さやか「眠くなるようなことしてよ」
まどか「そんなこと言われても…ふぁ…」
マミ「くー…くー…」
杏子「もう2時だぞ…お前も早く寝ろ」
さやか「眠くしてよ」
ほむら「気を失えばいいのよね?」
さやか「いや!た、叩かないで!」
杏子「しー…マミが起きる」
さやか「眠くないよ~寝たいよ~」
杏子「だー…おい誰かこいつを黙らせてくれ」
ほむら「ガムテープとロープは持っているわ」
さやか「ひっ!」
杏子「いや、そういう黙らせ方じゃなくて…」
杏子「てかなんで持ってんだよ…」
ほむら「便利だもの」
まどか「……」コクッ
さやか「…にしし」
まどか「……」コクッ
まどか「あいたーっ」
さやか「あはは。まどかのおでこのところにげんこつ置いてみたよ」
まどか「ひ、ひどいよぉ…眠れそうだったのに」
さやか「あたしを置いて先に寝るのは許さんぞー」
マミ「ふにゃ…くーん…」
さやか「にしし」
杏子「マミはやめろ。殴るぞ」
さやか「さやかちゃんを止めたくばさっさと寝かせるのだー」
杏子「はぁ…なぁほむら、難しい話とか聞かせりゃすぐ寝そうじゃね?」
ほむら「なんで私に言うのよ」
杏子「いろんな雑学知ってそうじゃん」
ほむら「めんどくさいわ」
杏子「そんなこと言わないでさ」
まどか「もー。さやかちゃんのせいで目がぱっちり覚めちゃったよ」
さやか「わははーあんた達の眠気なんてさやかちゃん敵じゃないぞー」
まどか「私ホットミルク作ってくるね。眠くなりそうだし」
まどか「みんなもいる?」
さやか「よろぴこー」
杏子「頼むよ」
ほむら「おねがーい」
まどか「みんな飲むの?えっと、誰かに手伝って欲しいなって…」
さやか「お布団から出たくなーい」
ほむら「…杏子、お願いしていい?」
杏子「わかったよ…お前寒がりだっけ?」
ほむら「お布団は魔性のアイテムだわ…」
まどか「杏子ちゃんマグカップ取ってくれない?」
杏子「ん、なんでもいいの?」
まどか「私のがピンクの。ねこさんがついてるやつだよ。さやかちゃんがイルカの青いの」
杏子「さやかのもあるのか」
まどか「小さい頃はよくおうちで遊んだんだよ」
杏子「まどかも大変だな。あんなのが親友でさ」
まどか「あはは…もう慣れっこだから平気だよ」
まどか「杏子ちゃんはミルクにお砂糖いれる?」
杏子「そりゃーいれるさっ。あまーくしてくれ」
まどか「てぃひひ。りょうかーい」
杏子「…あ、もう歯磨きしちゃったけど大丈夫だよな?」
まどか「ほんとはよくないかもだけど…1回だけなら大丈夫だよきっと」
杏子「虫歯は怖いよなー」
まどか「……うん…」ドヨンド
杏子「…まどか?」
まどか「ドリルが…ぎゅいーんてドリルが…私の奥歯に穴を掘って…」ブツブツ
杏子「……そ、そっとしとこう…」
さやか「ふにょーん」ニョーン
マミ「はふはふ…」
さやか「にひひ…ほりゃほりゃー」コネコネ
マミ「はぷぷぷ…」
ほむら「…やめなさいよ」
さやか「えー?こんなに可愛いのにー」
ほむら「私は止めたからね。後で怒られても知らないわよ」
さやか「…おこられるのはやだかも」パッ
マミ「ふみゅっ……くー…くー…」
さやか「むー…代わりに転校生のほっぺたを…」ワキワキ
ほむら「……」ジャキン!
