってよ、男の奴、傷ついちまうぜ」

幼友「それに、もし成功しても気まずくないか?」

幼馴染「うー、いいもんいいもん、私を意識しない男が悪いんだから!」

幼友「あ、いっちまった、ったく、流石に男に悪い事しちまったな」

幼友「俺が軽くフォローしておくか」





   

 

8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:42:42.605 id:WnXhoXD60.net

男「昨日の相談から1日過ぎて、学校に来たってのにまだ落ち込んでる」

男「はぁ、まさか幼馴染に彼氏が出来てからこんな気持ちになるなんて」

男「考えてみれば今まで幼馴染の行動に対して何もしてこなかったのは俺か」

男「そうか、俺が今まであいつを無視したから愛想を尽かしたのか」

男「なんだ、ただの自業自得じゃないか、とはいえ」

幼友「よ、よぉ、男、そんなに落ち込んでどうしたんだよ」

男「幼友か、いや、ちょっとな、何でもない」





   

 

9:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:43:12.878 id:WnXhoXD60.net

幼友「何でもないなんて顔してないぜ、話してみろよ」

男「いや、いい、俺が悪いんだ、だからいい」

幼友(これは思った以上に落ち込んでるじゃねえか、ヤバいな)

男「それじゃあ、席に戻ったらどうだ?」

幼友「あー、何も言わずちょっと来い」

男「お、おい、何処に連れて行くんだよ」

幼馴染「ふぅ、スッキリ、ってあれ?幼友ちゃん?」





   

 

10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:43:50.533 id:WnXhoXD60.net

男「なんだよ、こんな誰もいない所に連れて来て」

幼友「いいから、話せよ、話すまで離さないぞ」

男「そ、そこまで言うなら言うけどさ、あいつに恋人が出来たって聞いて」

幼友「あいつって、幼馴染にか?」

男「あぁ、昨日相談があるって言われてさ、その時初めて知ったんだ」

男「そう言えば、幼友は知らないか、その、相手をさ」

幼友(知ってる、そんなのいないって知ってるが、すまん)





   

 

11:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:44:10.352 id:WnXhoXD60.net

幼友「い、いや、俺は知らない、すまねぇ」

男「いや、俺の方こそ悪い、今更そんなの知ったって意味ないしな」

幼友(このままじゃ恋人になるどころか関係断絶になっちまう、仕方ない)

幼友「そんな事ないんじゃないか、ここで男がカッコいい所を見せればいいんだよ」

男「だけどよ、それでどうかなるのか?」

幼友「だってよ、男に相談するって事は幼馴染と彼氏の関係はよくないって事だ」

男「まあ、そう考える事も出来るけどさ」

幼友「そこでさ、男がカッコいいところ見せれば戻ってくるんじゃないのか?」





   

 

12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:44:45.913 id:WnXhoXD60.net

男「いや、幼馴染はそんな事で彼氏を見捨てたりしないはずだろ」

男「あいつは俺にみたいな奴に今まで尽くしてきてくれたんだぞ?」

男「ちょっとカッコいい所みせたからって」

幼友「ええい、俺が協力してやるから黙ってやりやがれ!」

男「お、おぉ、や、やる、やるよ」

幼友「それでいいんだよ、お前と幼馴染の絆を信じろよ」

男「絆か、分かった、俺も頑張ってみるよ」

幼友「おう、それでいいんだよ、それが幼馴染の惚れた男性だよ」





   

 

13:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:45:09.107 id:WnXhoXD60.net

男「ありがとな、それにしてもなんでここまでしてくれるんだ?」

幼友(実は今回の原因が私だから、とは言えないよな)

幼友「あ、あれだよ、俺は幼馴染の友達だからよ、知ってるんだよ」

幼友「幼馴染が男をどんだけ好きかって事よ、だから大丈夫だ、俺を信じろよ」

男「お前、ヤンキーっぽいと思ってたけど良い女だったんだな」

幼友「お前、そんな事よく正面の俺に言えるな」





   

 

14:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:45:36.601 id:WnXhoXD60.net

男「それで、これから俺はどうすればいいんだ?」

幼友「そうだな、まずは幼馴染に親切にすればいいと思うぜ」

男「そんなのでいいのか?」

幼友「ああ、これまでお前の反応は素っ気ない奴だったからな、いけるぜ」

男「わかった、ありがとうな」

幼友「おう、まあこれから頑張っていこうぜ」

男「そうだ、相談に乗って貰いたいから連絡先交換してくれないか?」

幼友「そういえば男とは交換してなかったな、いいぜ」





   

 

15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:45:54.468 id:WnXhoXD60.net

男「よし、それじゃあ教室に戻るか」

幼友「一緒に戻ると疑われるかもしれないからな、別れて戻るか」

男「それなら幼友が先に戻ってくれ、俺はもう少し頭を冷やしていくよ」

幼友「悪いな、それじゃあ先に戻らせてもらうぜ」

男「行ったか、こうも親切にしてくれるなんて本当に良い奴なんだな」

男「これから頑張らないとな、そんな良い奴が手伝ってくれるんだから」





   

 

18:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:47:58.449 id:WnXhoXD60.net

幼友「ふぅ、とりあえず何とかなったか、後は俺が頑張るしかないよな」

幼友「元はと言えば俺があの作戦を口にしたのが悪いんだしな」

幼馴染「あれ、幼友ちゃん何処に行ってたの?」

幼友(その為にはこいつがどう動くかを知っておかないとな)

幼友「ちょっとな、まあそこまで気にする事ないぞ」

幼馴染「まあいいわ、それで男を見た、すっごく私を意識してたよね?」

幼友「ちょっと効き過ぎだと思うぜ、もうバラしたらどうだ」

幼馴染「いいえ、まだよ、ここでバラしたらまた元の関係よ」

幼馴染「もしかしたらもっと悪くなるかもしれないわ、だから私は引けないの」





   

 

19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:48:20.490 id:WnXhoXD60.net

幼友(これは、思った以上に幼馴染も追い詰められてるな、私あ頑張るしかないか)

幼友「な、なら俺も協力するからどうするか話してみろよ、な」

幼馴染「ありがとう、幼友ちゃん」

幼馴染「それじゃあ、これからの事を話していこうね」

幼友(はぁ、思った以上に大変な事になったな)





   

 

20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:48:47.037 id:WnXhoXD60.net

男「それで、今度の相談は何なんだ?」

幼馴染「うん、今回はね、デートに関しての相談なの」

男「デートか、俺はした事がないんだがいいのか」

幼馴染「男なら私の全部を知っているでしょ、だからね」

男「わかった、それで俺はどうすればいいんだ?」

幼馴染「私とデートしてくれない?」

男「お前、彼氏いるのに俺としていいのか?」

幼馴染「だ、大丈夫よ、私たちの仲の良さは知られてるし」

男「そういうもんなのか」





   

 

21:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:49:05.075 id:WnXhoXD60.net

幼馴染「そ、それで、どう?」

男「わかった、それなら今度の日曜日でいいか?」

幼馴染「う、うん、ありがとう、男」

男「デートは日曜日って事で、それじゃあまた明日な」

幼馴染「うん、また明日ね」

男「帰ったか、それじゃあ相談するか」





   

 

22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:49:38.602 id:WnXhoXD60.net

男『って相談があったんだけど』

幼友『そんな事があったのか、そうか』

男『それでさ、幼友に協力して欲しい事があるんだ』

幼友『なんだ、俺に出来る事なら何でもしてやるぞ』

男『デートってさ、何すればいいのか教えてくれないか?』

幼友(やっぱりか、と言っても俺はデートとかした事無いしな)

幼友『よし、ここは俺とデートしてみるか』

男『幼友と?幼馴染に何か言われないか?』

幼友(むしろ俺としては原因で作戦をやめて欲しいんだが)





   

 

23:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:49:58.553 id:WnXhoXD60.net

幼友『なら幼馴染へのプレゼントも買うって理由での外出にしとくか』

男『確かに理由があれば幼馴染に何か言われても大丈夫か、分かった』

幼友『よし、それなら日曜に幼馴染とだし、土曜でいいな?』

男『ああ、俺はそれで大丈夫だ、じゃあよろしく頼むな』

幼友『それまで幼馴染に言うんじゃないぞ、余計だからな』





   

 

26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:50:23.226 id:WnXhoXD60.net

幼友「それじゃあ、これを利用して幼馴染の好みを聞いてみるか」

幼友「全く、こんな事をする事になるなんて、本当に自業自得だな」

幼馴染『はい、どうしたの?』

幼友『ちょっとな、お前に聞きたい事があってよ』

幼馴染『なになに?私に答えられる事なら何でも聞いてよ』

幼友『いやさ、男子とデートする事になってよ』

幼馴染『え!?幼友ちゃんが、相手は誰なの?』





   

 

27:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:50:42.518 id:WnXhoXD60.net

幼友『秘密だ、それでお前にデートに関して聞きたくてよ』

幼馴染『でも私、ちゃんとしたデートってしたことないけど』

幼友『いや、お前の理想でいいんだよ、それを聞いてみたくてさ』

幼馴染『私の理想でいいの?』

幼友『ああ、どうも私はそういうの考えるのが苦手だからな』

幼馴染『それならいいけど、それじゃあ』

幼友(これを土曜にデートしながら男に教えればいいだろ)





   

 

28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:51:15.268 id:WnXhoXD60.net

幼友「わりぃ、待たせたか」

男「いや、それより服似合ってるな、綺麗だぞ」

幼友「よし、ちゃんとそうやって幼馴染を褒める事を忘れるなよ」

男「そうだな、俺は今までそういうのを気にしなかったしな」

幼友「そうだ、幼馴染はお前の為に頑張っていたからな」

男「ありがとな、ただお世辞抜きでも綺麗だと思うぞ」

幼友「ありがたいけど幼馴染の前ではあまり言うなよ」

男「わかってる、それじゃあ今日はよろしくな」

幼友「おう、それじゃあ今日は実践練習していくか」





   

 

29:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:51:38.809 id:WnXhoXD60.net

男「それじゃあまずはあの店からだな」

幼友「そうだな、幼馴染と行く時の店に俺を連れて行くと問題だ」

男「翌日に別の女性連れて行ったら店員に変な目で見られそうだしな」

幼友「という事で今回は似た雰囲気の店に行くぞ」



幼馴染「あれ、もしかしてあの2人って」





   

 

30:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:52:17.087 id:WnXhoXD60.net

幼友「こんなもんだな、それでどうだった?」

男「お陰で俺も自分のダメな点が見えて良かったよ」

幼友「それじゃあ明日のデートは完璧だな」

男「そうだな、これなら幼馴染に楽しんでもらえると思う」

幼友「それじゃあ明日はデート頑張れよ」

男「ありがとうな、本当にこんなにしてもらって」

幼友「気にすんな、俺にとってもいい練習だったよ」

男「そうか、お前ならきっとすぐにいい男子が見つかるぞ」

幼友「ありがとな、それじゃあな」

男「おう、また週明けにな」





   

 

31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:52:33.919 id:WnXhoXD60.net

幼友「帰ったか、何とか男に自信を付けれたか」

幼友「後はしっかりとやってくれよな、本当」

幼友「それで男と幼馴染が付き合ってくれさえすればいいんだが」





   

 

32:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:52:59.430 id:WnXhoXD60.net

男「それでさ、こういうのいいよな」

幼馴染(昨日、幼友ちゃんと行った店と似てる)

男「この映画よかったな、幼馴染はどう思った」

幼馴染(これも館は違うけど幼友ちゃんと見てた)

男「ここの料理美味しいな、幼馴染はどうだった?」

幼馴染(幼友ちゃんと行った料理と同じ国の料理)

幼馴染(そして、私が教えた私の理想)

幼馴染(もしかして幼友ちゃんは男が好きだった?それで、)





   

 

33:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:53:15.093 id:WnXhoXD60.net

男「なぁ、今日はどうしたんだ?」

幼馴染「え、なんで、いつも通りだよ?」

男「んー、そう言うなら今日は聞かない、でもさ」

幼馴染「な、なに?」

男「俺に遠慮なんかするなよ、俺達はそういう関係じゃないだろ」

幼馴染「ありがと、自分で解決しなきゃいけないから」

幼馴染(明日、幼友ちゃんに聞かなきゃ)





   

 

34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:53:53.730 id:WnXhoXD60.net

幼馴染「それで、どういう事か聞きたくて」

幼友(失敗した、まさか見ていたか)

幼友(さて、ここで普通にバラしてもいいんだが)

幼友「ああ、お前の言う通りだぜ、実は男が好きだったんだ」

幼友(せっかくだから煽るか、俺としてはさっさとくっついて欲しいし)

幼友「お前から男の良い所は知ってるしさ、せっかくだから狙おうってな」

幼友「お前が悪いんだぜ?あの作戦にのっちまうからよ」





   

 

35:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:54:10.619 id:WnXhoXD60.net

幼馴染「じゃあ、やっぱり!?」

幼友「そういう事だな、それでどうするんだ?」

幼馴染「どうするって、どういう事よ」

幼友「生憎、俺はまだ男と付き合ってる訳じゃない、つまりだ」

幼友「お前が男に本当の事を話して付き合えば問題ないって事だ」

幼友(さぁ、後はここでお前が一歩踏み出せば)

幼馴染「男なんて幼友に上げてやる、うわーん!!!」

幼友「へっ!?」





   

 

36:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:54:36.600 id:WnXhoXD60.net

幼友「すまん、俺のせいでこんな事になっちまって」

男「そうだったのか、そんな事が」

幼友「ああ、これ以上は黙ってても悪化するだけだからな」

男「ありがとな、話してくれて」

幼友「いや、元はと言えば俺が悪いんだ」

男「そんな事ない、幼馴染が馬鹿なだけだから」

幼友「って事でだ、あいつの所に行って慰めたらイチコロってわけだ」

男「そうだな、ただ俺は気付いた」

幼友「ん、何にだよ」





   

 

37:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:54:52.706 id:WnXhoXD60.net

男「俺は今、幼友が猛烈に愛おしい」

幼友「は?」

男「責任感を感じてデートまでしてくれて、実は結構美人だったお前が好きになった」

幼友「いやさ、幼馴染はいいのかよ」

男「ああ、一度あいつに相手がいるって事で一度吹っ切れた」

幼友「マジか」





   

 

39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:55:30.061 id:WnXhoXD60.net

幼友(まさかこうなっちまうとは、どうすべきか)

幼友(とはいえ、幼馴染に言ったとおりに俺はこいつの事は知ってる)

幼友(つまりはだ、付き合うのもやぶさかではないという事だ)

幼友「じゃあ付き合うか」

男「本当か、やったー」

幼友(こうして、俺は男と付き合い始めた)

幼友(たまに陰からハンカチ噛み締めてる幼馴染を見かけるが気にしない)

幼友(ちゃんとあの時に男にアタックすればよかっただけなのだから)





   

 

40:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:55:49.006 id:WnXhoXD60.net

幼友「ま、こういうのも悪くないか」

男「どうかしたのか、幼友」

幼友「なんでもない、それじゃあ次はあの店行くぞ」

男「幼友ってああいうの好きだよな」

幼友「何だよ、悪いかよ」

男「いや、それで可愛いと思うぞ」

幼友(何だかんだ幸せだし)





   

 

41:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:56:18.085 id:WnXhoXD60.net

おわり
支援ありがとうございました





   

 

42:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:56:34.376 id:fzNvwcvDM.net

おつかれ様でした!





