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少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 21:59:57 id:RH4EiWeo

少女「うふふー」ニヤニヤ

男「お?」

少女「だからお菓子お菓子ー」ニヤニヤ

男「ああ、そうか、ハロウィンの季節かあ」

少女「うふふー」ニヤニヤ

男「じゃあほれ、カントリィマァムをやろう」ヒョイ

少女「うふ?」



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:03:13 id:RH4EiWeo

少女「それだけ?」

男「それだけってお前、おれがお菓子たくさん持ち歩いてるように見えるのか?」

少女「そ、そうじゃなくってえ」

男「あと一個はおれの分なんだから」

男「おれもカントリィマァム好きなんだから」

少女「うぅ」

男「ほれ、紅茶かなんか買ってきてやるから、そこの公園で食おうぜ」

少女「う、うんっ」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:09:33 id:RH4EiWeo

男「ほれ、ミルクティー」ヒョイ

少女「あ、ありがとう」

男「あーあったけえ」

少女「それは珈琲?」

男「おう」

少女「珈琲って美味しい?」

男「お子様にはまだ早い味だな」

少女「む」

男「あと5年したら飲みな」

少女「むむぅ」



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:13:09 id:RH4EiWeo

男「さ、カントリィマァム食おうぜ」

少女「う、うん」

男「これって田舎のオカンの味、みたいな意味なんだろうな」

少女「そうなの?」

男「カントリィって田舎ってことなんだよ」

少女「へえ」

男「マァムは、まあ、ママかな」

少女「詳しいね」

男「適当だよ」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:19:46 id:RH4EiWeo

少女「カントリィマァム好きだったっけ?」

男「ん? うん、普通に好き」

少女「……好きなんだ」

男「うん、好き」

少女「……」ドキドキ

男「あのさ、お菓子くれって言ってたわりにさ、衣装も特にねえんだな」

少女「あ、うん」

少女「なんかコスプレしてた方がよかったかな?」

男「コスプレって言うなよ」



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:23:46 id:RH4EiWeo

少女「魔女っ子とか、可愛いね」

男「あー魔女ね」

少女「魔法少女の方が好き?」

男「うん、割と」

少女「……アニオタ」

男「……ソウダネ」

少女「否定しないんだ」

男「知ってるだろ」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:34:10 id:RH4EiWeo

少女「お母さんがね、去年トイレットペーパー体中に巻いてミイラのコスプレしてたよ」

男「……」

男「若いな」

少女「面白かったよー」

男「はは」

少女「今年はなにかなー」

男「毎年やってんの!?」

少女「うん、一昨年はゾンビだったよ」

男「……」

少女「紫とか茶色っぽいお化粧して、レバーを体中に」

男「いや、もうその話はよそう」



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 22:42:01 id:RH4EiWeo

少女「……」ハムハム

男「……」モグモグ

少女「美味しい」

男「なんでこう、珈琲とあうかな」

男「なんでこう絶妙なのかな」

少女「オカンの味だからでしょ」

男「そうか」

少女「……」

男「……」



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 23:01:29 id:RH4EiWeo

少女「ねえ、悪戯しないの?」

男「んぐっ」ブフォア

少女「してもいいよ? お菓子くれたから」

男「……」フキフキ

少女「ねえ?」

男「アホか」フキフキ

少女「真剣だよ?」

男「『悪戯』って言ってるじゃん」

少女「ん……それは……」

男「『悪戯』ってことは、ダメなことってことだろ」



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/29(火) 23:09:05 id:RH4EiWeo

少女「う」

男「自分でもわかってんだろ、それはダメなことって」

少女「……してほしいんだもん」

男「マセガキ」

少女「……ソウダネ」

男「否定しないんだ」

少女「……ふふっ」

男「……ふっ」

少女「真似すんなよー」

男「お前が先じゃん」



22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 20:57:16 id:mc5ml1Hk