さやか「…あの、銃弾を装填しないでよ…怖いよ…」
さやか「ぶー」
ほむら「…………」
マミ「ふにゃ…」
さやか「ぶー」
ほむら「…うるさいわよ。いつからあなたは豚になったのよ」
さやか「だって転校生が構ってくれないんだもん」
ほむら「少しはおとなしくしてなさい。私みたいにお布団に横になって目を瞑っていれば自然と眠くなるわ」
さやか「……目をつむってるの?」
ほむら「そうよ。こう瞑っていれば段々と眠くなって…」
さやか「にしし」
さやか「お布団ずばーん!」バサッ
ほむら「にゃっ!?」
さやか「転校生から布団剥ぎ取ったどー!」
ほむら「ちょ、ちょっと…返しなさ…は…は…」
ほむら「くしゅん」
さやか「いやーん。転校生のくしゃみかーわーいーいー」
ほむら「うるさいっ、いいから早く返しな…は…は…」
ほむら「くちゅん」
さやか「」ピロリロリン
さやか「いいもの撮った」
ほむら「け、消せ!今すぐ消しなさいこの馬鹿!」
杏子「なぁ、やっぱり睡眠薬いれた方良かったんじゃない?」
まどか「そんなのうちにないよぉ…ホットミルクおまたせー…え?」
さやか「」ピクピク
ほむら「はー…はー…」
まどか「ど、どうしたの二人とも?」
ほむら「美樹さやかを寝かしつけていたわ」
さやか「ところがぎっちょん!まだ生きてますよ!」
ほむら「ちっ…頸動脈を狙ったのだけど…」
杏子「ガチで殺るのはやめろ…」
ほむら「……」フルフル
まどか「寒いの?はい、ホットミルクだよ」
ほむら「ありがと…」コクコク
さやか「あたしにもー」
杏子「ほら」
さやか「さんきゅー」
まどか「あ、さやかちゃんのはこっち…」
さやか「あちゅい!」
杏子「さやか猫舌かよー?」
まどか「はい、こっち飲んで。ふーふーしといたから」
さやか「さすがあたしの嫁だー」コクコク
ほむら「はぁ…またお布団にこもって暖めなおしね…」モソモソ
まどか「私のお布団も冷えちゃったよ」
杏子「冷たいな…」
さやか「ぬっふん。あたしのはあったかいままなのだ!」
まどか「いいなぁ。足だけあっためさせてー」
さやか「いーよー」
杏子「んじゃあたしもお邪魔しまーす」
ほむら「お邪魔しまーす」
さやか「ふぎゅっ!ちょ、あんたたちさやかちゃんを踏んづけるんじゃないよー!」
杏子「なんだかぽかぽかしてきたぞ…寝れそう…」
さやか「だがしかし、さやかちゃんがそれを邪魔するぞ…こちょこちょ~」
杏子「あ、やっ?う、あはははは!や、やめ…うふあひっ…!」
さやか「にしし…いい声で泣くじゃねーか。ん?」
杏子「い、いい加減に…あひゃっ…ん…!いやはははっ…!」
マミ「…んむぅ…?」モゾ
さやか「!」ハッ
杏子「!」ハッ
マミ「……んみゅう?」モゾモゾ
杏子「…………」
さやか「…………」
まどか「…………」
ほむら「…………」
マミ「…みゃあ…?」
杏子「お、起きるなよ…」
さやか「…しーっ」
ほむら「あなたが一番うるさいのよ…」
マミ「………んぅ…」
マミ「………なんだ、しっぽはお玉だったのね…」
マミ「……くー…くー…」
杏子「…………?」
さやか「お…玉…?」
ほむら「どんな夢見てるのよ…」
さやか「お玉って…料理に使うお玉?」
杏子「しっぽ…?動物の夢か?」
ほむら「あれこれ考えても無意味よ。夢なんてわけわからなくて当然なんだから」
ほむら「私も今朝は巴さんのうちでバンジージャンプする夢を見たわ」
杏子「あそこでどうやってバンジーやるんだよ。窓からか?」
ほむら「巴さんの部屋だけ空を飛んでいたのよ」
さやか「いい眺めだろうね。家賃高そう」
ほむら「そこから美樹さやかを突き飛ばしたわ」
さやか「さやかちゃんを殺さないでっ」
杏子「あたしもさやかの夢見たよ」
さやか「おお、人気だねあたし」
杏子「なんかさやかが犬みたいに歩いてて、あたしはその背中に乗ったんだ」
杏子「そしたらさやかの尻からジェット噴射口ができて町内を駆け回ったんだ」
さやか「あたしをなんだと思ってんだよ…」
杏子「どんどん速くなっていって怖くなったんだよ。だから下りようと思ったんだけど速くて下りれなくてさ」