   

 

44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/06/04(日) 23:59:24.093 id:RRpLfFqX0.net

男「おはよう」幼馴染「あっ・・・」

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:04:14 id:BvJU5yKM
幼馴染(顔にハナクソ付いてる・・・)

 

男「ん?俺の顔に何か付いてるのか?」

幼馴染「ううん、なんとも無いよ」

男「昨日は徹夜だったからな。クマが・・・」

幼馴染(どうしよう・・・こういう場合って言ったほうがいいのかな・・・)

男「幼馴染は昨日の課題どうだった?」

幼馴染(うう・・・でもやっぱり気になる・・・)

男「?」

友「おー、幼馴染と男!おはよう!」

男「オッス!」

友(はっ・・・ハナクソォ!)

 

 

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:09:42 id:BvJU5yKM
男「友、後ろ、すごい寝癖だぞ」

 

友「お、おう。ってあれ?」

男「?」

友「男、お前も寝癖が付いたままじゃないか」

男「嘘!」

男「やべえ、直してこよっ」ダッ

幼馴染「友・・・」

幼馴染「ハで始まってソで終わる物?」

友「ああ・・・言ったのか?」

幼馴染「言えるわけないよ・・・」

 

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:14:29 id:BvJU5yKM
幼馴染「でも、鏡見たらすぐ分かるよ」

 

友「特大サイズだったもんな」

幼馴染「私だってまだあんな大きいのほじったことないよ」

友「えっ・・・ハナクソほじってんの?」

幼馴染「だって溜まってたら気になるじゃん」

友「俺は鼻かんだときに一緒にフンッて出してるぞ」

友「それにハナクソをほじると手が汚れるだろ?」

幼馴染「洗えばいいんだよ」

友「水が無駄だろ」

 

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:19:23 id:BvJU5yKM
男「あわわ・・・早く直さないと」

 

男「水水・・・」ジャアアア

男「寝癖は頭洗えば確実に元に戻る」ゴシゴシ

男「へへ、直ったぜ」

教師「お、男!何やってんだ!」

男「ああ、寝癖を直してたんですよ」ビッショリ

教師「早く体ふけ!」

男「はい」

教師「ん?」

男「?」

教師(ハッ・・・ハナクソだ!)

男「あっ!もう授業始まる!」

教師(これは言ったほうがいいのか!?)

男「先生も早く!」グイ

 

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:25:02 id:BvJU5yKM
男「急げ急げ!」ギュウウウン

 

教師「待った!足がっ足が付いて行けん!」

男「到着!」キキキキイイッ

男「ギリギリセーフ」ガラッ

生徒一同(ハナクソォ!)

友(何で気付かないんだよ!)

幼馴染(私、男のこと嫌いになりそう・・・)

教師「えー・・・では授業を始める」

教師「て・・・」

男「?」

教師(いや、ハナクソごときに気を取られてはいかん!なるべく見ないようにしよう・・・)

 

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:31:21 id:BvJU5yKM
友「フンフーン♪」ブオオオ

 

教師(今寝癖直すのか!?しかも勝手にドライヤー使うなし!)

友「アチィ!ドライヤー当てすぎて髪が焦げた!」

教師(・・・あんなものは放っておこう)

幼馴染「んっ・・・」クイクイ

教師(ぎゃあああああ!)

幼馴染「よし、オッケー」

教師(まままマンポジ直しだと!フゥッフゥッ・・・)

友(何とか気を紛らわせないと集中できない・・・)

幼馴染(早く今日が終わらないかなー)

 

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:37:28 id:BvJU5yKM
教師(こうなったら・・・!)

 

バンッ

生徒一同「!?」

教師「今日の授業はここまでとする」

生徒一同「なにゃあああああ!」

教師「皆、家に帰ってよろしい」

友(やっぱ先生も気になってたんだ・・・)

幼馴染(もう一分でも早く家に帰りたいよ!)

男「?」

教師「ただし、その分今日は宿題5倍だ」

友(ハァ!?男しねよ!)

幼馴染(でもしょうがないよね!)

 

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:42:00 id:BvJU5yKM
男「じゃあ友、またなー」

 

友「とっとと帰れ」

男「どうしたんだよ?」

幼馴染(・・・)コソコソ

男「幼馴染!帰ろうぜ!」

幼馴染「えっ」ビク

幼馴染(あうう・・・一人で帰ろうと思ったのに・・・)

男「今日はちょっと遠回りして帰ろうか」

幼馴染「ハァ!?」

 

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:47:39 id:BvJU5yKM
男「えっ、何だよ」

 

幼馴染「あっ・・・」

幼馴染「ゴメン!つい・・・」

男「つい、何だよ」

幼馴染「いや、今日は一人でゆっくり帰りたかったなあって」

男「そうなのか?」

幼馴染「うん、でも男と帰ったほうが楽しいもんね」

男「そうか?」スッ

幼馴染「・・・っやめてよ!」バシッ

男「!?」

幼馴染「そんな汚い顔近づけないでよ!」スタスタ

男「き、汚い・・・?俺って汚いのか!」ガーン

 

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:54:05 id:BvJU5yKM
男「ただいまー・・・うっうああああんあああん!」

 

男母「ちょっ・・・どうしたの?」

男「うっ・・・ひっく・・・おっ、さななじっ・・・みにふられああああん!」

男母「そうなの?泣かなくてもいいのよ」ナデナデ

男「俺の顔・・・汚いと思う?」

男母「どこも汚くなんか・・・ハッ!?」

男「?」

男母「ハナクソォ!」

男「え?俺の顔?どこ?」サワサワ

ピトッ

男「あっ・・・」

男母「そのハナクソで避けられたんじゃないの?」

男「そうか・・・そうだったのか・・・」

男「俺、ちょっと行ってくる!」ガチャ

 

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/04(土) 23:59:30 id:BvJU5yKM
幼馴染(さっきは言い過ぎだったな・・・)

 

男「幼馴染!」

幼馴染「男!」

男「俺・・・自分の顔にハナクソが付いてることに全く気が付かなかった・・・」

幼馴染「私も言ってあげられなくてごめん・・・」

男「でも、今ハナクソを取ってきたんだ」

幼馴染「ふっ、ふえええっ」ギュッ

男「俺のこと、これからも好きでいてくれるか?」

幼馴染「うん、男のことはババアになってもずっと好きだよ!」

幼馴染「寝癖の付いてる男も、ハナクソまみれの男も好きだから!」

男「ありがとう!」

 

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/05(日) 00:02:58 id:jINvgwzE
友「男!幼馴染!」

 

男・幼馴染「?」

友「やっぱり授業はやるそうだ。学校に戻れって」

男「友!俺、ハナクソ取れたよ!」

友「おお本当だ!」

幼馴染(あれ・・・?)

男(ん・・・?)

友「ん?俺の顔に何か付いてるのか?」

男・幼馴染「ハナクソォ!」

                                 完

 

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/05(日) 02:30:29 ID:SP/iXBDs
糞みたいな展開だが王道ですき
おつ

 

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/06(月) 01:09:45 id:hXK5KqAg
なんか見たことあると思ったら銀魂か

 

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/06/06(月) 13:07:16 id:SJAVdIfc
>>14ハナクソ28星雲だっけ?

 

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/09(土) 23:29:06 id:baNvS9O2
銀魂のリヴァイアサンとバハムート思い出した


元スレ
タイトル:男「おはよう」幼馴染「あっ・・・」
URL:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1465049054/
掲載サイト:SS深夜VIPに投稿されたスレッドの紹介です

幼馴染「ねぇ、揉んでよ」

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:14:02 ID:a1.otTJA
幼馴染「肩がすごい凝っちゃって……」

 

男「なんだ肩か……」

 

 

2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:15:04 ID:a1.otTJA
男「しょうがねぇな、そこ座れ」

 

幼馴染「ん……」 ストン

男「ほら、リラックスして」

幼馴染「いいから早くぅ」

男「……揉むぞ」サワ

幼馴染「ひゃぅ……」ピク

男「ん?」

幼馴染「何でもないぃ…続けて…?」

男「おう……うわぁ凝ってるなコレは。あずきバーみたいだ」モミモミ

幼馴染「あずき……? んっ…」

男「大丈夫かお前」モミモミ

幼馴染「らぁいひょうぶ……」

男「……そうか」

男「(こいつ相当敏感だな)」

 

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:15:39 ID:a1.otTJA
男「どうだ? 揉み加減は」

 

幼馴染「うー……丁度いいよ」

男「…………」モミモミ

幼馴染「……はぁ…はあ……」

男「辛そうだから止めるか」

幼馴染「! ねぇ、お願い。続けてよ……」

男「……OK牧場」モミ

幼馴染「あ、う、う……ぅ」ピク

男「…………」

幼馴染「もっと強く、してぇ……」

男「…………」ギュッギュッ

幼馴染「む、はぁ……は……ぁ」

 

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:16:55 ID:a1.otTJA
男「……なぁ」

 

幼馴染「へ……? なぁに?」ピクピク

男「変な声出すのやめろよ」

幼馴染「……! だ、出してなひっ」

男「だったらもっと静かにしろよ?」

幼馴染「むぅ……わかった」

男「……続けるぞ」ギュッ

幼馴染「~~~~~~~っ!」ビクビク

ギュッ モミモミ

幼馴染「ぅ……ふ、むふー……ふーっ」

ギュッギュッ

幼馴染「ふ……ぅ、ふー……くっ」

男「(手で口を押さえても漏れてるな)」

 

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:18:06 ID:a1.otTJA
ギュッギュッギュッ

 

幼馴染「ぅ~~~……んふ、はぁ、ひぃ……」

男「(結局ダメじゃん)」

幼馴染「はぁ……はぅ……」モゾモゾ

男「(ん?)」モミモミ

幼馴染「ん、んんんっ、あぅぅ……」モゾモゾ

男「お、おい。体動かすなよ」

幼馴染「! あ、そうだねゴメン……」

男「…………」モミモミ

幼馴染「は、はぁー……ふぅ……ぅ」モゾモゾ

男「(あれ?)」

幼馴染「ん、んっ! あ、あっ……」モゾモゾ

男「(……こいつオナニーしてね?)」

 

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:18:55 ID:a1.otTJA
幼馴染「う、う~~……」モゾ

 

男「(スカートの中に手入れてるし)」

幼馴染「あっ、ひぅ……」ビクビク

男「(変態じゃねーか)」

幼馴染「ん、ん……」モゾモゾ

男「盛り上がってるとこ悪いんだけど」

幼馴染「へ!? な、何……っ」ピタ

男「お前……オナニーしてるだろ」

幼馴染「~~!? ば、馬鹿! 何言ってるの!?」

男「じゃあその手、見せてみろよ」

幼馴染「! や、ヤダ!」

男「……見せないと続きしないけど」

幼馴染「……み、見せるよ、見せるから!」

男「早くしろよ」

 

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:19:51 ID:a1.otTJA
幼馴染「…………」 スッ

 

男「……べちょべちょになってんじゃん」

幼馴染「うぅ……」

男「やっぱシてたんだな」

幼馴染「……もういいでしょ? 見せたから揉んでよ!」

男「そうだなぁ……」

幼馴染「……?」

男「お前がさっきの続きしたら肩揉みしてやるよ」

幼馴染「つ、続きって?」

男「俺にオナニー見せんだよ」

幼馴染「え、えぇっ!?」

 

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:20:29 ID:a1.otTJA
男「さっきまでやってたじゃん、やれよ」

 

幼馴染「う、う~~~……分かったよぅ」

男「よぉし……」

幼馴染「う……はぅ…ん」ヌチュ

男「スカート上げないと見えないだろ? 足も広げてさぁ」

幼馴染「は、恥ずかしいよ……」

男「(どの口が言ってんだか)」

男「じゃあ俺がスカート捲くってやるよ」クシャ

幼馴染「あ、ちょっ……!」

男「これなら出来るだろ?」

幼馴染「う、うん……」コクリ

男「じゃあ続けて」

幼馴染「(あ、ああ……男がこんなに近くにいるのに……)」

ヌチュ クチュ

幼馴染「(恥ずかしいのにぃ……! 手が止まんない……っ)」

 

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:21:05 ID:a1.otTJA
幼馴染「あ、はぅ……気持ちいい……っ」プチュ

 

幼馴染「ん~~~!」ヌチュ

男「……いつもさ」

幼馴染「……ふぇ?」クチュ

男「どのくらいオナニーしてんの?」

幼馴染「え、え!?……その」

男「手は止めるなよ……答えろ」

幼馴染「しゅ、週……三日くらい、かな……んっ」ピク

男「どんなこと考えながら?」

幼馴染「お、男の……こと……」ヌプ

男「俺のこと?」

幼馴染「ん……っ」コクリ

男「へぇ……」

 

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:21:43 ID:a1.otTJA
男「どんな妄想して?」

 

幼馴染「男とぉ……ハグしたりぃ、ちゅーしたり……」グチュ

男「ふーん……」

幼馴染「他にもいろんな事したり……う……っ」ヌププ

男「イきそう?」

幼馴染「……んっ」コクコク

男「はい、手を止めて」

幼馴染「え、何で……」

男「イきたいの?」

幼馴染「……うん、イきたい……」

男「そっかー、でもちょっとお預けだな」

幼馴染「イジワルぅ……」

男「……その代わりこれから幼馴染が妄想してたことしてみるか」

幼馴染「……えっ!?」

 

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:22:19 ID:a1.otTJA
男「何して欲しい?」

 

幼馴染「ちゅ、ちゅーして欲しい……な」

男「じゃあこっち来て」

幼馴染「ん……む、んちゅ……ん、んっ……」

男「ふぅ……どう?」

幼馴染「ねぇもっと、もっとしよ?」

男「いいよ」

幼馴染「……んむ、ちゅ、んん…………ぷはッ……はぁ、はあ……」

男「……今どんな気分?」

幼馴染「頭……熱くて、胸がすごいドキドキして……苦しいぃ……」

男「じゃあやめる?」

幼馴染「や、やだ、もっともっとしよ……っ!」

 

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:22:53 ID:a1.otTJA
男「次はどうしたい?」

 

幼馴染「え……」

男「ん?」

幼馴染「えっちしたい……えっちしようよぉ……」

男「うーん、どうしようかな」

幼馴染「ねぇ、お願い! えっちしようよぉ、この苦しいの取って……」

男「……俺の言うこと聞く?」

幼馴染「うんうん」コクコク

男「そっか、じゃあ」 ゴソゴソ

幼馴染「!」

男「俺の勃たせてくれる?」

幼馴染「……ど、どうすればいいの……?」

男「咥えて舐めてくれればいいよ」

 