少女「なんで私、もうちょっと早く生まれなかったかなあ」

男「無茶言うなよ」

少女「そしたらガキ扱いされなかったのに」

男「もう5年の辛抱だよ」

少女「長いよ」

男「あっという間だよ」

少女「……あっという間だったの?」

男「光より早かった」

少女「うっそだー」

男「ほんとだよ」



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 21:02:08 id:mc5ml1Hk

少女「光って1秒で地球7周するんでしょ」

男「7周半」

少女「それより早いの?」

男「うん、もう深呼吸1回する間に小学校終わった感じ」

少女「えー」

男「鼻ほじってる間に中学校終わった」

少女「えー汚いー」

男「ケツ拭いてる間に高校も終わった」

少女「ぎゃあ! 汚い! 最低!」



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 21:05:05 id:mc5ml1Hk

少女「クラスの男子と言ってることが同レベル!」

男「はは、脳は止まったままなのかもね」

少女「身体は大人で?」

男「頭脳は子ども」

少女「役に立たないなー」

男「ははっ」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 21:10:11 id:mc5ml1Hk

少女「早く追いつきたいなー」

男「無茶言うな」

少女「身体も止まっててよ」

男「もうおれの方は成長終わってるよ」

少女「……早く背、伸びたいなー」

男「牛乳いっぱい飲め」

少女「……あんまり好きじゃない」

男「ミルクティーは好きなくせに?」

少女「これは別物だもん」



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 21:50:31 id:mc5ml1Hk

男「へっへ、言い訳だなあ」

少女「ブロッコリーはいけるのにカリフラワー食べられないくせに」

男「くっ」

少女「いまだに好物はハンバーグのくせにっ」

男「……くっ」

少女「ふふん」

男「お前だってハンバーグ好きだろ?」

少女「好き」

男「……」



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 21:54:34 id:mc5ml1Hk

男「寒くない?」

少女「ちょっと寒いー」

男「上着貸そうか?」

少女「くっつく」ズイズイ

男「あ、そ」

少女「ちょっとぬくい」スリスリ

男「子どもの方が体温高いらしいけど?」

少女「ぬくいでしょ?」

男「うん、まあ」



28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:07:30 id:mc5ml1Hk

男「もう帰るか?」

少女「まだお母さん帰ってきてないと思うなあ」

男「そっか」

少女「そっちも?」

男「うん、うちも親父はまだだと思うな」

少女「お仕事って、大変なんだね」

男「でももう暗いし、ゆっくり帰るか」

少女「うん」ギュ



29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:11:05 id:mc5ml1Hk

男「今日はどっか遊びに行ってたのか?」

少女「うん、友だちんち」

男「なにして遊ぶんだ?」

少女「いろいろ」

少女「ゲームしたりテレビ見たり手紙書いたり」

男「へえ」



30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:18:01 id:mc5ml1Hk

男「手紙って誰に?」

少女「友だち」

男「なあんだ」

少女「ほしい?」

男「ん? 別に……」

少女「じゃあ、明日書くねっ」

男「……うん」



31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:26:27 id:mc5ml1Hk

少女「んー」ギュウ

男「寄り過ぎ、歩きにくいだろー」

少女「んんー」ギュウ

男「甘えん坊め」

少女「なんか、この匂い、好き」

男「恥ずかしいこと言うなよ」

少女「……」スンスン

男「嗅ぎすぎ」

少女「……」スンスンスンスン

男「おい」



32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:31:48 id:mc5ml1Hk

少女「他の女の匂いはしないわね……」

男「どこで覚えたそんなセリフ」

少女「ドラマで」

男「マセガキめ」

少女「……」グイ

男「お?」

少女「……」

男「どうした、胸ぐら掴んで」

少女「おかしいな」



33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/30(水) 22:37:18 id:mc5ml1Hk