杏子「さやかの口にあんぱんを突っ込んだら止まったんだ」
杏子「そんでさやかから下りたらさやかも普通に戻ってたから一緒に遊んだ」
さやか「とりあえずあたしが死ななくてよかった」
ほむら「オチがないわよ。なめてんの?」
杏子「夢にオチを求めるなよ」
さやか「しかし夢ってなんで夢だって気づかないのかね?」
さやか「だってあきらかにおかしいことが起きても何故か普通に対応しちゃうもんね」
杏子「なあ。夢だってわかれば夢の中でいろんなことできんのにさ」
ほむら「あのとき…夢だとわかってたなら…まどかにあんなことをできたのに…」
ほむら「…て、あら?」
まどか「…みゅー…」
さやか「あ、ちくしょー。まどかに先を越された」
杏子「お前もさっさと寝ろよ。こんだけぐだぐたな会話したんだから少しは眠くなったろ」
さやか「全然眠くないっす」
ほむら「はぁ」
ほむら「目を開けてるから目がさえるのよ。ちょっと目隠ししてみなさい」
さやか「目隠し?」
ほむら「はいアイマスクよ。これ付けてじっとしてなさい」
さやか「面白アイマスクじゃないけど…いいの?」
杏子「別に面白さ求めてねーから」
さやか「んじゃ…装着っと…」
さやか「あれ?前が見えないよっ?」
ほむら「……」
杏子「……」
さやか「……あれ?ね、ねぇなにか言ってよ」
ほむら「……」
杏子「……」
さやか「……あれ?」
さやか「ちょっと…誰かしゃべってよ…」
ほむら「……」
杏子「……」
さやか「……そこにいるんだよね?いなくなってないよね…?」
ほむら「……」
杏子「……」
さやか「……え?え?嘘?いないの?だ、だまされないよあたしは。二人してあたしをからかってるんだ。そうでしょ?さやかちゃんにはお見通しなんだからね?」
ほむら「……」
杏子「……」
さやか「……」
さやか「…………うぅ…」
さやか「ちょっとぉ…ひどいじゃんか…」ヨタヨタ
さやか「えと…杏子のお布団は…」ペタペタ
マミ「あむ…」
さやか「これマミさんだ。じゃこっちか…?」サワサワ
さやか「あれ…?いなくなってる…?」
さやか「ど、どこさぁ…一人で起きてるのやだよぉ…」
さやか「転校生は…?どこだよぉ…」
ほむら「ふーっ」
杏子「ふーっ」
さやか「きゃんっ!?」
さやか「りょ、両方の耳に!な、なんかが入ってきた!?」
ほむら「ちょ、うるさいわよ」ギュッ
さやか「むぐむぐーっ」
杏子「ふ、くくく…!今、の…面白かったぞ…ふは、あはははっ」
さやか「あたしが見えないことをいいことに二人していたずらしてっ」
ほむら「いや、ついね。目隠ししてるあなたがやけに隙だらけだったから」
杏子「きゃんっ、だってよ…あはははっ」
さやか「ぐ…このぉ…子供みたいなことしやがって…」
ほむら「あなただけには言われたくないわね」
杏子「さっきくすぐってくれたお返しだばーか」
さやか「ぬー…」
ほむら「はぁ…慣れないことをやってしまったわ」
杏子「あたしは面白いものが見れて満足だ」
ほむら「その代わりに…私の眠気はどこかへいってしまったわよ」
杏子「あたしもだ…もう4時だってのに…」
ほむら「あなたももういい加減に寝なさいよ?美樹さや…」
さやか「…むにゃー…」サヤサヤ
ほむら「…………」
杏子「……こいつ…」
ほむら「寝れない寝れない言ってた当の本人が寝てやがるわ」
杏子「さっきので疲れたんだろうな…結果的に作戦は成功したが…」
ほむら「…今から眠れる気がしないわ…」
杏子「あぁ…ったく…この馬鹿のせいで…うりうりっ」ツンツン
さやか「ふやっ?…」
ほむら「美樹さやかの額に…肉っと…」キュッ
さやか「ふかー…?」
ほむら「あぁ…これから学校があるのに…もう…」
マミ「みんな!ほらほら起きなさい!学校の支度しましょっ」
まどか「ふぁ…おはようございまひゅ…」
さやか「おきまひたおきまひた…」
マミ「ほら佐倉さんと暁美さんも起きてっ!」
ほむら「……ぐー」
杏子「…あ…と…5分…」
マミ「もー!夜更かしはいけませんっていったでしょぉ!?」
さやか「そーだそーだ!」
ほむら「……こいつはお尻百叩きね」
杏子「……手伝うぜ」
おやすみ