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:23:41 ID:a1.otTJA
幼馴染「舐めるよ……?」スッ

 

幼馴染「(これが男の……)」

幼馴染「あむ……ん、ちゅぱ、んむ……」

男「うん……いいね」

幼馴染「んんっ……れろ……ちゅ」

幼馴染「あ……硬くなってきた……」

男「もっと奥まで出来る?」

幼馴染「わかった……ん、く……もご……む……っ」

 

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:24:14 ID:a1.otTJA
幼馴染「れろ、ちゅ、ちゅむ……ん、ん」

 

男「……次は胸で挟んで」

幼馴染「胸で……? ん……こう……?」モミ

男「そうそう、それでペロペロして」

幼馴染「ん……れろ、んんっ」

男「もっと唾を垂らして」

幼馴染「うん……、じゅぷ、う~~……」ベト

男「そう……うまいね」

 

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/26(金) 23:24:48 ID:a1.otTJA
幼馴染「れろ、ぺろ……う……んむぅ……」

 

男「……もっと美味しそうに」

幼馴染「はぁ、ふ……ん、ちゅぷ」

男「う……出そう……」

幼馴染「へ?」

男「口で受けて」

幼馴染「ん、うん……はむ……」

男「……っ」ビクビクッ

幼馴染「む~~~っ……!」ドロ

男「ふぅ……それ、飲める?」

幼馴染「ん……んぐ……っ……ぷはぁ……!」ゴク

男「……よしよし、偉いぞ」ナデナデ

幼馴染「え、えへへ……」

 

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:04:18 id:fEDCDQvc
男「じゃあ……パンツ脱いで」

 

幼馴染「ふぇ?」

男「俺とえっちしたいんだろ?」

幼馴染「本当っ? してくれるの?」

男「ああ、いいよ」ナデナデ

幼馴染「嬉しい……大好き」

ギュッ

男「いい子だな、幼馴染は」ナデナデ

幼馴染「んん……///」

男「(昔から俺の言うことはすぐ聞くバカで楽だな)」ニヤニヤ

幼馴染「好き……んにゃ……」

男「ははは……可愛いね、幼馴染」ナデナデ

 

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:04:51 id:fEDCDQvc
男「…………」ナデナデ

 

幼馴染「んん……っ///」ギュッ

男「(とっととヤって捨てるかな)」

男「じゃあ……ほら」

幼馴染「脱げばいいんだよね?」スクッ

男「(ふん……)」

幼馴染「よいしょ……」ヌギッ

ポサッ

幼馴染「これで……いいんだよね?」

男「そう……いいね」

 

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:05:23 id:fEDCDQvc
男「(べちょべちょに濡れてエロいな……ちょっと興奮して来た……)」

 

幼馴染「どうすればいい……?」

男「そこ、寝ろよ」

幼馴染「…………」

男「幼馴染……?」

幼馴染「私がそんなに安い女だとでも思ったの?」

男「……なんだと?」

幼馴染「わたしと続きをしたければ……」

バッバッバッ(バク転)

幼馴染「デュエルよ!」 ドン!

 

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:05:53 id:fEDCDQvc
男「やはりお前もデュエリスト……」

 

幼馴染「ふふふ……」

男「やりたくはないが……」

幼馴染「さぁ、ディスクを立ち上げなさい!」

男「お前を倒し必ず陵辱させてやるッ!」

幼馴染「やれるモノなら!」

男・幼馴染「「デュエルッッ!!!」」

バァン!!

LP4000 vs LP4000

 

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:06:23 id:fEDCDQvc
幼馴染「私から行くわ。手札のモンスターカードを1枚捨て……」

 

シュコン

幼馴染「『カウパー・バナナナイト』を特殊召喚するっ!」

パチン!

シュウウウン

カウパー・バナナナイト「トュオォ!!」

 

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:06:53 id:fEDCDQvc
幼馴染「そして『カウパー・バナナナイト』の効果により……」

 

幼馴染「デッキから☆4以下の精子族モンスター1体を特殊召喚する」

パパパッ

幼馴染「現われろ、☆3!」 

パチン

幼馴染「『ヘンタイガー』!!」

ヘンタイガー「ヘンガー!!」

 

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:07:24 id:fEDCDQvc
カウパー・バナナナイト ☆3

 

【効果/チューナー/精子族】

A:1200
D:800
■■■■■■■■■■■■■■■■■
ヘンタイガー ☆4

【通常/ケダモノ族】

A:1800
D:600

 

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:07:57 id:fEDCDQvc
男「(チューナーに☆4モンスター……もう来るというのか、ヤツのエースが)」

 

幼馴染「私は『ヘンタイガー』に『カウパー・バナナナイト』をチューニング!」

ポワンポワン ポワワン

幼馴染「青春の痛みは永劫の傷、その戻らぬ膜を破りて、痴情のセカイに産声を上げよ!」

幼馴染「チンクロ召喚!」パチン

バシュゥゥゥゥン!!

幼馴染「☆7『破瓜負いのエルフ』!」

破瓜負いのエルフ「ヤァーッ!」

 

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:08:31 id:fEDCDQvc
破瓜負いのエルフ ☆7

 

【効果/チンクロ/精子族】

A:2100
D:1800

・このカードは戦闘を行う時に
 A500ポイントアップする

 

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:09:05 id:fEDCDQvc
幼馴染「私はこれでターンエンド……さぁ、全力で掛かって来なさい」

 

男「いいだろう……」

サッ

男「ドロォォォォーーー!!」

男「相手の場にモンスターがいて自分に居ない時、このカードを手札から特殊召喚できる」

ペラッ

男「☆4『こくまろカルピス』!」

パチン

こくまろカルピス「ドプッ」

 

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:09:39 id:fEDCDQvc
男「こくまろカルピスの効果で、手札のHENTAIモンスター1体を特殊召喚する」

 

男「☆4『男根ダイコン』!」

パチン

男根ダイコン「ニョキッ」

 

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:10:14 id:fEDCDQvc
こくまろカルピス ☆4
【効果/HENTAI族】

 

A:1500
D:1400

・このモンスターの召喚に成功した時、
手札からHENTAI族モンスター1体を特殊召喚できる。

■■■■■■■■■■■■■■■■■
男根ダイコン ☆4
【効果/HENTAI族】

???

 

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:10:52 id:fEDCDQvc
幼馴染「☆4モンスターが2体……!」

 

男「俺は『こくまろカルピス』と『男根ダイコン』で」

男「セクロスネットワークを構築……!」

キュゥン キュゥン 

バウウウウウン!!!

男「漢の野望が、鞘の中で果てる時、新たな皮を被り、この世に生を受ける!」

男「セクシーズ召喚ッッ!!」カッ

ゴゴゴゴ

男「現われろォ!!!」

 

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:11:27 id:fEDCDQvc
男「★4! 『亀棒皇ホーケー!』」

 

亀棒皇ホーケー「ホーーーーケェェェ!!」ドン!

幼馴染「出たわね……亀棒皇……」

ゴゴゴゴ

男「亀棒皇ホーケーのモンスター効果!」

男「デッキからHENTAI族モンスター1体を特殊召喚する」

男「俺が召喚するのは☆5! 守備表示で……」

俺「『ドドド童貞』!!」

パチン ムクムク

ドドド童貞「てゐーーっ!」

 

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:12:09 id:fEDCDQvc
亀棒皇ホーケー ☆4×2 (★4)

 

【効果/セクシーズ/HENTAI族】

A:2500
D:2000

(1)このカードのセクシーズ召喚に成功した時、
デッキからHENTAI族モンスター1体を特殊召喚できる。
(2)このカードのセクシーズ素材を1つ取り除き発動できる。
このターン、2回攻撃宣言ができる。
■■■■■■■■■■■■■■■■
ドドド童貞 ☆5

A:1000
D:2600

(1)???
(2)このカードは1体で2体分のセクシーズ素材になる。

 

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:12:43 id:fEDCDQvc
男「バトルだァ!! 『亀棒皇ホーケー』で、『破瓜負いのエルフ』に攻撃!」

 

幼馴染「馬鹿っ? 『破瓜負いのエルフ』は戦闘を行う時にA:500アップするのよ」

破瓜負いのエルフ「ハァァァ!!」

ピロロロン

A:2100 → A:2600

幼馴染「これによりA:2500の『亀棒皇ホーケー』を上回……」

男「届かせるッッ!!!」カンコーン

幼馴染「何ッ!?」

 

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:13:23 id:fEDCDQvc
男「俺は亀棒皇ホーケーのセクシーズ素材を一つ取り除き効果を発動!」

 

男「取り除くのは『男根ダイコン』 これにより1ターンに2回攻撃宣言できるっ!」

幼馴染「だから何なの!? 亀棒皇ホーケーが破壊されるのは覆らな……」

男「男根ダイコンが取り除かれたのが重要かのさ」フッ

幼馴染「!?」

男「セクシーズ素材として取り除かれた『男根ダイコン』の効果発動!」

男「セクシーズ素材となったセクシーズモンスターのAを……」

男「500アップする!!」カンコーン

幼馴染「何ですって!?」

 

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:13:57 id:fEDCDQvc
亀棒皇ホーケー「フシュウウウ……」ムクムク

 

ピロロロン

A:2500 → A:3000

幼馴染「馬鹿な!」

男「破瓜負いのエルフに、攻撃ィ!!」

亀棒皇「ホオオオオオオ!!」

男「『ダンコン・スラッシュ!!』」

ドコオオオオオオン

破瓜のエルフ「ォォォォン!!」パリィン

幼馴染「きゃあああああーーっっ!!」

プルルルン

LP4000 → LP3600

 

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:14:33 id:fEDCDQvc
男「行けェ、ホーケー! ダイレクトアタックゥゥ!!」

 

ドコオオオオオオン

幼馴染「あぁぁぁぁっっ!!」ビリビリ

男「(うわエロっ……)」

幼馴染「…………」ドサッ

プルルルン

LP3600  → LP600

幼馴染「くっ……」ヨロ

 

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:15:05 id:fEDCDQvc
男「ふぅ……カードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

幼馴染「よくも……」

幼馴染「私のターン!」シュバッ

幼馴染「手札から☆3 『クリトリボー』を通常召喚っ!」

パチン

クリトリボー「クリクリー」

幼馴染「続いて私は手札から魔法発動!」

 

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:15:43 id:fEDCDQvc
幼馴染「『リバイバルスペルマー』!」

 

幼馴染「前のターンに戦闘で破壊された精子族モンスターを1体、墓地から特殊召喚するッ!」

男「何だと!?」

幼馴染「私が特殊召喚するのは『破瓜負いのエルフ』!」

ゴゴゴゴ

幼馴染「蘇れ!」

ズカァッ!!

破瓜負いのエルフ「ヤァーッ!」

男「(何をする気だ……)」

 

44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:16:20 id:fEDCDQvc
幼馴染「私は『破瓜負いのエルフ』に」

 

幼馴染「『クリトリボー』をチューニング!!」

男「☆10…………!!」

ポワン ポワワン

ピカァァァ

幼馴染「一度は屈した気高き女貴の戦士よ、新たな力を手に、何者にも絶対屈しぬ名器で、歯向かう者を殲滅せよ!!」

幼馴染「アクセルチンクロ召喚ッッ!!!」

ガカァッ!!

幼馴染「☆10『絶対不屈女翔:プレシス・エルフ』!!」

A:3500 D:3000
プレシス・エルフ「フゥゥゥ…ヤァァァ!!」

 

45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:16:55 id:fEDCDQvc
幼馴染「プレシス・エルフのモンスター効果。墓地の「破瓜負いのエルフ」を除外し……」

 

幼馴染「このターンの間、Aを2倍にする!!!」

ビカァァァ!!

男「なんとォォォォーー!?」

ピロロロロロロロロロ

A:3500 → A:7000
プレシス・エルフ「フゥゥゥゥ……」

A:3000
亀棒皇ホーケー「…………」ガクガクブルブル

幼馴染「これで終わりよ! プレシス・エルフで、亀棒皇に攻撃っ!!」

 

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:17:33 id:fEDCDQvc
クリトリボー ☆3

 

【効果/チューナー/精子族】

A:100
D:900

・このカードは1ターンに2度まで戦闘で破壊されない

■■■■■■■■■■■■■
絶対不屈女翔:プレシス・エルフ ☆10

A:3500
D:3000

・このカードが戦闘を行う時に、墓地の
 精子族のチンクロモンスター1体を除外し発動する
・そのターンの間のみ、Aを2倍にする。

 

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:18:09 id:fEDCDQvc
幼馴染「絶対☆殲滅☆愛液☆バーストァァァ!!!」

 

ドドドガガカァァァァ!!!

幼馴染「ちょうどLPはゼロ……終わりね」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

シュウウウ

男「それはどうかな?」

幼馴染「んなっ……どうしてッ!?!!?」

 

48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:18:44 id:fEDCDQvc
男「俺はトラップカード……「HENTAIライフ・リカバリー」を発動していた」

 

幼馴染「(さっき伏せてたカード……!)」

男「自分が戦闘ダメージを受ける時、墓地のHENTAIモンスターを任意の数除外し、その数×100ポイントを回復する」

男「俺が除外したのはセクシーズ素材として取り除かれ墓地にいた『男根ダイコン』」

幼馴染「チッ……思わぬ伏兵が……」

男「(あっっっぶねェェーーー!)」

LP4000 → LP100

幼馴染「……これでプレシス・エルフのAは元に戻る……」

A:7000 → A:3500

 

49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:19:21 id:fEDCDQvc
幼馴染「亀棒皇が破壊されたあなたに何ができるのかしら? 足掻く事ね……ターンエンド」

 

男「どこまでも足掻いてやる……そしてお前を必ず屈服させてやる!」

男「ドゥロォォォォォォォォーーー!!」

ゴォォォォォ

男「……来たか」

 

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:20:17 id:fEDCDQvc
男「俺は手札から魔法『HENTAI:リンカー・ネイション』を発動する」

 

男「俺は手札の『マーラ・ライオン』と墓地の『HENTAI:ライフリカバリー』を除外し」

男「墓地の種族HENTAIのモンスターセクシーズを1体、効果を無効にして特殊召喚する!」

幼馴染「……っ!」

男「再びおっきせよ、亀棒皇ホーケー!!」

A:2500
亀棒皇ホーケー「ホーーーーケェェェ!!」ドン!

幼馴染「中々やるようだけど……全然Aが届かないわよ?」

A:3500
プレシス・エルフ「…………」

 

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:20:54 id:fEDCDQvc
男「放置プレイを食らってるドドド童貞を忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

ドドド童貞「…………」

幼馴染「(亀棒皇の効果で特殊召喚されていたHENTAI……)」

男「ドドド童貞の効果、発動っ! 自分のモンスターセクシーズの★を一つあげる!」

ドドド童貞「てゐーーっ!」

ミュイイイイ

亀棒皇ホーケー「……ホォォ」

★4 → ★5

幼馴染「ナニか企んでるようだけど……☆と★じゃ……」

男「できる」

幼馴染「えっ!?」

 

52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:21:42 id:fEDCDQvc
男「手札から魔法、『セクロス・セクシーズ』を発動!」

 

幼馴染「それは……っ!」

男「自分は同じ数値の☆と★でセクシーズ召喚ができる」

幼馴染「まっ……さか……!!」

男「さらにドドド童貞は1体で2体分のセクシーズ素材になる」

男「俺は『亀棒皇ハード』と『ドドド童貞』で、クロスセクシーズチェンジ!!!」

キュゥン キュゥン

ズドォォォォォォォン!!