男「なにが?」

少女「ドラマだとこのポーズでうまいことチューしてたんだけど」

男「身長が足りない」

少女「なんでだろう」

男「身長が足りないの」

少女「……むむぅ、謎ね」

男「現実から目を背けるな」



37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:06:21 id:v1RBFxNE

男「ほれ、行くぞ」

少女「うん」ギュ

男「……」

少女「……」

男「お、いい匂い」

少女「焼き魚かな?」

男「この時間は腹減る匂いがいっぱいで、好きだな」

少女「私もっ」



38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:15:11 id:v1RBFxNE

スタスタ

男「お? 親父?」

少女「あれ? お母さん?」

男「……」

少女「……」

男「邪魔しない方がいいかな」

少女「……仲、よさそうだね」

男「そりゃそうだろ」

少女「……」



39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:19:21 id:v1RBFxNE

男「うちに入ってったな」

少女「一緒に食べるのかな?」

ピルルルル

少女「あ、お母さんから」

ピッ

少女「もしもし?」

『あ、ねえねえ、私今帰って来たんだけど、あなたいつ帰ってくるの?』

少女「あ、えっと……」チラッ

男「……飯食いに行こうか」ボソッ

少女「あ、え、えっとね、お兄ちゃんとご飯食べて帰るから!」

『あら、そうなの? ご迷惑じゃないの?』



40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:25:15 id:v1RBFxNE

男「代わるわ」ヒョイ

少女「あ、うん」

男「あ、もしもしおばさん、こんばんは」

『あら、ご丁寧にどうもー』

『うちの子が、ごめんなさいねー』

男「いえいえ、とんでもない」

男「遅くならないうちに帰しますんで」

『いいのよいいのよー気にしないで』

少女「……」ドキドキ



41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:30:13 id:v1RBFxNE

ピッ

男「さ、なにが食いたい?」

少女「え、えっとえっと」

男「3……2……1……」

少女「は、ハンバーグ!!」

男「よし、決定」

少女「うふふー」



42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 19:41:31 id:v1RBFxNE

少女「お母さん、なんて?」

男「うちの親父と飯食うんだってさ」

少女「あ、やっぱりそうなんだ」

男「仲いいよなー」

少女「ね」

男「年離れてんのになあ」

少女「か、関係ないんじゃない? 年とか」

男「そうかな」

少女「そうだよー」



43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 20:51:48 id:v1RBFxNE

……

「いらっしゃいませー」

男「二人で」

「おタバコはお吸いになられますか?」

男「いえ、禁煙席で」

「はーい、ご案内しまーす」

少女「……」チラチラ

男「ん? どした? 行くぞ」

少女「あ、うん」



44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:00:38 id:v1RBFxNE

「ただ今ハロウィンキャンペーン中でして、こちらのハロウィンセットがお得となってます」

男「あ、えっと、僕はデミハンバーグセットで……」

少女「……」ウズウズ

男「そのハロウィンセットって?」

「こちらのセット内容と、お菓子セット、ジャックオランタン帽子がついてきます♪」

少女「……」チラッ

男「これがいいの?」

少女「……えっと……」ウズウズ

男「じゃ、これで」

「かしこまりました♪」



45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:07:25 id:v1RBFxNE

……

男「なんか遠慮してるのか?」

少女「ん……」

男「さっきも店先のこの帽子、見てたろ」

少女「だって……」

男「値段気にしてんのか?」

少女「う」

男「アホぉ」

少女「むむぅ」



46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:12:05 id:v1RBFxNE

……

少女「美味しそー♪」

男「ああ、腹減った」

少女「いただきまーす♪」

男「いただきます」

「失礼します、こちらハロウィンセットのお菓子と、帽子でございます♪」

少女「わ」

男「おお、可愛いな」

「以上でお揃いでしょうか?」

少女「はーい♪」



47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:15:36 id:v1RBFxNE

男「え? それかぶんの?」

少女「……ダメ?」

男「ん……室内だし食事中だし……」

少女「……」

男「いや、うん、今日は特別、許す」

少女「やたっ!」ニコニコ

男「……ふふっ」



48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:23:59 id:v1RBFxNE

少女「可愛い?」ニコニコ

男「うん、可愛い」

男「……帽子が」

少女「もー!」

男「うそうそ、両方可愛い」

少女「両方って? 帽子と、あとなに?」

男「……お前」

少女「うふふー」ニコニコ



49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:27:49 id:v1RBFxNE

男「……うまい」モグモグ

少女「ね、ハンバーグ美味しいね!」モグモグ

男「ソースついてる」フキフキ

少女「んむー」

男「全部食べられる?」

少女「うん」



50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:35:34 id:v1RBFxNE

男「ふう、満足」

少女「……」モグモグ

男「ゆっくり食べろよ」

少女「うん」モグモグ

男「……」

少女「ごちそうさまー♪」



51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:38:52 id:v1RBFxNE

男「珈琲でも飲むかなあ」

少女「さっき飲んだじゃん!」

男「食後は別なの」

少女「じゃあ私も別腹!」

男「ハロウィンセットもう一つ?」

少女「なんでやねん!」

男「デザート?」

少女「うん!」



52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:43:46 id:v1RBFxNE

少女「トリック・オア・トリート!」

男「は?」

少女「デザートを奢ってくれないと、お母さんに『お兄ちゃんに悪戯された』とチクります!」

男「シャレにならん!」

少女「ふふふ……デザートを奢るしかあるまい」ニヤニヤ

男「いや、まあ、そんなことしなくてもデザートくらいいいけど」

少女「ほんとに!?」

男「おう」



53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:47:31 id:v1RBFxNE

……

男「珈琲とパンプキンプリン一つずつ」

「かしこまりました♪」

少女「うふふー」

男「太るぞ」

少女「いっぱい食べて早く伸長伸ばしたいの!」

男「なんで?」

少女「内緒!」

男「なんで?」ニヤニヤ

少女「……内緒!」



54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:54:25 id:v1RBFxNE

……

男「プリン美味しい?」

少女「うん!」

少女「一口あげる!」

男「お、ありがと」

少女「はい、あーん」

男「……」

少女「あーん」

男「……」ハムッ

少女「美味しい?」

男「うん、なかなか」



55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/31(木) 21:58:13 id:v1RBFxNE