男「早漏でもなく、遅漏でもなく、新たな希望の元に、皮を破りて降臨せよ!!」

男「『亀棒皇ホーケー・プレイ』!!」

 

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:22:16 id:fEDCDQvc
亀棒皇 ホーケー・プレイ

 

☆5×3 (★5)

A:3500
D:2500

(1)???
(2)???

 

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:22:53 id:fEDCDQvc
亀棒皇ホーケー・プレイ「ホオオオオプレイッッ!!」

 

幼馴染「……でも……まだAは互角っ!」

男「そいつはァ……どうかな?」

幼馴染「!?」

男「『亀棒皇ホーケー・プレイ』のモンスター効果!」

男「このカードのセクシーズ素材を任意の数、取り除き……」

ポイン ポイン

男「その取り除いたモンスターのAの数値を自らに加える!!」

幼馴染「何ですって!!?」

 

55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:23:33 id:fEDCDQvc
亀棒皇ホーケー(A:2500)
+
ドドド童貞(A:1000)

 

亀棒皇ホーケー・プレイ「ォォォォォ……!!!」
A:7000

幼馴染「A:7000……!」

男「まだ終わらねぇ!」

幼馴染「!?」

男「自分のライフを半分支払い……!」

LP100 →  LP50

 

56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:24:21 id:fEDCDQvc
男「このターン、Aを2倍にする!」

 

幼馴染「な………………………ッ」

亀棒皇ホーケー・プレイ「クォォォォ!!」ビンビンビン
A:14000

幼馴染「あ……ああ……」

男「いっけぇぇぇぇぇ、ホーケー・プレイィィィ!!!」

亀棒皇ホーケー・プレイ「ホオオオオオオ!!」

 

57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:25:34 id:fEDCDQvc
男「栄光と白濁の……シャイニング・プレイマー!!!」

 

バコォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ ドピュピュピュ

プレシス:エルフ「アアアアアン!!」ビクビクビクーン

幼馴染「きゃあああああっっ…………」

LP600 → LP0

ピィィィィ

ドサッ

 

58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:26:11 id:fEDCDQvc
男「幼馴染ぃぃぃぃぃ!!」

 

タッタッタッタッタッタッ

男「幼馴染っ!」

幼馴染「…………」

男「おい、目ぇ開けろよ!」

幼馴染「…………ぉ………とこ」

男「……っ!」

幼馴染「男……ごめんなさい……」ポロポロ

男「なんでお前が泣くんだよ……」

幼馴染「……私…素直になれなくて……」

男「俺もお前の好意を利用してエロい事させちまって、ゴメンな……」

 

59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:26:45 id:fEDCDQvc
幼馴染「もう……にも……やく……」

 

男「……え?」

幼馴染「もう……どこにも行かないって……約束…して……」

男「当たり前だろ……」

ギュッ

幼馴染「ありがと……大好きぃ……」チュ

男「幼馴染……っ」

二人はいつまでも幸せにズッコンバッコンしましたとさ

おしまい

 

60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 19:27:28 id:fEDCDQvc
急展開になったけど僕はサティスファクションできました
チェーンガバガバだと思うけど遊○王じゃないので関係ないです☆
つーかこれ前戯王

 

幼馴染決闘SS増えろ

駄糞SS読んでくれて感謝感謝ですっ

 

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/28(日) 20:05:26 id:o5QHpS5.

こういうの嫌いじゃないわ!

 

63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/29(月) 00:48:03 id:EwUovDBY
はやくエロ展開

 

はやくしろ!

 

64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/08/29(月) 01:11:17 id:vhcbzqFA
ちょっと待ってなにこれ

 

74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/09/01(木) 01:13:31 ID:UE/5xscQ
パンツ脱いだ後に着けた描写無いから決闘中はフルマn……

 

75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/09/02(金) 21:42:48 id:EpGH1XUQ
前半でおっきしたのにどうしてくれる

 

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/09/03(土) 12:40:58 id:euZV9yP2
なんだこのss…

 

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/09/04(日) 00:20:36 id:eUimsAGk
前戯王 セクシャルモンスターズ

 

元スレ
タイトル:幼馴染「ねぇ、揉んでよ」
URL:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1472220842/l50
掲載サイト:おーぷん2ちゃんねるに投稿されたスレッドの紹介です

男「ついに俺にも彼女ができましたー!」幼馴染「えっ」

1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:17:13.02 id:XZfRSSXLo
幼馴染「……」

 

幼友「……」

幼馴染「……はあ」

幼友「五回目」

幼馴染「え?」

幼友「あんたがこの店に入ってから溜め息をついた回数」

幼馴染「……あ、ごめん」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386429432

 

 

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:17:44.14 id:XZfRSSXLo
幼友「謝らなくていいよ、べつに」

 

幼馴染「……うん」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼馴染「……ふー」

幼友「六回目」

幼馴染「あう」

 

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:18:36.61 id:XZfRSSXLo
幼友「ねえ、わたしたちって友達だよね?」

 

幼馴染「……え? あ、うん」

幼友「わたしが思うに、友達って言うのはさ」

幼友「何か困ったことがあったら相談したり、愚痴きいたり、そういうこともするもんだと思うの」

幼馴染「……? うん。そう、だね。そうかもね」

幼友「わたしが前に彼氏と別れたとき、あんたに泣きながら電話掛けたじゃん」

幼馴染「うん」

 

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:19:08.50 id:XZfRSSXLo
幼友「夜中の三時までずっと一方的に泣きごと聞かせてさ。さすがに申し訳ないことしたなって思ったけど」

 

幼友「あんた、そのことについて、なんにも文句言ってこなかったよね」

幼馴染「……そうだっけ?」

幼友「そうだったの。わたしは悲しみに暮れながら思ったよ。この子はなんて良い子なんだろうって」

幼友「いつかこの子に何かがあったときには全力で助けてやろうって、わたし、そのとき誓ったね」

幼馴染「そうなの? それは、なんていうかその、ありがとう?」

幼友「うん。で、もし差し支えなければ、溜め息の理由をわたしに教えてくれない?」

 

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:19:36.53 id:XZfRSSXLo
幼馴染「……あ、えっと」

 

幼友「べつに言いたくないなら無理しなくてもいいけど」

幼友「誰かに話すと楽になるってこともあるっていうし」

幼馴染「……うん」

幼友「おあつらえ向きに、ここはハンバーガー屋さんですしね」

幼友「さ、心の内を存分にさらけだしてごらん。ポテトでもつまみつつ」

幼馴染「うん。ありがとう。実は、その……」

 

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:20:03.24 id:XZfRSSXLo
幼馴染「その、好きな人にね、彼女ができたみたいで」

 

幼友「あー」

幼馴染「……うん」

幼友「そっか。それは……」

幼友「きついね……」

幼馴染「……」

幼友「……ちょっと待って。結構いろんなパターンの想像してたつもりなんだけど、上手い言葉が出てこないの」

幼友「こういうときどういう言葉を掛けるのが正解なのか分からないの。なんかごめん訊いといて無責任で」

幼馴染「あ、うん。それはべつにいいんだけど」

 

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:20:29.73 id:XZfRSSXLo
幼友「……うわー、そっか、そういうパターンかー。えっと、その」

 

幼友「……ど、どんまい?」

幼馴染「……」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……ごめん。わたし、いつも言われる側だから、何言っていいかわかんなくて」

幼馴染「……うん」

幼友「そっか。……そっかー」

幼馴染「……」

 

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:20:56.33 id:XZfRSSXLo
幼友「……ん。あれ? たしかあんたの好きな人って、あれでしょ。うちのクラスの、なんだっけ」

 

幼友「ワープロ部の幽霊部員のなんとかっていう……」

幼馴染「うん、そう」

幼友「小学生以来ずっとクラスが一緒だっていう?」

幼馴染「うん。あ、幼稚園の頃からだけど」

幼友「……付き合ってたんじゃなかったの?」

幼馴染「なかったんですよこれが……」

 

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:21:24.00 id:XZfRSSXLo
幼友「……そ、そっか」

 

幼馴染「ごめん、コメントしづらい話で……」

幼友「あ、いや。べつにそういうわけじゃ」

幼馴染「ううん。だってわたしの恋心十年単位だもん。そりゃコメントに困るよね」

幼馴染「小学生のころから毎日一緒に登下校して……」

幼馴染「休みの日には一緒に出掛けたり、家で遊んだりして……」

幼馴染「『もしやこれは既に付き合っていると言ってよいのでは?』と思ってたらこれだもん」

幼馴染「……笑っちゃうよね」

幼友「……えーっと」

幼馴染「はあ……」

 

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:21:50.65 id:XZfRSSXLo
幼友「……いつ知ったの? 彼女ができたって」

 

幼馴染「え? ……うーん。春休みの間だったと思うけど」

幼友「様子が変だったのは休みボケじゃなかったわけだ……」

幼馴染「さすがのわたしも世を儚みたくなるってもんですよ」

幼友「……その、元気だしなよ。ほら、男なんて星の数ほどいるんだし」

幼馴染「それ、嫌い」

幼友「え?」

 

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:22:17.75 id:XZfRSSXLo
幼馴染「たしかに男の人はたくさんいるけど、同じ人は二人もいないんだよ? 同じ波はもう来ないんだよ?」

 

幼馴染「この世は椅子取りゲームなの。誰もが欲望のままに限りある資源を奪い合うサバンナなの」

幼馴染「『ま、あれがとれなくてもたくさん余ってるからいっかー』なんて言ってると……」

幼馴染「あっというまに座りたい椅子がなくなっちゃうんだからね?」

幼友「……なんかごめん」

幼馴染「わたしの欲しい椅子、なくなっちゃった……」

幼友「……」

 

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:22:44.49 id:XZfRSSXLo
幼友「……落ち込んでるところ悪いんだけど、ちょっといい?」

 

幼馴染「なに?」

幼友「そこまでハングリーな価値観を持ってたんなら、なんで告白しなかったの?」

幼馴染「……」

幼友「……」

幼馴染「……それ訊いちゃう?」

幼友「……ごめん」

幼馴染「いや、いいんだけど。それはその、なんというか、ちょっとした事情っていうか」

幼友「……事情?」

幼馴染「それがね、小学五年くらいのときの話なんだけどさ……」

 

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:23:11.26 id:XZfRSSXLo
男『俺、おまえのこと好きだ』

 

幼馴染『……え?』

幼馴染『……あっ! その、わ、わたしも……!』

男『でも』

幼馴染『え?』

男『まだおまえには告白しない』

幼馴染『……え、今したよ? したよね?』

男『だって俺にはまだ、おまえを養えるだけの甲斐性がないから』

幼馴染『え? あれっ?』

男『だから俺が一人前の男になったら! そのときおまえにプロポーズする!』

幼馴染『……え?』

 

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:23:39.54 id:XZfRSSXLo
幼馴染「……というやりとりがあって」

 

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……なにそれ?」

幼馴染「……わたしにもよく分からない」

幼友「そりゃそうだろうけど」

 

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:24:06.09 id:XZfRSSXLo
幼馴染「思えば彼は昔から変わってたんですよ」

 

幼馴染「みんながムシキングしてる間に一人でダムダムボーイやってるような男子だったの」

幼友「……単にメダルゲームの方が安上がりだからじゃない?」

幼馴染「たとえ話!」

幼友「で、その発言を真に受けてたわけ?」

幼馴染「真に受けてたってわけじゃないけど、こっちからは言いにくい雰囲気で……」

幼友「で、結局なにごともなかったかのように、あっちは彼女を作っちゃった、と」

幼馴染「……うん」

 

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:24:32.87 id:XZfRSSXLo
幼友「それは、なんというか……」

 

幼友「……ひどいね」

幼馴染「……」

幼馴染「……だよね?」

幼馴染「やっぱりひどいよね? 正直どうかと思うよね?」

幼友「うん」

幼馴染「だよね、そうだよね……。ひどいよね? ひどいよ!」

幼友「あー、おちつけおちつけ。ほれ、ポテト食え」

幼馴染「んむっ……むぐぅ」

 

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:25:10.79 id:XZfRSSXLo
幼友「まー、ひどいね。子供の頃の冗談だとしても、冗談だって言わないぶん悪質っていうか」

 

幼馴染「そう、そこなんだよ。冗談なら冗談だったってちゃんと言ってほしいの」

幼馴染「あんな話をされたらわたしだって、どう反応すればいいかわかんないよ」

幼友「正直そこらへんは『なんかおかしなこと言い出したなー』くらいの反応でよかったと思うけど」

幼馴染「あんな子供の頃の言葉に振り回されて、告白もせずに時間を無駄にすること早数年……」

幼馴染「不思議と涙も出ませんよ……」

幼友「そ、そんなにやさぐれなくても……」

 

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:25:41.95 id:XZfRSSXLo
幼友「つうか、あのワープロ部員のどこがよかったの?」

 

幼馴染「え?」

幼友「べつにバカにするつもりじゃないけどさ。けっこう気になる」

幼馴染「……うーん」

幼馴染「……えっと」

幼馴染「……」

幼馴染「……あっ、優しいところ?」

幼友「ごめん、わたしが悪かった」

幼馴染「ほ、ほんとに優しいよっ?」

 

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:26:09.29 id:XZfRSSXLo
幼馴染「たとえば、えっと……その」

 

幼馴染「アイスとかおごってくれるし!」

幼馴染「……わたしが課題見せたときに、お礼としてだったけど」

幼友「……」

幼馴染「あー、えっと、わたしが転んだときには手をさしのべてくれるし! 絆創膏もくれたし!」

幼友「……」

幼馴染「あとは、その、うーんと……」

幼友「これ以上はよそうか。きっと恋に理由なんていらないんだよ」

幼馴染「本当にやさしいんだってば!」

 

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:26:49.60 id:XZfRSSXLo
幼馴染「……まあ、その優しい彼は今も人の彼氏ってわけですよ」

 

幼友「……」

幼馴染「……なにか言って?」

幼友「あー……ご愁傷さま?」

幼馴染「……実はわたしのこと嫌い?」

幼友「い、いや、そんなつもりじゃなくて……」

幼馴染「悪意はなくとも人は傷つくんだよ!」

幼友「あーもう! わたしが悪かったって!」

幼馴染「……ううん。ごめん。わたしが悪い。八つ当たりしてた」

幼馴染「話聞いてくれて、ありがとう。クミちゃん」

幼友「……いや、わたしも、ごめん。変なことばっかり言って。したっていいよ、八つ当たりくらい」

幼友「でもわたしの名前はクミじゃないから」

 

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:27:36.40 id:XZfRSSXLo

 

友「あのさー、知ってる?」

男「なに?」

友「アメリカのどっかの州ではさ、用事もないのに人を呼び出すと罰金とられるんだって」

男「……へー」

友「……」

男「……それホント?」

友「いや。適当に言った」

男「あ、そ」

友「適当に言った、が……正直罰金でもとりたい気分だな」

男「……」

 

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:28:08.80 id:XZfRSSXLo
友「土曜日の朝っていうのはさ、貴重な時間だと思わん? 一週間の疲れをぐっと癒したいよね。二度寝で」

 

男「二度寝な。大事だよな。二度寝は」

友「大事だよ二度寝は」

友「俺なんて平日も二度寝したいがために、起きなきゃいけない時間の一時間前に目覚ましセットしてるもん」

友「ときどき目覚まし止めちゃって普通の時間に起きちゃうと損した気になるんだよな」

男「……二度寝に生活支配されすぎだろ」

友「まあ、とにかく、二度寝っていうのは大事だよなって話よ。俺がしたいのは」

友「で、だ」

友「その土曜日の貴重な睡眠時間を俺から奪った奴がいるよな? この場に一人」

男「……」

 

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:28:44.27 id:XZfRSSXLo
友「おまえから呼び出されるなんてめったにないから、何か大事な話でもあるんだと思ったよ」

 

友「でもおまえは一向に話を始めないし、なぜか俺たちはおまえの部屋で初代スマブラやってるし」

友「なんなん? 俺の眠気どっかいっちゃったけど責任とってくれんの? あとモンスターボールやめてくんない?」

男「眠くなくなったんならいいだろ」

友「わかんねーかな。眠いときに眠れるっていうのは、気持ちいいんだよ! 土曜日の楽しみなの! それが!」

男「いや、分かるけどさ……」

友「いやおまえ分かってねーよ、っと、あっ、おっ、たっ、うあああ!」

男「おまえマジ下手な」

友「カービィ使って強者気取ってんじゃねえよ。あーちくしょう。スノボキッズやろうぜ」

 

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:29:10.52 id:XZfRSSXLo
友「で?」

 

男「……で、とは?」

友「話があるんだろ? ていうかなかったら殴るけど」

男「あー……」

友「なに。なんか悩み事?」

男「いや、それが、まあ」

友「どうした。振られた?」

男「……」

友「お、振られた? 振られたんか? ん? ちょっと話してみ?」

男「なんで嬉しそうなんだよおまえは」

 

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:29:38.66 id:XZfRSSXLo
男「まあ、振られたっていうか……」

 

友「うん。うん」

男「……」

友「はよ話せや」

男「……口きいてもらえなくなった」

友「ヘイ! イエイ!」

男「……」

友「きゃっほう!」

男「殴るぞおまえ」

友「やんのかおら。こいやこいや。へいへい。カモーン?」

 

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:30:05.47 id:XZfRSSXLo
男「なんでおまえはそんなに嬉しそうなんだよ。ホントに」

 

友「あのねえ。俺とおまえ、結構長い付き合いじゃん?」

男「……」

友「じゃん?」

男「……まあな」

友「なのに、おまえだけ彼女できたじゃん?」

男「……」

友「じゃん?」

男「早く最後まで話せよ」

 

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:30:33.06 id:XZfRSSXLo
友「おまえが嫁さんとイチャイチャしてた姿を、俺は横目で眺めてたわけじゃん?」

 

男「……まあ、そうなる、のか?」

友「一緒に帰ったり、土日に映画観に行ったりね、放課後暗くなるまで教室で雑談してたりさ」

男「……」

友「正直死ねよって思うじゃん? 普通」

男「こえーよおまえ……」

友「むしろ感謝しろよ」

男「なにに?」

 

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:30:59.57 id:XZfRSSXLo
友「ここが日本であることにだよ」

 

友「アメリカのどっかの州だとあれだから。人前でイチャイチャすると最大三十日間拘留されるから」

男「適当なこと言うなよ」

友「ん? あー、うん」

男「……」

友「……ん? いや。マジだよ? 拘留」

男「えっ」

友「まじまじ。トゥルース。ネットでみたもん」

男「……怪しいな、おい」

友「とりあえず今年のクリスマスまでに署名集めてその法律日本でもつくる運動始めようと思ってるんだよね」

男「先に彼女作れよ」

友「あー……。死ね」

 

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 00:31:38.96 id:XZfRSSXLo
つづく

 

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:28:18.76 id:XZfRSSXLo
友「んで、なんで口きいてもらえなくなったわけ?」

 

男「真剣に相談に乗ってくれる気になったか?」

友「いや。どういうのが駄目なのか、自分のときに参考にするから」

男「……揺るぎねえよな、おまえ」

友「一本筋の通った男だからな。で、なんで?」

男「……」

友「心当たりないの?」

男「いや、あるにはあるけど……」

友「なんだよ」

 

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:28:44.84 id:XZfRSSXLo
男「つまり、春だったろ?」

 

友「……なにが?」

男「季節がさ」

友「……うん。まあ、春だったっていうか、ナウ、春だな。春イング」

男「さっきからなんでところどころ英語混ぜてんの?」

友「ちげーし。英語じゃねーし。俺が独自に開発したイング語だし。何言ってんのおまえ」

男「まあ、四月だったんだよ。口聞いてもらえなくなった日がさ」

友「へー」

 

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:29:10.53 id:XZfRSSXLo
男「四月一日だったんだよ。何の日か知ってる?」

 

友「衣替えだろ」

男「エイプリルフールだったんだよ」

友「あー、そういう見方もあるな」

男「嘘をついたんだよ」

友「え、なんで?」

男「……エイプリルフールだったから?」

友「イベントごとに乗せられやすい男ってどうよ?」

男「……クリスマスプレゼントとお年玉の前で同じこと言ってみろよ。あ?」

友「もうそんな年でもなかろうよ。おぼっちゃまめ」

 

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:30:01.68 id:XZfRSSXLo
友「んで、どんな嘘だったのよ」

 

男「いや、それが、うーん……」

友「帰るわ」

男「『彼女できた』って」

友「……」

男「……」

友「……」

友「は?」

 

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:30:36.63 id:XZfRSSXLo
友「待った待ったタイムタイム」

 

友「ちょっと待って。あのさ、口きいてくれなくなったのってあの子だろ? 認識あってるよな?」

男「あの子がどの子かは知らんが……」

友「だからおまえと一緒に帰ったり一緒に出掛けたり手繋いだりしてた子のことだよ。言わせんな殺すぞ」

男「理不尽だろ。それで合ってると思うけど手は繋いだことない」

友「どうでもいいわ。で、その子に、彼女ができたって言ったって?」

男「……うん」

友「……あのさ、すごい基本的なこと訊いていい?」

男「おう」

友「おまえ、あの子と付き合ってたんじゃねーの?」

男「……いや?」

 

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:31:03.40 id:XZfRSSXLo
友「は……」

 

友「……」

友「はあ?」

友「はああああ?」

男「怖いからその顔やめてくんねえ?」

友「えっ」

友「えっ。な、は、あえ? じゃああれなの。おまえ付き合ってもない子を家に呼んで晩ごはんつくってもらってたの」

男「……いや、まあ、そうなるけど」

 

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:31:29.72 id:XZfRSSXLo
友「彼女でもない子と『今日晩御飯何が良い?』『ハンバーグ』って会話してたの?」

 

男「……」

友「なにそれ……」

男「……」

友「おまえそれアメリカだったら死刑だよ……。ほんとここが日本でよかったよ。命あることに感謝しろよおまえ……」

男「……まあ、とにかく、そいつで合ってる」

友「マジかよ……。図々しい奴だな、おまえ……」

男「……」

 

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:31:59.88 id:XZfRSSXLo
友「で、なんでそんな嘘ついたん?」

 

男「……いや、なんていうか、いろいろと事情が重なってたんだけど」

男「まあ、とにかく、その嘘をついてから避けられてるっていうか……」

友「どんなふうに?」

男「朝家に迎えにこなくなったし……」

男「土日も家に来なくなったし……」

男「話しかけても用事があるって言って逃げてくし……」

男「もうどうすればいいのやら……」

友「いろいろ言いたいことはあるが……」

友「とりあえずそれは俺にとってはごく当たり前の日常だ」

 

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:32:26.41 id:XZfRSSXLo
男「あーあ……なんであんな嘘ついちゃったんだろう」

 

友「おまえにわかんなかったら俺にもわかんないけどな」

男「魔が差したんだよ。エイプリルフールだったし。エイプリルフールが悪い。考えた奴死ね」

友「いや、悪いのはおまえだと思うよ」

男「知ってるよ。なんで急に冷静になるんだよおまえ」

友「ほら、ミステリアスなクールさが売りだから」

男「意味分からんし」

 

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:32:52.46 id:XZfRSSXLo
友「まあ、あれな。今までが奇跡みたいなもんだったって思っとけよ」

 

友「普通に考えてまともじゃないって。あんな可愛い子があんなに尽くしてくれるなんてさ」

友「良い思いしたなーって思って納得しとけ。な? じゃないと早死にするぜ」

男「おまえ実は俺のこと嫌いだろ」

友「女にモテる奴はだいたい嫌いだよ」

男「……」

友「……」

男「……俺もだよ」

友「とりあえずおまえは死ね」

 

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:33:19.58 id:XZfRSSXLo
男「なんで?」

 

友「あのさあ……」

友「あの美少女がだよ? おまえを毎朝起こしたりさ、晩飯作ってくれたりさ……」

友「一緒に出掛けたり遊んだりするんだよ? これに恋愛感情がなかったら変じゃね?」

男「……」

友「昔からの付き合いって言ったって、おまえのこと好きじゃなかったらそこまでするわけないじゃん?」

男「……」

男「……」

男「……だよな?」

友「あ?」

 

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:33:45.64 id:XZfRSSXLo
男「いや、俺も思ってたんだよ。あいつ絶対俺のこと好きだろって」

 

友「……へー、あ、そう」

男「こないだ親いないときに晩飯作りに来てくれたんだけどさ……」

友「そいつはすごいな」

男「まだ何も言ってねえよ」

友「その段階で俺からしたら異次元の話だってことだよバカ野郎」

男「……」

友「……」

友「どうぞ続けてくれたまえ」

 

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:34:32.68 id:XZfRSSXLo
男「そのとき、帰り際に玄関まで送ろうとしたら廊下で転んじゃってさ」

 

友「はあ」

男「滑って押し倒しちゃって」

友「うん」

男「胸触っちゃったんだよ。事故」

友「もっと正確に言うと?」

男「……揉んだ」

友「何秒?」

男「……十五秒くらい」

友「あー」

友「五秒ならなー。五秒なら禁固刑で済んだんだけどなー」

友「十五秒はどう考えても下心あるだろ。死刑」

男「……」

 

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:34:58.87 id:XZfRSSXLo
友「で、揉んだわけだ。むにゅっと」

 

男「むにゅっというより……」

友「言うより?」

男「くにゅ、というか……」

友「……」

男「……」

男「今のは忘れてくれ」

友「覚えているともさ」

 

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:35:25.25 id:XZfRSSXLo
友「で、揉んでどうなった?」

 

男「……」

友「はやく」

男「……いや、たっぷり十五秒そのままの姿勢で見つめ合ってだな」

友「その間おまえの指先は動き続けてたわけな?」

男「不思議だよな……。指だけ別の生き物みたいだったよ」

友「不思議じゃねーよ。おまえの性欲が強いだけの話だわ」

男「んで、まずいと思ってさすがに立ち上がって謝ったわけ」

友「たっぷり十五秒堪能してからか」

男「おまえ今日棘あるぞ」

友「この程度で済んでることに感謝しろよ」

 

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 12:35:51.56 id:XZfRSSXLo
友「んで、したらなんて言われたの?」

 

男「……」

男「……それが……」

友「無駄にもったいぶんのやめてくんねーかな」

男「『べつにいいよ。いやじゃなかったし』って」

友「あー」

男「……」

友「頬を赤らめつつ?」

男「うん」

友「言い終えたあとに『……って、何言ってるんだろ、あたし』って言いつつ?」

男「そこまでわざとらしくはなかったが、照れくさそうにはしてたな」

友「とりあえずおまえが死ねば全部解決だってことは分かった」

 

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:04:38.97 id:XZfRSSXLo
男「まあ、そんなことがあったわけだよ。言いたいこと分かる?」

 

友「あ?」

男「つまり……あいつってどう考えても俺のこと好きじゃね?」

友「……」

男「……」

友「……」

友「……おまえ死んだら?」

男「真面目な話をしてるんだ」

友「真面目にそんなこと言うから殺意が湧くんだよ」

 

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:05:06.14 id:XZfRSSXLo
友「まあ、そうな。てっきり俺も付き合ってると思ってたし」

 

友「好かれてるんじゃねーの?」

男「なげやりだな……」

友「なげやりにもなるわ」

男「うん。まあ、俺もそう思ったわけだよ。で、ちょっとね、牽制みたいな意味を込めてね」

友「うっとうしい奴だな。告白しろよ」

男「……勘違いだったら恥ずかしいじゃん?」

友「……」

男「……」

友「バカかおまえ」

男「……まあ、わりと」

 

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:05:32.67 id:XZfRSSXLo
友「え、つまりなに? じゃああれか。意識してくれてるかどうかを確認するために嘘ついたの?」

 

男「……」

友「バッカじゃないの?」

男「……」

友「バッカじゃないの?」

男「なんで裏声で言うわけ?」

友「ツンデレっぽくね?」

男「いや、べつに」

友「あ、そう? 会心の出来だと思ったんだけど」

 

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:05:59.69 id:XZfRSSXLo
友「つまりあれだ。おまえの予定では、彼女できたって言えば何か反応があるんじゃないかと思ったわけだな」

 

男「そうそう」

友「なんですぐに嘘だったって言わなかったんだよ」

男「いや、言ったんだよ」

友「は?」

男「言ったの。嘘だって。ちゃんと。すぐに」

友「『なーんてな!』って?」

男「いや、嘘だよって」

友「あ、そう。で、なんて言われたの?」

男「それが、なんていうか……」

 

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:06:26.80 id:XZfRSSXLo
男「こう、こっちの声が耳に入らなくなったみたいでさ……」

 

友「……?」

男「『……うん、分かってる。うん。大丈夫、大丈夫だから……』と空ろな瞳でうわごとのように何度も繰り返していた」

友「あー」

友「うーん」

友「そうな」

友「おまえが悪い」

男「……だよな」

 

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:07:22.34 id:XZfRSSXLo
男「それ以来何回話しかけても避けられるし、説明する機会もないし……」

 

男「時間が経てば経つほど嘘だったとは言いにくい雰囲気になってきたし……」

友「臆病者にはふさわしい結末だな」

男「リングにあがらず野次だけ飛ばすってお前みたいなやつにふさわしい言葉だよな」

友「まあ、そういう自負はあるよ」

男「持つなよそんな自負」

男「とにかく……そんなふうになってしまっているんだよ、今。ナウ」

友「俺のナウ語パクってんじゃねーよ」

男「さっきと名前変わってね?」

 