少女「もう一口どーお?」

男「誘い方がいやらしい」

少女「じゃあこっちのプリン、食べる?」ムニッ

男「壁じゃん」

少女「壁じゃないし! 日々成長中だし!」

男「少なくともプリンではないな」

少女「すぐにプリンプリンになるし!」

男「言ってることが親父臭い」



59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 21:35:36 id:kWvNNYfM

……

少女「ふぅ、満足ー♪」

男「あのさあ、さっき電話でさ、おれのこと『お兄ちゃん』って呼んだじゃん」

少女「あ……うん」

男「家ではおれのこと、兄ちゃんって呼んでんの?」

少女「うん……」

少女「嫌だった?」

男「いや、全然」

男「ていうかどうせ、来月にはほんとに兄妹になるんだし、それでいいんじゃね」

少女「そうだね……」



60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 21:40:42 id:kWvNNYfM

男「なに、お母さんが再婚するの、反対?」

少女「反対……じゃないよ」

男「じゃあ」

少女「お兄ちゃんは嫌じゃないの?」

男「全然」

男「母さんが死んでから、親父ずっと一人で大変だっただろうし」

男「おばさんはすっごくいい人だし、可愛い妹もできるし」

少女「……」

男「おれは素直に嬉しいぜ?」



61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 21:49:19 id:kWvNNYfM

少女「そっかー」

男「?」

少女「さ、お腹いっぱいになったし、帰ろ」

男「ん」

少女「外、寒いかなあ」

男「寒いだろな」

少女「トイレ行ってくるね」

男「おう」

少女「あ、間違えた、お花摘みに行ってきますわ♪ おほほ♪」

男「遅いよ」



62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:03:21 id:kWvNNYfM

……

少女「寒い」ギュ

男「だから言ったろ」

少女「……」ギュウ

男「……」

少女「……」

男「……なに考えてんの?」

少女「別に」



63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:11:12 id:kWvNNYfM

男「なんか、悩んでる顔」

少女「……」

男「当たりだ」

少女「……」

男「家に帰るまでに言える?」

少女「言わなきゃいけない?」

男「言いたくないなら聞かない」

少女「……聞いて」

男「おう」



64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:19:17 id:kWvNNYfM

少女「お母さん、再婚してほしくない」

男「やっぱ、それかあ」

少女「……」

男「どうして?」

少女「だって……」

少女「……」

男「?」



少女「兄妹になったら、結婚できないもん」



65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:29:44 id:kWvNNYfM

男「……は?」

少女「……」プルプル

男「あ、っちょ、泣くな! 泣くな!」

少女「……」プルプル

男「いや、今のは、ほら」

少女「おっきくなったら結婚してくれるって言ってくれたくせにっ」プルプル

男「違う違う、それを忘れてたわけじゃなくてだな」

少女「『は?』って言ったもん! 『は?』って!」グスグス

男「違う違う、だからさ……」



男「兄妹でも、血が繋がってなかったら結婚できるんだよ!」



66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:41:04 id:kWvNNYfM

少女「……え?」

男「だから、兄妹でも結婚できるの」

少女「……私たちも?」

男「うん」

少女「じゃあ、じゃあ!」

男「……お前の気が変わってなかったら、な」

少女「……」ニコッ



67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:47:01 id:kWvNNYfM

男「一瞬で泣きやんだな」

少女「嬉しくて」ニコニコ

男「そうかい」

男「ていうか、そんなことで悩んでたのか」

少女「そんなこととは失礼なっ」