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:07:51.51 id:XZfRSSXLo
男「……」

 

友「あー……」

男「……」

友「……ドンマイっ!」

男「……」

友「……」

男「嬉しそうな顔しやがって。おまえ慰める気ないだろ」

友「あるわけねーだろバーカ」

 

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:08:34.68 id:XZfRSSXLo
男「どうすりゃいいんだよ。話しかけても逃げられるし……」

 

友「喉乾いたな。ちょっと飲み物とってきていい?」

男「話聞けよ。あと人んちの冷蔵庫勝手に漁ろうとすんな」

友「俺とおまえの仲じゃん」

男「良い笑顔しやがって……」

友「おー、オランジーナあるじゃん。もらっていい?」

男「え?」

友「オランジーナ。これ。あ、飲みかけか……」

男「あー、それアイツが忘れてった奴だ」

友「……え」

男「……?」

 

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:09:12.43 id:XZfRSSXLo
友「いや、なんつーかさ」

 

友「話で聞く分にはいくら聞いてもある程度ダメージ量に限界があるんだけど……」

友「実際に女の影が生活に食い込んでるのを見るとすさまじくダメージ食らうわ」

男「……」

友「……ちょっと口付けて間接キスしてみていい?」

男「あー」

友「……」

男「殺すぞ」

友「……」

友「……ご、ごめんなさい」

 

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:09:42.12 id:XZfRSSXLo
男「最後に来たのが一日だから……もう二週間前の奴だな」

 

友「ペットボトルのふちに賞味期限はないぜ?」

男「死なすぞ」

友「じゃあおまえがやったら?」

男「……」

友「……」

男「……」

友「おーい?」

男「……おまえの発想が気持ち悪い」

友「心に響くシンプルな罵倒だなあ」

 

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:10:10.27 id:XZfRSSXLo
友「つーかさ。おまえも間接チューすら阻止したいほど好きなら告白しとけばよかったじゃん。素直に」

 

男「まー、それもなんていうかさ……」

友「なに?」

男「実は、小学五年くらいの頃にさ、一回告白したことあるんだよ、俺」

友「へえー」

男「まあ、そのときのあれが……」

友「……」

男「……なんていうか、黒歴史なんだよ。未だに思い出しては足をバタバタさせてもだえてる」

友「よくわからんが、おまえが深い業を背負っていることは分かった」

 

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:10:36.80 id:XZfRSSXLo
男「あんなこと言っといて今更ふつうに告白とか恥ずかしいっていうか……」

 

男「昔のことだから忘れてるかもしれないけど、でも小学五年生って微妙なとこじゃん」

友「まあ……たしかに」

男「あれを未だに覚えられていると思うと引きこもりたくなる」

友「そこまで言われると俄然興味が湧いて来るな」

男「きさまには教えん」

友「ちっ。くだらねえところで意地を張る奴だ」

 

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:11:06.96 id:XZfRSSXLo
友「そういや、電話はかけてみたのか?」

 

男「電話?」

友「普通に話しかけても避けられてるっていうのは分かったけど、電話は?」

男「……試してないな。そういえば」

友「……」

男「……」

友「おまえってバカだよな?」

男「うるせー」

 

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:11:39.70 id:XZfRSSXLo
友「じゃあ掛けてみればいいじゃん。電話」

 

男「今?」

友「今。ちょうど土曜の昼時だし。のど自慢やってるし」

男「んー……」

友「駄目なの?」

男「いや、なんか怖い」

友「……」

男「……」

友「なんかすげーやる気なくなってきたわ……」

 

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:12:05.93 id:XZfRSSXLo
友「いいよじゃあ。おまえもう一生ぐだぐだやってろよ」

 

男「なんだよ、急に」

友「あの子のことは俺に任せとけ? な? 傷心のところに優しく声を掛けてきてやるよ」

友「おまえのことを思い出して落ち込むことなんてなくなるだろうさ」

友「あの子のハート、ガッツリキャッチしといてやるよ」

友「だから心配するな、な?」

男「……なんでだろうな。おまえに煽られてもまったく不安にならないのは」

友「殴るぞおまえ」

 

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:13:06.83 id:XZfRSSXLo
男「じゃあちょっと掛けてみるわ」

 

友「おう。ハリアップ」

友「上手く行くように祈祷しといてやるよ」

男「おう。じゃあ掛けるわ」

友「横で聞いてていい?」

男「駄目。……コールしてる」

友「……」

男「……」

男「おい、おまっ、いきなり人んちのクイックルワイパー振り回すのやめてくんない? 何考えてんの?」

友「いや、祈祷だけど」

男「ばかじゃねえのおまえ」

 

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/08(日) 20:13:33.64 id:XZfRSSXLo
友「……出た?」

 

男「……でない」

友「……」

男「……」

友「……」

男「あ……」

友「……!!」

男「……留守電」

友「……」

男「……」

友「ちゃんと祈ったぜ?」

男「……そこは心配してねーよ」

 

79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:16:19.42 ID:7B+0equvo

 

幼馴染「……これからわたし、どうすればいいんだろう」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……男なんて、星の数ほどいるよ」

幼馴染「……」

幼友「……ごめん。でもほかに言えることがなにもないの」

幼馴染「……うん。そうだよね」

 

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:16:46.11 ID:7B+0equvo
幼馴染「こうなったらもういいや。わたしだって彼氏つくっていちゃいちゃするもん」

 

幼友「それもいいかもね」

幼馴染「……」

幼友「……」

幼馴染「……男子の知り合いがいない」

幼友「交友関係狭いもんね」

幼馴染「あーもう。なんでこんなことになっちゃったんだろ……」

幼馴染「こんなことになるって分かってたら、さっさと告白わっひゃうっ!」

幼友「えっ」

 

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:17:14.82 ID:7B+0equvo
幼馴染「あっ、携帯か、携帯が鳴っただけか。鳴っただけでした。ごめん変な声出して」

 

幼友「どうして携帯が鳴っただけでそんな声が出るのか分かんないんだけど」

幼馴染「ええっと。誰だろ。誰だ?」

幼馴染「おう……」

幼友「噂の彼?」

幼馴染「ご明察……」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……でないの?」

幼馴染「……出るよ、うん。出る出る」

 

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:17:41.89 ID:7B+0equvo
幼友「……」

 

幼馴染「……」

幼友「……ねえ」

幼馴染「出る。出るって……」

幼友「……」

幼馴染「あっ」

幼友「……結局」

幼友「結局出ないのかよ!」

幼馴染「だって怖いんだもん!」

 

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:18:08.34 ID:7B+0equvo
幼友「え、怖いってなに? 怖いってどういうこと?」

 

幼馴染「だって……わたし今まで何してきたと思う?」

幼友「え?」

幼馴染「晩ごはん一緒に食べたり一緒に遊んだりしてたんだよ?」

幼馴染「映画を一緒に観にいっては『これひょっとしてデートなのでは?』とか思ってたんだよ?」

幼馴染「もう実質付き合ってるようなもんでしょって勝手に思い込んでたんだよ?」

幼馴染「そういうのが全部勘違いだったっていうだけでもう……」

幼馴染「……穴があったら入りたい」

幼友「……心中お察しするけど」

 

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:18:35.37 ID:7B+0equvo
幼馴染「そんな勘違い女道を激走してきたわたしがだよ?」

 

幼馴染「いまさら平常通りに会話するとか……」

幼馴染「無理!」

幼友「自虐的だなあ。あっちはたぶんそんなに気にしてないよ」

幼馴染「こっちが気にしてるの!」

幼友「面倒な奴」

幼馴染「……ひどいー」

幼友「べつに悪いことしてないんだから、堂々としてればいいのに」

幼馴染「そうはいっても……」

 

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:19:09.20 ID:7B+0equvo
幼馴染「……でも、電話よこすなんて珍しいな」

 

幼友「ん?」

幼馴染「掛けてきたこと、ほとんどないんだよ、電話。いつもメールだし」

幼友「……」

幼馴染「……何かあったのかな?」

幼友「彼女と別れたとか?」

幼馴染「……そういうんじゃなくて、家の誰かになにかあったとか」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「なんで家の誰かに何かあったからってあんたに電話すんの? 嫁なの?」

幼馴染「……」

幼馴染「……だ、だよねー。勘違いも甚だしいよねー」

 

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:19:39.29 ID:7B+0equvo
幼友「じゃあ彼女と別れたんじゃない?」

 

幼馴染「いや……」

幼馴染「いやいやいや」

幼馴染「それっておかしいでしょ。おかしいでしょ、ねえ?」

幼馴染「彼女と別れたからってわたしに連絡よこすってそれこそおかしいでしょ?」

幼友「ごめん。わたしが悪かった。動揺させるようなこと言って悪かったから」

幼馴染「半端な期待持たせるようなこと言わないでよ!」

幼友「悪かったってば!」

 

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:20:29.11 ID:7B+0equvo
幼馴染「あー、気になる……けど、掛け直したくない」

 

幼友「……」

幼馴染「……まあいいや。あとで考えよう」

幼友「……いいのか」

幼馴染「わっひゃうっ!」

幼友「えっ」

幼馴染「お、あっ、今度はメールだ」

幼友「動物の鳴き真似かと思ったよ。わっひゃうってなんだよ。メール来るたびに大変だな」

幼馴染「……」

幼友「彼から?」

幼馴染「……そうみたい」

 

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:20:57.72 ID:7B+0equvo
幼馴染「ねえクミちゃん」

 

幼友「クミじゃないけど、なに?」

幼馴染「わたしの代わりに読んで?」

幼友「いいの? 読んでも」

幼馴染「怖くて読めない。彼女とののろけ話だったらと思うと……」

幼友「じゃあ読む」

幼馴染「……」

幼友「えーっと……」

 

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:21:25.36 ID:7B+0equvo
幼友「……」

 

幼馴染「……」

幼友「……」

幼馴染「……?」

幼友「……うわあ」

幼馴染「えっ?」

幼友「……読む?」

幼馴染「見せないで! 読み上げて!」

幼友「繊細なやつ」

幼友「えーっと……」

幼馴染「うん」

 

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:22:06.19 ID:7B+0equvo
幼友「『アイタイ イマカラ シスラナ テ ハイ』」

 

幼馴染「え?」

幼友「……」

幼馴染「……ん?」

幼友「さむっ」

幼馴染「……?」

幼友「つーかパクリ……」

幼馴染「しすらなってなに?」

幼友「あれ、知らない?」

幼馴染「……うん」

 

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:22:34.37 ID:7B+0equvo
幼馴染「えっと、会いたいってこと、なのかな?」

 

幼友「どうなんだろうね……。とりあえず返信したら?」

幼馴染「しすらなってなんなのか訊いてみよう」

幼友「やめてあげなよ。たぶん今頃頭抱えて悶えてるよ、彼」

幼馴染「……?」

幼友「……うーん」

幼馴染「どうしよう……あっ、またメール」

幼友「お、今度は鳴き声出さなかったな」

幼馴染「手に持ってたからね」

幼友「……あんた普段どこに携帯入れてんの?」

 

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 11:23:36.74 ID:7B+0equvo
幼馴染「えーっと……」

 

幼友「なんて書いてあった?」

幼馴染「……」

幼馴染「……『となきらのなとなのに』」

幼友「は?」

幼馴染「……となきらのなとなのに」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……悪いこと言わないから、彼のことは諦めな?」

幼馴染「……わたしもそうしたほうがいい気がしてきた」

 

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:16:57.72 ID:7B+0equvo
幼馴染「……あ、またメールだ」

 

幼友「三連でメールって普通にうざいね」

幼馴染「普段は事務連絡すらろくによこさないのに」

幼友「へー」

幼馴染「帰りになにか買ってきてとか、そんなんばっかりだよ、普段は」

幼友「……へー」

幼馴染「……なに?」

幼友「通い妻だよね、それ」

幼馴染「……なんかやだ、その言い方」

 

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:17:24.32 ID:7B+0equvo

 

男「とりあえず正座な」

友「ウッス」

男「クイックルワイパー振り回したことは許すよ」

男「そういうことする奴だしな。昔から。人んちで使い捨てカイロの中身ぶちまけて検証しはじめたり」

友「ウッス」

男「エアガンで庭の木撃ったりさ。まあそういうことやる奴だったし」

友「ウッス」

男「でも人の携帯で勝手にメールすんのは違わねえ?」

友「……ウッス。反省してマス」

 

98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:17:58.89 ID:7B+0equvo
男「つーか何?」

 

男「内容もなにこれ?」

友「名作ッス」

男「うん。名作だよな」

男「でもなにこれ?」

友「……いつか、使ってみたかったんス」

男「自分のときにとっとけよ」

友「や、頭おかしいって思われるじゃないスか」

男「……」

友「……」

男「だよな?」

友「ウッス」

 

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:18:36.73 ID:7B+0equvo
男「で、二通目は、なにこれ?」

 

友「あ、それは……」

男「なに?」

友「金田一少年の七不思議のエピソードで使われてた暗号ッス」

男「ん? あ、あー。血吸い貝に砂って奴?」

友「先輩キャラがエロくて好きだったッス」

男「ふーん。あ、ひらがな入力ってことね?」

友「ウッス」

男「携帯で?」

友「……ウッス」

 

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:19:06.03 ID:7B+0equvo
男「おまえさ……」

 

男「人がトイレ行ってた隙になにやってくれてんの?」

友「や、携帯はちゃんと携帯しないと危ないよっていう教訓を広めたくて……」

男「……」

友「……」

友「……」

友「正直すまんかった」

 

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:19:37.98 ID:7B+0equvo
男「これ俺怒っていいとこだよね、ホント」

 

友「ウッス」

男「それやめて」

友「はい」

男「……あー」

友「……」

男「あー。マジかよ。あー。……えー? あー。あー」

友「……」

 

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:20:04.84 ID:7B+0equvo
男「おまえ、マジ……えー?」

 

友「……」

男「……ひくわー」

友「……」

男「ないわー……」

友「……悪かったって」

男「ホントおまえ……えー? ……えー?」

友「……」

 

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:20:51.16 ID:7B+0equvo
友「だって、まどろっこしいんだもん、おまえら」

 

男「……あ?」

友「どう考えても好きあってるくせにぐだぐだぐだぐだ……こっちはいい迷惑なんだよ」

友「見せつけたいなら他をあたってくれよ!」

友「俺には日常的に会話してくれるような女子だっていねーよ!」

友「俺の携帯の着信履歴見るか? あ? 母親ばっかりだぞボケが!」

男「……おまえ」

男「……何も泣くことないだろ」

友「うるせえ!」

男「居直ってんじゃねえよ、訴えるぞ」

友「……」

友「すまん」

 

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:21:30.75 ID:7B+0equvo
男「まあ、たしかに俺ももっとおまえに気を使うべきだったかもしれないな」

 

友「やめろ。気を使われるとそれはそれで憐れまれてる感じがしてむかつく」

男「どうしろっていうんだ」

友「どんどん相談してくれ。俺もどんどんイライラしてどんどん嫌がらせするから」

男「そして俺はどんどん報復すればいいわけだな?」

友「わかってるじゃないか」

男「おまえとの関係を見直したくなってきた」

 

105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/09(月) 23:22:04.72 ID:7B+0equvo
男「まあ、こうなっちまったもんは仕方ないな」

 

友「ついに、動かれるのですか」

男「とりあえず、意味不明のメールを送ったことを謝らないとな」

友「メールなら読んでもらえるだろうしな」

男「そうな。言いたいことあったんなら、メールで伝えればよかったんだよな」

男「どうしてこんな単純なことに気付かなかったんだろう」

友「メールって伝言にはいいよな。返信くるとは限らないけど」

男「……」

友「……ん?」

男「そうだよ、返信来ないかもっていうのが怖かったんだよ、嫌なこと思い出させやがって……」

友「男でそこまでビビりって普通に気持ち悪いよ」

 

115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:37:52.66 ID:7aiWBN0Ko

 

幼友「なんてメール?」

幼馴染「えっと……」

幼馴染「……」

幼友「……なに?」

幼馴染「これから会えないかって」

幼友「ふーん。今度はまともなメールか」

幼馴染「さっきまでのメールは天狗の仕業なんだって」

幼友「……あ、そう」

幼馴染「……」

幼友「まあ、天狗なら仕方ないね」

幼馴染「……だ、だよね」

 

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:38:19.47 ID:7aiWBN0Ko
幼馴染「なんて返そう……」

 

幼友「え、返すの?」

幼馴染「え?」

幼友「……返すならべつにいいと思うけど」

幼友「さっきまでの反応を見るに、てっきり返さないのかと」

幼馴染「……」

幼馴染「あ、そうだった。意味不明なメールのせいですっかり頭から抜けてた」

幼友「……ゆるいなあ」

幼馴染「……でも、いいかげん避けてる場合でもないのかも」

幼友「会うの?」

幼馴染「どうしよう」

 

117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:38:46.30 ID:7aiWBN0Ko
幼友「……」

 

幼馴染「……ね、どうすればいいのかな?」

幼友「……」

幼友「あのさ……」

幼馴染「え?」

幼友「背中押してほしいの?」

幼馴染「え、な、なにそれ。そんなことないよ」

幼友「あ、そう? なんか背中押してほしいのかなって思っちゃった」

幼馴染「や、やだなあ。べつに自分ことくらい自分で決められるよ、うん」

幼馴染「うん。大丈夫」

幼友「……」

 

118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:39:17.47 ID:7aiWBN0Ko
幼馴染「……」

 

幼友「……」

幼馴染「……えっと……」

幼友「……」

幼馴染「……」

幼友「……」

幼馴染「そ、そんな目で見ないでよ!」

幼友「えっ? あ、ごめん、べつにそういうんじゃなくて! 単に珍しい立場だなって思ってぼーっとしただけ!」

幼馴染「……うう」

 

119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:39:54.24 ID:7aiWBN0Ko
幼友「……どうしても気になるんだったら、会ってみたら?」

 

幼馴染「でも……」

幼友「相手は彼女できたって言ってたんでしょ? だったらもう失うものなんてないじゃん」

幼馴染「ぐさっと言うなあ」

幼友「事実は事実として受け止めておいた方が楽だよ」

幼馴染「そうかもしれないけど」

幼友「会うだけだって思えばいいでしょ?」

幼馴染「……でも、会えないか、って言ってきてるんだよ?」

幼友「うん」

幼馴染「なにか話があるっぽいよね?」

 

120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:40:42.69 ID:7aiWBN0Ko
幼友「それにしても、電話に出なかったのに「これから」って、変な話だよね」

 

幼馴染「え?」

幼友「いや、電話に出なかったら、用事があるのかもって思うでしょ、普通」

幼友「それなのに『これから会えないか』って、よっぽど切羽詰まってるんじゃない?」

幼馴染「……」

幼友「もしくは、本当に急用とか」

幼馴染「……」

幼友「まあ、思いつきだけどさ」

 

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:41:30.60 ID:7aiWBN0Ko
幼馴染「……ごめん、今日はもう帰ってもいいかな?」

 

幼友「ん? いいよ。ちょうどお昼だし」

幼馴染「今度埋め合わせするね」

幼友「いいよべつに。こっちが埋め合わせしてるようなもんだったんだからさ」

幼友「持ちつ持たれつだよ」

幼馴染「ありがとう」

幼友「うん。まあ、がんばってね」

 

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:41:59.70 ID:7aiWBN0Ko

 

幼馴染「……」

幼妹「ねーおにいちゃん、わたしね、大人になったらおにいちゃんと結婚したい」

男「小学五年生にもなって何言ってんだおまえは」

幼妹「何歳になってもいうもん」

男「はいはい。十年後も同じこと言えたら結婚してやるよ」

幼妹「五年前も同じこと言ってた!」

男「じゃあ五年後だな」

幼妹「わたしは真剣に言ってるんだけど!」

幼馴染「……」

幼馴染「……あれっ?」

 

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:42:29.75 ID:7aiWBN0Ko
幼馴染「えーっと……」

 

幼妹「あ、おにいちゃん、ここ。こっちこなきゃ。壁の上」

男「え? 行き止まりだろ」

幼妹「猫になればのぼれるだってさっきも教えたでしょ」

男「えー? あ、ホントだ。ふーん。3Dになるとよくわかんないな」

幼妹「ウサギはダッシュすれば捕まえられるよ」

男「え、ダッシュってどこ?」

幼妹「Yボタン長押し。そうそう」

幼馴染「……あの、ちょっといい?」

幼妹「あ、ほら、あのキノコ追いかけて!」

男「ちょっと待ってて。え、あれ毒キノコじゃないの?」

幼妹「ちがうよ、大きくなるやつ。おにいちゃん下手だなあ」

男「最近のゲームはよくわかんねえ。もう歳だな。あっ、落ちた」

幼馴染「……」

 

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/11(水) 16:43:04.83 ID:7aiWBN0Ko
幼馴染「……なんでうちにいるの?」

 

男「あー、いや。おまえから返信来た後、電話掛けようと思ったんだよ。その方話早いし」

男「でも間違って自宅の方の番号に掛けちゃってさ」

男「そしたらおばさんが取りに来てほしいものあるっていうから」

幼馴染「……どうりで返信が「おまえんちにいるから」だったわけだ」

男「悪いとは思ったんだけど」

幼馴染「ううん。べつにいいの。うちの母親人の話聞かないし」

幼馴染「で……なんでその子が膝の上にいるの?」

幼妹「ほら、おにいちゃん、早くやろうよ」

男「えー、おまえひとりでやれよ」

幼妹「だっていつもひとりでやってるんだもん。お姉ちゃん遊んでくれないし」

男「仕方ないな……」

幼馴染「……」

 

133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:04:10.62 id:ykk7eBk6o
幼馴染「ね、ねえ……」

 

男「うん、もうちょっと待ってて」

幼妹「じゃあ次ここねー」

幼馴染「……話があるんじゃなかったの?」

男「いや、あるにはあるんだけど」

幼馴染「なに?」

男「えっとな……」

幼妹「あ、おにいちゃんそこ、そこそこ。スタンプ」

男「えっ、どこ?」

幼馴染「……彼女のこと?」

幼妹「えっ、おにいちゃん彼女できたの?」

男「ばっ、おまえ、今画面から目離したら……落ちた」

幼妹「どういうこと? さっき結婚してくれるって言ってたのに!」

 

134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:04:37.05 id:ykk7eBk6o
幼妹「ねえ、どういうこと? ねえ!」

 

幼馴染「……彼女できたのに、わたしの家に来てていいの?」

幼馴染「怒られるんじゃない?」

幼妹「ばか! ばか! ばか!」

男「痛いから叩くなよ」

幼妹「ばーか! ばーか!」

幼馴染「……」

男「……あー、つまりな」

幼妹「ばかー!」

 

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:05:03.24 id:ykk7eBk6o
男「改まって説明するとすごくバカらしいっていうか、もはや情けない話なんだけどな」

 

男「あれは嘘だ」

幼馴染「……」

幼妹「もー! ばかー!」

幼馴染「……えっ?」

幼妹「ばかばかばかばか!」

幼馴染「で、でも、ほら、え、言ってたよね?」

男「四月一日だった」

幼馴染「……」

男「エイプリル、フゥール」

幼妹「なんで無駄に発音よさげなのよ、ばか。この浮気者!」

男「叩くなってば」

 

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:05:29.63 id:ykk7eBk6o
幼馴染「え、じゃあ、嘘なの?」

 

男「うそだよ」

幼妹「あっ、え、嘘?」

男「嘘だよ。おまえもおまえで人の話ちゃんと聞け」

幼妹「なんだ嘘か。そうだよね、おにいちゃんに彼女なんてできるわけない」

男「事実っていうのはそのまま口に出すと人を傷つけることがあるから気をつけような」

幼馴染「な、えっ、なにそれ! じゃあわたし……」

幼馴染「な、なんで嘘なら嘘って言ってくれなかったの?」

男「こんな嘘をついた俺がいちばん悪いっていうのは分かってるんだが」

男「説明しようとしても話を聞かなかったのはおまえだ」

幼馴染「……え」

男「その日のうちに説明したら上の空だったし、それ以降は避けられるし」

 

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:05:58.14 id:ykk7eBk6o
幼馴染「そ、それにしたってそんな嘘……!」

 

幼馴染「なんでつくの!」

幼馴染「そのせいでわたしがどんな……」

幼妹「あ、お姉ちゃん泣いてる」

幼妹「泣ーかせた、泣ーかせた!」

男「ごめん」

幼妹「ごめんで済んだら離婚届はいらないよ!」

男「悪いけどちょっとあっち行っててくれる?」

幼妹「はーい」

 

138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:06:24.41 id:ykk7eBk6o
幼馴染「……ひどいよ」

 

男「悪かったってば。ここまで反応するとは思わなかったんだよ」

幼馴染「……」

男「……」

幼母「……」

男「……」

幼母「……あ、梨切ったけど食べる?」

男「なんで目を輝かせてるんですか?」

幼母「どきどきする」

幼馴染「……あっちいってて」

幼母「はーい」

 

139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:06:51.33 id:ykk7eBk6o
幼馴染「……」

 

男「……」

男「俺がずるかったよ」

幼馴染「……」

男「おまえがどんな反応するかなって思ったんだ」

幼馴染「……え?」

男「彼女できたって言ったらさ」

幼馴染「……」

男「反応を窺ってたんだ。卑怯だと思うよ」

幼馴染「……」

男「つまり何が言いたいかっていうと、俺はおまえのことが好きなんだよ」

男「だから変な嘘ついた。悪かったよ」

幼馴染「……」

 

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:07:17.87 id:ykk7eBk6o
幼馴染「……」

 

男「……」

幼馴染「……」

幼馴染「……え?」

幼妹「なにそれー!」

幼母「きゃー! きゃー!」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「場所を、ね……」

男「……うん」

幼馴染「考えてほしかったかな、うん」

男「すまん」

幼母「きゃー! きゃー!」

 

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:07:44.60 id:ykk7eBk6o
幼馴染「……今日は何日?」

 

男「え?」

幼馴染「今日の日付」

男「あー」

男「エイプリルフールじゃないってことしか覚えてない」

幼馴染「……本当に?」

男「エイプリルフールじゃない」

幼馴染「……そっか。そうなんだ」

男「ついでに言うと嘘じゃない」

幼馴染「……それが嘘?」

男「じゃない」

 

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:08:23.19 id:ykk7eBk6o
幼馴染「……」

 

幼馴染「……ごめんね」

男「……」

幼馴染「……」

幼妹「……」

幼母「……」

男「えーっと」

男「……俺いま振られたんだよな?」

幼馴染「えっ? あ、いや、ちがう!」

幼妹「……えー」

幼母「こらこら」

 

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/13(金) 12:09:07.35 id:ykk7eBk6o
幼馴染「わたしもずるかったよ」

 

幼馴染「わたしたちべつに付き合ってたわけじゃないもん。好きな人ができたら付き合うのだって自由だよ」

幼馴染「それなのに勝手に拗ねて避けたりして」

男「いや、だから、それは……」

幼馴染「ごめん」

幼妹「……自由じゃないよ。婚約者いるよ」

幼馴染「……」

男「……」

幼妹「……無視だよ」

幼馴染「ちょっとそのへん散歩しない?」

男「……あ、うん」

 

157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:25:32.70 id:lMUy1Iwco

 

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「あの、さ」

幼馴染「わたしのこと、好きって言ったよね?」

男「……」

男「言った」

幼馴染「……」

男「……」

 

158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:26:05.74 id:lMUy1Iwco
幼馴染「……」

 

男「……」

幼馴染「……」

男「……なあ」

男「もしかして泣いてる?」

幼馴染「……な、泣いてない」

幼馴染「こ、これはちょっと、びっくりして……」

男「……あ、うん。そっか」

 

159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:26:32.69 id:lMUy1Iwco
幼馴染「ほんとうに?」

 

男「うん」

幼馴染「……」

男「俺と付き合ってほしい」

男「おまえと一緒に登下校したり、出掛けたり、家でぼーっとして過ごしたりしたい」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「それ、ぜんぶしたことあるよ」

男「あー」

男「……えっと、意味が違う」

 

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:27:00.47 id:lMUy1Iwco
幼馴染「意味?」

 

男「そう。意味が違う」

幼馴染「どんなふうに?」

男「あー、それは、なんだ。あれだよ。えっと」

男「付き合ってからの登下校は、付き合ってないときの登下校より、数倍……」

幼馴染「……数倍?」

男「数倍すごい」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「なにが?」

男「……分からんけど、すごい、と思う」

 

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:27:29.38 id:lMUy1Iwco
幼馴染「どんなふうに?」

 

男「たぶんだけど、一緒にいるだけで……」

幼馴染「うん」

男「すごくどきどきする」

幼馴染「……」

男「すごくうれしくなる」

幼馴染「……」

男「と、思う」

幼馴染「……それ、今までと変わらないよ」

男「……」

男「……うん。かもしれないけど」

 

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:27:55.86 id:lMUy1Iwco
幼馴染「付き合ってたらさ」

 

幼馴染「たとえば、傍にいてほしいときにさ」

幼馴染「傍にいてほしいって、わがまま言ったりできるのかな」

男「……うん。たぶん」

幼馴染「ちゃんと好かれてるんだって、安心できる?」

男「たぶん」

幼馴染「なんだか頼りない返事だね」

男「ごめん」

幼馴染「でも、好きだよ」

男「……」

男「あ、うん……」

 

163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:28:22.19 id:lMUy1Iwco
幼馴染「ずっと好きだったよ」

 

男「……」

幼馴染「プロポーズしてくれるの、待ってたよ」

男「……覚えてたのかよ」

幼馴染「忘れるわけないでしょ?」

男「忘れて」

幼馴染「むり」

幼馴染「いま、すごくうれしいから」

 

164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:28:48.54 id:lMUy1Iwco
幼馴染「好きだよ」