男「おばさんに直接『再婚すんな』とか言ってねえだろうな」

少女「……う」

男「言ったのか」



68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 22:55:40 id:kWvNNYfM

少女「今日、謝る」

少女「それで、『結婚していいよ!』って言う」

男「うん、そうしろ」

少女「一緒にいて?」

男「……おれも?」

少女「うん」

男「……いいけど」

少女「心強いですわ♪」

男「さっきからそのお嬢様言葉はなんなの」

少女「……照れ隠しですわ♪」

男「可愛いなコイツ」



69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:02:54 id:kWvNNYfM

少女「結婚はしてくれるのに、私に悪戯してくれないの?」

男「それとこれとは話が別だろ」

少女「まだ小さいから?」

男「それもある」

少女「他には?」

男「……周りの目が痛い」

少女「そんなの気にしなくたって」

男「周りから見たら、単なる兄弟だよ」



70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:13:03 id:kWvNNYfM

少女「むぅ」

男「もしくは、変質者と被害少女」

少女「……」

少女「それはまずいよね」

男「まずいよな」

少女「お兄ちゃんが変質者扱いを受けるのはまずい」

男「お前が被害少女役なのはいいのか」

少女「喘ぎ声ならうまく出せるよ?」

男「なんでそんな練習してんだ馬鹿」

少女「アヘ顔もできるよ?」

男「全然興奮しない」



71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:21:01 id:kWvNNYfM

……

少女「まず私たちが家に入るでしょ?」

男「うむ」

少女「そうするとお母さんたちが『お帰り』って迎えてくれるでしょ?」

男「うむ」

少女「そして私がおもむろに、『結婚おめでとう! 祝福するよ!』って言うでしょ?」

男「うむ」

少女「そしたらお母さんたちも、『私たちも、あなたたちの結婚を祝福するわ♪』と言うでしょ?」

男「ちょっと待て」



72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:26:28 id:kWvNNYfM

少女「万事オッケー」

男「その返答はまったく期待できない」

少女「どうして?」

男「具体的な話にするな」

男「まだ結婚なんてずっと先だし、お前かおれが心変わりするかもしれないだろ?」

少女「私はしない」

男「……っ」

少女「お兄ちゃんはしちゃうの? 約束破っちゃうの?」

男「……しない……かな?」

少女「……うふふ♪ じゃあ問題ないねっ」



73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:31:33 id:kWvNNYfM

少女「よし、帰ろう」

男「どっちに?」

少女「どっちでもいいよ、隣じゃん」

男「まあそうだけど」

少女「悪戯はしてもらえなかったけど、ハッピーハロウィンだった♪」

男「そりゃよかった」

少女「トリック・オア・マリッジ!」

男「はい?」

少女「悪戯してくれないなら、結婚しなさい!」

男「……五年経ったらな」

少女「うふふ♪」


★おしまい★



74: HAM ◆HAM/FeZ/c2 2013/11/01(金) 23:34:46 id:kWvNNYfM

あれ? エロくない……
なんか普通のSSになってしまいました


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※上記AA画像にリンクを貼っております



76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:44:23 id:z7deOXKQ

あなただったか!
非エロにも需要はあるんだぜ?
乙!



77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/01(金) 23:51:04 id:f52Intjg

絶妙のいちゃラブごちそうさまでした
乙!

元スレ
SS深夜VIP:少女「お菓子をくれたら悪戯してもいいよっ」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1383051597/