 

男「……」

幼馴染「すごく好きだよ」

幼馴染「……だからさ」

男「……うん」

幼馴染「だから……」

幼馴染「わたしの、椅子になって?」

男「……」

男「……」

男「……は?」

幼馴染「あっ」

 

165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:29:15.27 id:lMUy1Iwco
幼馴染「ごめん、まちがった」

 

男「……あ、うん。なんかすごい間違い方したみたいだけど、うん」

幼馴染「えっと、つまり、何が言いたいかっていうと」

幼馴染「つまり……」

男「……あのさ」

幼馴染「は、はい?」

男「付き合ってくれ」

幼馴染「あっ……」

幼馴染「……うん」

 

166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 12:29:41.51 id:lMUy1Iwco
男「……よくわかんねーけど、ときどきなら椅子になってやってもいい」

 

幼馴染「……そ、それはしなくていいけど」

幼馴染「えっと……」

幼馴染「……よろしく、おねがいします」

男「うん。……なんだかすごく遠回りしたうえに、変に負担かけた気がするけど」

幼馴染「……そうかもしれないけど、そうでもないよ」

男「……悪かったな」

幼馴染「いいよ」

幼馴染「離れたくないって思ったから」

幼馴染「だから、一緒にいてね」

男「……」

男「うん」

男「一緒にいよう」

 

167: ◆1t9LRTPWKRYF 2013/12/15(日) 12:30:07.58 id:lMUy1Iwco
おしまい

男「俺の幼馴染は英語の教科書の和訳みたいな喋り方をする」幼馴染「私は幼馴染です」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:07:58.59 id:XkblBh7so


男「おはよう!」

幼馴染「おはようございます」

男「元気?」

幼馴染「はい、私は元気です」

男「相変わらず堅苦しい喋り方だな~」

幼馴染「いいえ、そんなことはありません」

男「……」

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:09:24.80 id:XkblBh7so



男「じゃ、学校行こうか」

幼馴染「はい、行きましょう」

幼馴染「今の時刻は8時15分なので、このまま歩いていけば間に合うでしょう」

男「うん……そうだね」




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:11:46.38 id:XkblBh7so



ワイワイ…… ガヤガヤ……

友「いやー、昨日寝てなくてさー」

男「なんでだよー」

友「YouTube見てたら、いつの間にか朝になってて……」

幼馴染「あなたは睡眠を十分に取らなければなりません」

幼馴染「なぜなら、睡眠を取らなければ、人間は実力を十分に発揮できないからです」

友「ご、ごめんなさい」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:13:37.93 id:XkblBh7so



授業――

教師「じゃあ、この問題を……幼馴染!」

幼馴染「はい、答えは××です」

教師「正解だ! よく解けたな!」

幼馴染「なぜなら、私は昨夜、このページを予習していたからです」

幼馴染「その恩恵として、私は今の問題を正解することができました」

教師「そ、そうか」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:15:33.72 id:XkblBh7so



教師「じゃあ次の問題を……男、答えてみろ!」

男「ゲ! えと、その、あの……」

幼馴染「……」ボソッ

男「えーっと、答えは○○です!」

教師「おおっ、やるじゃないか!」

幼馴染「なぜなら、私が今小さな声で答えを教えたからです」

男「言わなくていいからぁぁぁ!」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:19:31.55 id:XkblBh7so



美術――

美術教師「今日は学校の風景を写生しましょう」

友「写生かー……めんどくせえなぁ」

友「どうせなら、字が違う写生をしたいなぁ……なんて」ゲヘヘ…

男「バカかお前」

幼馴染「私の近くで下品な冗談をいうのは控えていただけるとありがたいです」

幼馴染「なぜなら、私はまだ経験に乏しく、そういった話題に慣れているとはいえないからです」

友「ごめんなさい、ごめんなさぁい!」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:21:31.49 id:XkblBh7so



幼馴染「あなたは何を描いているのですか?」

男「校門! 直線だらけで楽そうだしさ」

幼馴染「非常によくできた絵ですね」

男「ありがと」

幼馴染「どういたしまして」

男「そっちは? 何描いてるの?」

幼馴染「はい、私は校庭を描いています」

幼馴染「これは砂場です。これは鉄棒です。これはサッカーゴールです。これは……」

男「見れば分かる! 見れば分かる!」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:23:47.93 id:XkblBh7so



体育――

男「ハッ、ハッ、ハッ……持久走は嫌いだ……」タッタッタ…

男「あ~……やっと終わった。疲れた……」ハッハッ

幼馴染「あなたはゴールをしました。おめでとうございます」

男「ども……ありがと……」ハッハッ

幼馴染「あなたはなにか飲みますか?」

男「飲みます、飲みます!」

幼馴染「あなたは次の中から選ぶことができます。水道水、麦茶、ポカリスエット……」

男「どれでもいいよぉ!」




11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:27:05.89 id:XkblBh7so



幼馴染「……」タッタッタ…

男「お疲れ~」

幼馴染「はい、私はとても疲れています」

男「ホントに?」

幼馴染「はい、それは本当です」

男(のわりに息切れ一つしてないんですけど……)




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:29:36.29 id:XkblBh7so



昼休み――

男「待ちに待った弁当タイム!」

男「いただきます!」モグモグ

幼馴染「いただきます」モグモグ

男「いや~、体育の後のメシってのはうまいね!」

幼馴染「はい、とてもおいしいです」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:31:42.70 id:XkblBh7so



男「ごちそうさま~」

幼馴染「それでは私はゼリーを食べ始めようと思います」

男「おっ、デザート? 入るの?」

幼馴染「はい、大丈夫です。なぜなら、私の腹部には別離している部分があるためです」

男「別離……!?」

男(ああ……別腹ってことか)




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:35:15.28 id:XkblBh7so



午後の授業――

男「ううん……眠い……」ウトウト…

男(まずいな……この授業の先生は怖いから、起きなきゃ……)

男(だけど眠い……)

幼馴染「先ほどからあなたの様子がおかしいのですが、なにかあったのですか?」

男「いや、すっごく眠くて……なんとか起きてられるようにしてくんない?」

幼馴染「はい、私はあなたが起きていられるように努力するつもりです」




15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:37:27.71 id:XkblBh7so



幼馴染「あなたが小学校6年生の時、私はこんなことがあったことを記憶しています」

幼馴染「修学旅行の夜、女子の部屋に忍び込んだあなたは、私の布団に潜り込んできて……」

男「ぃよっしゃあぁぁぁ! 目が覚めたぁぁぁぁぁ!!!」



スパルタ教師「コラッ、うるさいぞ!!!」




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:39:55.61 id:XkblBh7so



友「じゃあなー」

男「おう、今日はもう夜更かしすんなよ」

友「さっきウトウトしてたオメーにいわれたくねえよ!」

男「うるへー」

男「じゃ、俺たちも帰ろうか」

幼馴染「はい、一緒に帰りましょう」




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:43:22.97 id:XkblBh7so



男(幼馴染とは幼稚園以来の付き合いだけど、未だにキャラがつかめないんだよな)

男(今も付き合ってるのか付き合ってないのか、微妙な関係だし……)

男(思い切って、ちょっと聞いてみよっかな)

男「あのさぁ」

幼馴染「はい、なんでしょうか?」

男「幼馴染って、俺のことどう思ってる?」

幼馴染「……」

男(――ってやべっ! いくらなんでもストレートに聞きすぎた!)




18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:47:53.34 id:XkblBh7so



幼馴染「好きです」

男「え」

幼馴染「愛しています」

男「ええ!?」

幼馴染「私はあなたのことをもっとも愛しています」

男「最上級!?」

幼馴染「私は世界で一番、あなたのことを愛しています」

男「分かった! もう分かったからぁぁ! 周りに人いるから!」

ヒューヒュー!




19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 01:51:09.00 id:XkblBh7so



男(いやー、さっきはビックリした……)

男(でもま、悪い気はしない……ていうか嬉しい。うん、嬉しいに決まってる)

男(お、幼馴染からLINEきた。さっきの件かな)



幼馴染<ハロー!さっきは人前であんなこと口走っちゃってホントSorry!

男<いや気にしてないよ、嬉しかったし

幼馴染<ホント!?よかったー!私ホントにホントにYOUのことLOVELOVELOVE!



男(相変わらず、妙に英語が混ざったハイテンションな文章だ……)

男(いつも思うけど、なんで手紙やメールだとこんなにもキャラが変わるんだろう……)





おわり




20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 04:54:21.50 id:jC9Yd+Mco






21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 06:35:02.10 ID:/R61IguDO


セックスする時はどうなるのか気になる



30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 21:10:43.51 id:bvaYZSlwO


>>21
なるほど
なるほど




22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 09:18:41.95 id:wtTJpJFMO


あなたはもう少し続けるべきです。なぜなら需要があるからです



24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 12:55:55.39 id:kBMx3EgCO


男塾なんか
You're not my match で、目じゃないぜ、やからな、英語教育は日本語が固いよな




25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 14:48:19.63 id:X8NvRb/8O


それは書道で最初から崩し字をやれっていうようなもんだ



28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 20:05:05.16 id:xgAYLARQ0


乙、面白かったネタができたらまた書いて欲しい



29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/25(木) 20:09:48.18 ID:/tSUXnGDO


私は乙と思いました



幼馴染「またヌいたの? 飽きないわね」 男「……うるせえな」

2: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:45:28.53 id:PXnXfmpB0

幼馴染「今回は誰をオカズにしたの?」

男「お前には関係ないだろ……」

幼馴染「いいじゃない、教えてくれたって。女さん? 委員長? それとも部長かしら?」

男「そいつらをオカズにするわけねえだろ!」

幼馴染「ごめんなさい。彼女たちは、貴方のかつての想い人だから、勘違いしてしまったわ」

 

3: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:47:31.22 id:PXnXfmpB0

男「というか、俺があいつらをオカズにしてヌいてもいいのかよ」

幼馴染「むしろ、ダメな理由がないと思うわ」

男「……お前、俺の彼女だよな?」

幼馴染「ええ。不本意ながら」

 

4: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:49:18.34 id:PXnXfmpB0

幼馴染「それで、誰をオカズにしたのかしら?」

男「……」

幼馴染「どうしても私に言いたくないというのね?」

男「当たり前だろ!?」

幼馴染「はあ……。なにを恥ずかしがっているのよ。これだから童貞はダメなのよ」

男「なら、お前は言えるのか?」

幼馴染「貴方よ」

男「えっ?」

幼馴染「一週間に三回は、貴方を想って自慰をしているわ。問題あるかしら?」

 

5: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:50:39.74 id:PXnXfmpB0

男「へ、変態……!」

幼馴染「なぜ? むしろ、私は健全でしょう。彼氏をオカズにしているのだから」

男「それを言ったら、俺だって……」

幼馴染「私をオカズにしていると?」

男「当然だ!」

幼馴染「では、『参考資料』と名付けられたフォルダの中身は私の画像なのね?」

男「……」

幼馴染「貴方の目には、私の胸があれほど大きく見えているのね。ごめんなさい。男根を挟み込めるほど、私の胸は大きくないのよ」

 

6: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:52:51.90 id:PXnXfmpB0

男「い、いや、違うんだ……」

幼馴染「いいのよ。私の胸が小さいのが悪いのだから」

男「……だから、委員長たちでヌいてもいいってわけか」

幼馴染「ええ。彼女たちは巨乳だもの。それに……」

幼馴染「貴方は、彼女たちの『胸を愛していた』んだもの。仕方ないわ」

男「やめろー!!」

 

7: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:56:01.50 id:PXnXfmpB0

幼馴染「どうして? 貴方は彼女たちの胸を愛していた。そして、それを彼女たちに伝えたのでしょう?」

男「だから、あれは……」

幼馴染「どんな事情があったにせよ、彼女たちに告白した事実は変わらないわ」

男「……まだ根に持ってるのか?」

幼馴染「むしろ、許す方がおかしいと思うわ」

 

8: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:56:37.57 id:PXnXfmpB0

男「ごめんって……」

幼馴染「誠意が感じられないわ」

男「……ごめんなさい」

幼馴染「言葉を丁寧にしただけじゃない」

男「……」スッ

幼馴染「この手はなにかしら?」バッ

男「頭を撫でてあげようかと……」

幼馴染「……」

男「ど、どうした……?」

幼馴染「男くんの馬鹿!」ベシッ

 

9: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:57:22.93 id:PXnXfmpB0

幼馴染「そこは胸を触って、『幼ちゃんの胸が一番好きだよ』って、宣言してよ!」

男「なに言ってんの!?」

幼馴染「どうせ、わたしのまな板のような胸じゃ、欲情しないんでしょ!?」

男「お、落ち着けって……」

幼馴染「いいもん! 友くんに揉んでもらって大きくするんだから!」

男「やめろ。それだけは本当にやめろ」

 

10: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:58:27.18 id:PXnXfmpB0

男「落ち着け」ナデナデ

幼馴染「ん……」

男「俺はただ、幼ちゃんを大事にしたいだけだよ」

幼馴染「……」

男「でも、なにもしないと不安にさせちゃうだけだよね」

幼馴染「……」

男「愛しているよ、幼ちゃん。その顔も身体も心も。もちろん、その胸もね」スッ

幼馴染「触らないでくれるかしら。汚らわしい」バシッ

男「貴様……!」

 

11: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 21:58:54.22 id:PXnXfmpB0

男「またこの展開かよ! いい加減にしろ!」

幼馴染「なら、頭を撫でなければ良かったじゃない」

男「わかった。もう撫でない」

幼馴染「その代わりに胸を撫でてくれるのね」

男「……なぜ、わかった」

幼馴染「17年間も一緒にいるんだもの。貴方の考えていることはお見通しよ」

 

12: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 22:00:36.71 id:PXnXfmpB0

幼馴染「まあでも、たまには触ってもいいわよ。私の胸だって、貴方と交際を始めてから成長しているしね」

男「微々たる成長だけどな」

幼馴染「でも、貴方の理想に近づけたことには間違いないもの」

男「……既に理想の身体だけどな」

幼馴染「なら、なおさら、私の胸に飛び込んできなさい。貴方の狂暴な男根は無理でも、貴方の可愛らしい顔ならいくらでも受け止めてあげるから」

男「馬鹿言うな。そんな鉄板のような胸に飛び込んだら、怪我しちまうよ」

幼馴染「ふふふ。そうかもしれないわね」

数か月後

幼馴染「あら、またパフパフしてほしいの? 飽きないわね」

男「……うるせえな」

END

 

13: ◆TMTTBwd/ok 2017/05/07(日) 22:03:54.23 id:PXnXfmpB0
以上です。
ありがとうございました。

 

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/07(日) 22:07:37.75 id:LRsCd99VO

続編に期待

 

元スレ
タイトル:幼馴染「またヌいたの? 飽きないわね」 男「……うるせえな」
URL:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1494161065/
掲載サイト:SS速報VIP@VIPサービス、SS深夜VIP、おーぷん2ちゃんねる、2ch.sc  に投稿されたスレッドの紹介です